西原&順也くんシリーズのブログです。 <登場人物> 西原 優希(さいばら ゆうき)日仏クォーター、才色兼備な中学2年の14歳。幼馴染の順也が大好き。 /鳳 順也(おおとり じゅんや)ちょっと小さいけれど、剣道チャンピオンのやっぱり14歳。綺麗で優しい西原が大好き。
 リングの台座を埋め込む手術から2週間、俺は絶対安静だった。
 手術をした場所が腫れて薬を飲んでも熱が下がらないし、ずっと全身がだるくて起き上がるがる事もできなかった。
 それに、痛みのせいで良く寝むれないし、食欲も全然ない。
 ずっとベッドの上から動けなかったけれど、でもそんなに辛くは無かった。
 理由は、何時も王立商人の仕事で忙しいユウキが、ずっと傍にいてくれたからだ。
 俺の着替えも、食事の世話も、薬を飲ませるのも、傷口の消毒も、汗で濡れた身体を拭くのも、全部、全部、ユウキがやってくれた。
 そして、何時もは出掛けてしまうか、書斎でやっているユウキの仕事も、俺の枕元に机を置いて、全部そこでやってくれた。
 時々、どうしてもなお客様が来た時だけ「直ぐに帰ってくるからね」と言って、客間に行ってしまうけれど、それも10分としないで帰って来てくれる。
「ユウキ様っ!幾ら何でも3日連続で国王陛下を呼び出すのは止めて下さいっ、しかもっ今日もこれで3度目ですよっっ、いい加減にしないとっ、そのうち本気で死刑になりますからねっ!!」
 アレン・マリーさんに時々怒られていたけれど、でもユウキはずっと傍にいてくれて、それに俺のどんなお願いも聞いてくれた。
「ゆぅきぃ・・」
「えっ?ジュンヤ、どうしたの?喉が渇いた?それとも何か食べたい?もしかして暑い?それとも寒い?」
「んん・・、どれも違うぞっ、ずっと寝てて背中が痛いからまたさすってくれよな」
「あっ、うん、気がつかなくてゴメンね、今さすってあげるよ・・・はい、これでいい?」
「んん・・・気持ちがいいぞ、ずっとさすってくれよな」
「はいはい、ジュンヤがいいって言うまで続けるよ」
「それからな・・やっぱり喉が渇いたから、ジュースが飲みたいぞっ」
「はいはい、今、準備させるよ」
「ジュースはまた、ユウキのキスで飲ませてくれよなっ」
「はいはい、甘えん坊さんだね」
 ずっと傍にいたいのに中々一緒に過ごせないユウキを独り占め出来て、それだけでリングを付ける事にして良かったと感じられる、本当に幸せな2週間だった。

「はい、診察終了です、ジュンヤ様、綺麗に傷口も塞がって、台座も上手く固定しましたね、今日から普通に生活して頂いてかまいませんよ」
 そして、手術から一ヵ月後、俺の身体はすっかり元に戻った。
 これまでも毎日診察に来てくれていたリィンさんにそう言って貰えて、
「良かったねっ!頑張って偉かったねっ、ジュンヤっ」
「おめでとうございますっ!ジュンヤ様っ」
「良かったですね、ジュンヤ様、はぁ・・やっとこれでユウキ様がお仕事をしてくださいます」
「にゃーーーっ!!」
 ユウキも、ケント君も、アレン・マリーさんも、まっしろも、もの凄く喜んでくれた。
「良かった!本当に良かったねっ!ジュンヤッ」
「んんんっ!目が回るぞっ、ユウキィっっ」
「にゃーーーーっにゃーーーーっ」
 特にユウキは喜んでくれて、俺を抱きしめて何度もクルクル回るので、俺と俺が抱いていたまっしろは、目が回ってフラフラになってしまった。
 
 そしてその夜、ユウキは俺にもう出来てユウキの手元に届いていたラブリングを、俺に嵌めてくれた。
―――カチンッ
 二人きりの寝室に、リングが台座に嵌る小さな音が、空気を震わせて響き消えていく。
「凄く綺麗だ、似合ってるよ、これで本当に俺だけのジュンヤだね」
 一際大きな紅い石を中心に、沢山の宝石が散りばめられたリングとそれを着けた俺を、約束をしていた通りに、ユウキは沢山褒めてくれた。
 これから、封印の刺青に合わせた彫刻をして、リングはもっと綺麗になるだろう。
 やがて、沢山の賛辞とキスを貰った後に、俺はユウキと抱き合ってベッドに倒れ込んだ。

「んん・・・何だか、エッチはしたくないぞっ」
「ええっ!?どうしてっ?まだ何処か痛いのっ?!もしかして熱がある?」
「んん、違うぞっ、エッチをする時はリングを外さなくちゃいけないから、せっかく綺麗なのに、勿体無いからだぞっ!」
「えっ?あはは・・、じゃあ、今日は止めておく?」
「んんんっ!それも嫌だぞっ!」
「良かった・・俺も、そんなのは嫌だよ、一ヶ月我慢してたから今日は絶対にジュンヤが欲しい」
 俺が我侭を言うと、ユウキはちょっと意地悪そうな顔になったけれど、直ぐに何時もの優しいユウキに戻って、
―――カチンッ
「俺の、ジュンヤ、一生大切にするからね」
 そっとリングを外し、静かだけれど力強い声でそう囁いてから、まず台座に貫かれている、俺の雄の印を優しく口に含んだのだった。


一応、終了です。
前回、挫折しているので、とりあえずENDになってホッとした。
無念なのは全然エッチな展開にならなことですねっ(コラッ!)
この二人はまた続きが書きたいですっ、意外と直ぐに始まるかも?
その時は、お付き合い頂けると嬉しいです(><)ゞ



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2008.10.21(00:00)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 それから、俺のリングを救ってくれるという工房に行って、俺はその日のうちにリングの台座を着ける手術を受けた。
「私もこの工房で手術を受けたんですよ、都で一番腕の良い職人さんがいるんです、出来上がりがとても綺麗なんですよ」
 手術を受ける前、真っ白な手術着に着替えるのを手伝ってくれながら、ケント君が俺を励ます様にそう言ってくれた。
 手術は、昨日お屋敷に消毒に来てくれたリィンさんがやってくれた。
 ベッドに手も胴体も腰も、全身グルグル巻きに縛り付けられて、足だけを大きく開かされた恥ずかしい格好で行われた手術は、言われていた通りにもの凄く痛くて、気を失いそうになるのに、また痛いので目が覚めてしまう程だった。
 一番痛かったのは、台座の棒を雄の印の根元に通す時だった。
 最初にそこに通し穴を開けた時も痛かったけれど、棒をその穴に入れて行く時は、痛くて痛くて、俺は舌を噛まないように噛まされていた金属の棒を、食いしばって折ってしまった。
 見ると怖くなってしまうので、目隠しをされた闇の中、何時終わるともしれない激痛の波に何度も何度も襲われた。
 そして、猿轡をされた口で叫び過ぎて喉が枯れて、涙も出なくなった頃に、
「終わりましたよ、ジュンヤ様、良く頑張りましたね」
 白く大きなマスクをしたリィンさんに、優しい声でそう言われて俺は、気が抜けてそのまま気を失ってしまった。

 次に目を覚ましたら、そこはユウキのお屋敷の、何時もの自分の部屋のベッドの上だった。
 夜らしくて、遠く部屋の隅に小さく明かりが灯っているだけの部屋の周囲には、風除けの薄いカーテンがグルリと張り巡らされていた。
 広い広いベッドには俺一人しか寝ていなかった。
 額の上にヒンヤリと冷たいタオルが乗っていて気持ち良いけれど、それ以外は、全身が熱っぽくて、身体がもの凄くだっるくって、目が醒めた時からズキズキと痛んでいた手術を受けた場所が、意識がハッキリしてくるに連れて、ドクドクと脈打つように痛み出した。
「ふぇぇ・・・ゆぅ・・きぃ・・」
 俺は、暗い部屋に一人でいるのがあっという間に寂しくなって、手術の時に叫び過ぎたせいでまだ枯れてしまっている声で、大好きなユウキの名前を呼んでみた。
 でも、本当に小さな声しか出なくて、こんなんじゃぁきっと誰にも届かないと思ったけれど、
「わぁっ!血相変えてどうしたんですかっ?ユウキ様?!」
「今、ジュンヤの声がしたっ!」
「えっ?ついさっき額のタオルを代えた時はまだ良く眠っていらっしゃいましたけれど、ユウキ様は客間でご商談中なのに、ジュンヤ様の声が聞こえたんですか?」
「聞こえたっ!はっきり聞こえたっ」
「コラーーーッ!ユウキ様っっ!何で大切な商談中に『ジュンヤッ、今行くよっ』とか叫んで飛び出していくんですかぁっ!?隣国の大使がドン引きしていますよっっ」
 少ししたらバタバタと足音が近付いてきて、階段の下で、ユウキとケント君とアレン・マリーさんの言い合う声がワァワァとした。
−−−ドタドタドタッ
 そして、もの凄い勢いで階段を駆け上がって来る足音がして、
「しょうがないだろうっ!ジュンヤが起きたんだからっ、大使なんか放っておけっ!ジュンヤっ、起きたんだよねっ?傍に居てあげられなくてゴメンねっ!」
 そう言いながら、一番会いたかったユウキが寝室に姿を現した。


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2008.10.19(22:10)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 朝食を食べた中庭から母屋へ戻った時、俺はケント君にお願いして、もう一度リングを見せて貰った。
 大小の宝石を散りばめたリングも、その周りに施された複雑な模様の刺青も、落ち着いて見るととても綺麗だった。
 もう死んでしまったけれど、ケント君のご主人のカシューさんはケント君の事が大好きだった。
だからカシューさんは綺麗な宝石が沢山付いたリングをケント君に贈って、そらがケント君の宝物になったのだ。
 雄の印に台座を刺して、そこに固定されている様子はやっぱりとても痛そうだった。
 だけれど、大好きな人にそんな綺麗な物を贈って貰えただなんて、俺はリングの説明をしてくれながらとても幸せそうに笑っているケント君が、凄く羨ましくなってしまった。
 俺も、ユウキが俺の事を大好きだから贈ってくれるリングを付けて、それをユウキから『綺麗』だと褒めて欲しい。
 あんなにリングを着けるのが怖くて嫌だった筈なのに、俺は何時の間にか自然にそう考えていた。

「はい、ジュンヤ様のお支度が終わりました、凄く可愛いですよっ、ねえ?ユウキ様」
「えっ?あっ、うんっ、そうだねっ、もの凄く可愛いよ、ジュンヤ」
「ににゃぁっ」
「んっ、ありがとうなっ、ユウキぃっ、ケント君っ、まっしろっ」
「大変っ、もう出発の時間ですね、直ぐにお出かけ用の馬車を準備する様に言ってきますね、失礼します、ユウキ様、ジュンヤ様」
 俺を最後まで着替えさせてくれて、ケント君は慌てて部屋から出て行った。
「あの、ジュンヤ、これからリングを付けに工房に出掛けるんだよ?あんなに嫌がっていたのにもう怒ってないの?」
 ケント君を見送った後に、まだ何となくポカンとしていたユウキが、着替え終わった俺を抱き上げてくれながら、恐る恐るな口調でそう尋ねてきた。
 そのまま、馬車に乗る為に、何だか凄くゆっくりな歩調で玄関ホールに向けて歩き始める。
「んんっ、怒ってないぞっ、その代わりにユウキっ、お願いがあるぞっ」
「えっ?何っ?何でも言ってっ、何が欲しいの?隣の国っ?世界っ?宇宙っ?」
「んん?そんなかさ張りそうな使い方の分からないモノはいらないぞっ、ただなっ、俺がリングを付けたら、『綺麗だ』って毎日沢山褒めてくれよなっ」
「えっ?そっ、そんな事でいいの?」
 ユウキが贈ってくれたリングを付けて、それを大好きなユウキから毎日傍で褒めて貰えたら、きっと凄く幸せに違いない。
「んっ、そんな事でいいぞっ」
 もう気持ちは決まっているので、俺がキッパリとそう答えると、
「もっ、勿論だよっ、必ず約束するよっっ」
 ユウキは、ブンブン頷きながら、何度も必ずそうすると約束してくれる。
「ユウキィ、『毎日沢山褒めるよ』のキスしてくれよな」
 そして俺が目を瞑りながらそうお願いすると、
「うんっ、毎日ジュンヤとジュンヤのリングを沢山褒めるって約束するよ」
「だぁぁぁっ!ユウキ様っ!!人を玄関で待たせておいてっ一体何をしているんですかっ?」
「ジュンヤ様、ユウキ様、もう其の辺にして、続きは馬車でしてくださいね」
「ににゃぁぁぁ」
 ユウキは馬車に乗る手前の沢山の召使さん達の見ている前で、うんと長い『約束のキス』をしてくれて、馬車に乗った後に一緒に出掛けるアレン・マリーさんから、沢山怒られていた。


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2008.10.17(20:29)|LOVE RINGコメント(1)トラックバック(0)TOP↑
「んん・・・だから、誰かの奴隷でないケント君がリングを着けているのか」
 ケント君の話を聞いて、俺は普通の召使のケント君がリングを着けているリングが良く分かった。
「リングはカシュー様が私を愛していてくださった確かな印です、だからもう必要の無い今も外さないでつけているのですよ」
 最後にそう言って話を締めくくったケント君は、悲しそうに、でも本当に綺麗に笑った。
「んん、そんなに大切なリングなのに、俺は怖がってちゃんと見なくてゴメンなっ」
「にゃぅーーぅ」
 ケント君が心から大切にしているリングを見せて貰ったのに、俺はそれを怖がって良く見もせずに泣いてしまった。
 そんな事をされてケント君はきっと悲しかっただろうと分かったので、ケント君は怒っていないと言ってくれたけれど、俺はもう一度心からケント君に謝った。
「そんな、確かに見ようによっては痛そうな眺めだし、ジュンヤ様は何も悪くないです、私こそ、下手な話の仕方をしてしまって、ジュンヤ様に御気を遣わせてしまって、申し訳ありませんでした・・・さあっ、朝御飯を沢山お食べになられて偉かったですね、お部屋に戻りましょう、そろそろユウキ様がお帰りになられる時間です」
 すると、ケント君はやっぱり怒ったりしないで、何時もの笑顔でニコリと笑いながらそう言って、俺の手を優しく引っ張って母屋の方に連れて行ってくれようとする。
 俺は前を歩くケント君の背中を見ながら、今聞いたケント君のリングの事と、これから自分が付けるリングの事を、一生懸命考えたのだった。

「今日の外出用のお衣装も素敵ですね、ジュンヤ様、ユウキ様が気合を入れて選び抜いただけあって、とってもお可愛らしいですよ」
「んんっ、ありがとうなっ、ケント君」
「にゃにゃーーっ」
「んん?どうしたんだ?まっしろ、待ってるのに飽きちゃったのか?ほらっ、おいでっ!」
「ああっ、ジュンヤ様、ブローチのピンが刺さりますっ、動かないでくださいっ、まっしろもっ、ジュンヤ様のマントに爪を立てたら駄目だよっ」
「にゃーーー」
 母屋に戻り、ケント君に手伝って貰って外出用の服に着替えていると、
「ただいま、ジュンヤ、朝から出掛けててゴメンね」
 妙にコソコソとした様子で、ユウキが部屋に顔を出した。
「んっ、おはよう、ユウキィ、お仕事だったんだろう?別にいいぞっ」
 俺は、ケント君に動くなと言われていたので、ケント君の前に立ったまま、首だけ振り返ってそう返事をした。
「にゃにゃーーー」
「うん、まっしろもただ今っ、あのねっ、ジュンヤ、俺ね昨日の夜にジュンヤが寝てから考えたんだけれど、今日ジュンヤにリングを付けるのはね、法律で厳しい約束事が沢山あってね、絶対後には伸ばせないんだ、あっっ、ジュンヤが嫌がってるのは本当に分かってるよっ、なのに本当にゴメンねっ、だからねっ、その代わりに考えたんだけれど、リングを付けるのが終わった後のご褒美をもっと沢山にしようと思うんだっ、でっ、ジュンヤは何が欲しい?ジュンヤが望むならもう何でもっ、もうこの際世界とかでもあげちゃうよっ!」
 ユウキは俺の返事を聞いて一瞬動きが止まったけれど、足元にじゃれ付いたまっしろを抱き上げながら緊張した顔で部屋に入ってきて、妙に早口にそういった。
 そして、言うだけ言ったらピタリと止まり、最後の『あげちゃうよっ』でした妙なポーズのまま固まってしまう。
「・・・・・」
「・・・・・」
 ユウキは都で一番カッコイイ筈なのに、何故だか今はそうは見えない。
 そんなユウキの何だか良く意味の分からない変なポーズを、俺とケント君は暫くジッと見てしまったけれど、
「ん?俺は別に嫌じゃないから、そんなにご褒美もいらないぞっ」
 でもケント君の話を聞いて、俺はその時もうリングを着ける事が嫌じゃなくなっていたのでそう言ったら、
「へぁっっっっ?」
 ユウキは凄く面白い声を出して、今まで見た事も無い様なポカンとした顔をしたのだった。


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2008.10.16(18:44)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「俺は一年前にこの家に来たんですけれど、その前はジュンヤ様と同じ王立商人をしている方の個人所有の奴隷でした」
「んん?王立商人は優希だけじゃないのか?」
「違いますよ、この国にはユウキ様以外に後2人王立商人がいるんです、私の主人はその残りの二人の内の一人、カシュー・ケイ様と言う方でした」
「カシューさん?カシューさんはやっぱりユウキみたいにカッコイイのか?」
「え?あはは、そうですねぇ、私には世界で一番素敵に見えましたけれど、ユウキ様と比べると・・ユウキ様みたいなお見掛けの方はめったにいませんよ、でも、とても優しくて、思慮深くて、王立商人としてもとてもご立派な仕事をされていて、私はとても尊敬していました」
「ふーーん、そうか、で、カシューさんは今どうしてるんだ?どうして、ケント君と一緒にいないんだ?」
「はい、一年前、率いていた商隊が蛮族に襲われて、その時のケガが元でカシュー様はお亡くなりになってしまいました、だからもう私はお傍にいる事が出来ないのです」
 俺の質問に答えて、ケント君は悲しそうに微笑んだ。
「んん・・・ゴメンな、ケント君」
「にゃにゃーー・・」
 ケント君の悲しそうな顔を見て、俺は自分凄くが酷いことを聞いてしまったのに気がついた。

「ゴメンな、ケント君、もう俺の事が嫌いか?」
「まさか、嫌いになったりしませんよ、私がお話すると言った事ですから、全然かまいません、それより、何で私がご主人も居ない私がリングを着けているかですよね」
 俺が自分のしてしまった失敗を謝ると、ケント君は今度は普通にニコリと笑って、小さく首を振りながらそう言ってくれた。
 それから、泣きそうになってしまった俺の頭をヨシヨシと撫でてくれる。
「んんっ、やっぱり朝御飯食べるぞっ」
 俺はケント君に申し訳なくて、せめてケント君のお願いを聞こうと、朝御飯を食べることにした。
「えっ?本当ですか?それがよろしいです、今すぐ準備しますね」
 ケント君は直ぐにもう一度俺の前に食事の用意をしてくれて、食べる俺を嬉しそうに見ながら話しの続きをしてくれた。
 その話は、どれだけケント君がどれだけご主人の事を好きだったかと、ご主人がケント君とケント君のリングをもの凄く好きだったという事だった。

「ジュンヤ様は怖がって見て下さいませんでしたけれど、私のリングは都随一の名人の手によるもので凄く綺麗なんですよ」
「んん、そうなのか?じゃあ、今度良く見せてくれよなっ」
「はい、いいですよ、で、カシュー様もそれが私に良く似合うと、リングをもの凄く気に入ってくださっていました・・、ジュンヤ様、ソーダ水のおかわりはいかがですか?」
「んんっ、飲むぞっ、注いでくれよなっ」
「はいはい、そんなリングですから、価値のある宝石が随分使われているみたいで、カシュー様のご家族は出て行くのならそれを置いていけとおっしゃいました」
「んんっ、凄くケチだなっ」
「あはは・・もの凄く高価な宝石なので仕方ありません、でもカシュー様が亡くなって、カシュー様に頂いたモノも総て取り上げられてしまって、もうカシュー様と私を繋ぐモノはこのリングだけでした、私はカシュー様の思い出の品をどうしても外したくなくて、でもそれに見合う代金なんかとても払えなくて、どうしようかと途方に暮れていた時に助けてくれたのがユウキ様でした」
「んん?ユウキが?」
「はい、ユウキ様とカシュー様は商売敵でしたけれど仲がよろしくて、私もユウキ様の事は良く存じておりました、ユウキ様はカシュー様が亡くなって私が困っていることを知って、リングの代金を支払ってくれた上に、カシュー様のお屋敷を追い出されて行き場の無い私を、この家で雇って下さったのです」


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2008.10.14(07:46)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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