目が覚めたら、見た事の無い真っ白な部屋の中のベッドの上だった。
新しい建物の匂いのする広い部屋。
寝ているふかふかの枕も、寝心地の良いベッドにも、被さっている軽く暖かい羽根布団にも、新品で肌触りの良いカバーが掛かっている。
随分眠った気がするけれど今は何時頃なのだろうか?
まだ重い瞼を数回瞬かせて首を巡らせると、壁に掛かっている丸い時計が12時を指そうとしているところだった。
カーテンの開いている大きな窓からは緑の茂る木とその向こうに白く光る空が見えて、木の葉っぱは何だか濡れている気がした。
それを見て、今は昼の12時で、外には雨が降っている事が判る。
雨のせいなのか、本当に回りが静かなのか、部屋は妙にシン・・・としていた。
何で自分はここにいるのだろう?
何だか頭がボンヤリとして記憶がはっきりとしない。
酷く身体もだるいので、首をゆるく振って部屋の中を見回す。
広く白い空間には誰もいないけれど、立派な応接セットがあって、そこの椅子の上には何時もお母さんが持っているハンドバックや、パンパンに膨らんだ旅行カバンや紙袋が置かれていた。
それからテーブルの上には、花瓶に生ける前の花束と、家の一番大きなおタッパーに入ったお握りと卵焼きと鶏の唐揚げと、それから水筒が入って置いてある。
―――キューーーーーッ
気付けば部屋の中にはお弁当の良い匂いが漂っていて、それを嗅いだ途端に俺のお腹が大きな音を立てた。
今始めて気付いたけれど、俺は物凄くお腹が空いていた。
それに、喉もカラカラに渇いていたし、部屋の中が妙にシンとしているのも寂しくって嫌だった。
カッコイイ液晶テレビが壁際の台の上に置いてあって、それのリモコンもお弁当のあるテーブルの上にあった。
お腹が空いて喉が渇いたのでお弁当と水筒が欲しくて、部屋が静かなのが嫌なのでテレビを点けたい。
だから、テーブルまで行ってその総てを解決したいと思い、ベッドから起きようとしたけれど、ダルイ上半身を起こした途端に頭がクラリとした。
でも頑張って腕を支えに起きて、次はベッドから下りようと足を動かそうとすると、腕から力が抜けてグラリと身体が傾いてしまう。
――――ガタッ!!ガッターーーーン!!!
あっ!と思った時には遅くて、言う事の効かない身体はベッドがらズルリと落ちてしまった。
ズリズリ落ちたので痛くは無かったけれど、ベッドの脇に置いてあった椅子を引っ掛けて倒してしまい、耳を塞ぎたいような音がする。
―――ガラッ!!!
「順也っ!!!何があったの?大丈夫!?」
その途端にピッタリと閉まっていた、重そうな横開きのドアが勢い良く開いて、そこには驚いた顔の西原が立っていた。
ドアの前に立つ西原は、髪を一つに束ね、何時も通りに白いTシャツとジーンズ姿で、ぜんぜん飾り気が無くて、でも何時も通りに見惚れる様に綺麗だった。
「良かった目が覚めたんだねっっ、ベッドから落ちたのっ!?大丈夫?」
床の上に落ちている俺を見て、西原は酷く慌てた様子で大股で近づいてくる。
「怪我は無い?起きて一人だから驚いたんだよね、ゴメンネ一人ぼっちにして」
そして、優しい声でそう言いながら床に跪いて、腕を伸ばし俺を床から抱き上げてくれようとしてくれた。
――――ザワリ・・・・
でも、半そでのTシャツから伸びた西原の腕が俺に触れようとした瞬間に、頭の中で何かが弾けて、胸の奥が大きくザワめいた。
その始めて味わうぐにゃりとした嫌な感情に寒気を覚えた俺は、
「俺に触んなっ!!」
思わずそう叫び、西原の腕を振り払っていた。
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寝ているふかふかの枕も、寝心地の良いベッドにも、被さっている軽く暖かい羽根布団にも、新品で肌触りの良いカバーが掛かっている。
随分眠った気がするけれど今は何時頃なのだろうか?
まだ重い瞼を数回瞬かせて首を巡らせると、壁に掛かっている丸い時計が12時を指そうとしているところだった。
カーテンの開いている大きな窓からは緑の茂る木とその向こうに白く光る空が見えて、木の葉っぱは何だか濡れている気がした。
それを見て、今は昼の12時で、外には雨が降っている事が判る。
雨のせいなのか、本当に回りが静かなのか、部屋は妙にシン・・・としていた。
何で自分はここにいるのだろう?
何だか頭がボンヤリとして記憶がはっきりとしない。
酷く身体もだるいので、首をゆるく振って部屋の中を見回す。
広く白い空間には誰もいないけれど、立派な応接セットがあって、そこの椅子の上には何時もお母さんが持っているハンドバックや、パンパンに膨らんだ旅行カバンや紙袋が置かれていた。
それからテーブルの上には、花瓶に生ける前の花束と、家の一番大きなおタッパーに入ったお握りと卵焼きと鶏の唐揚げと、それから水筒が入って置いてある。
―――キューーーーーッ
気付けば部屋の中にはお弁当の良い匂いが漂っていて、それを嗅いだ途端に俺のお腹が大きな音を立てた。
今始めて気付いたけれど、俺は物凄くお腹が空いていた。
それに、喉もカラカラに渇いていたし、部屋の中が妙にシンとしているのも寂しくって嫌だった。
カッコイイ液晶テレビが壁際の台の上に置いてあって、それのリモコンもお弁当のあるテーブルの上にあった。
お腹が空いて喉が渇いたのでお弁当と水筒が欲しくて、部屋が静かなのが嫌なのでテレビを点けたい。
だから、テーブルまで行ってその総てを解決したいと思い、ベッドから起きようとしたけれど、ダルイ上半身を起こした途端に頭がクラリとした。
でも頑張って腕を支えに起きて、次はベッドから下りようと足を動かそうとすると、腕から力が抜けてグラリと身体が傾いてしまう。
――――ガタッ!!ガッターーーーン!!!
あっ!と思った時には遅くて、言う事の効かない身体はベッドがらズルリと落ちてしまった。
ズリズリ落ちたので痛くは無かったけれど、ベッドの脇に置いてあった椅子を引っ掛けて倒してしまい、耳を塞ぎたいような音がする。
―――ガラッ!!!
「順也っ!!!何があったの?大丈夫!?」
その途端にピッタリと閉まっていた、重そうな横開きのドアが勢い良く開いて、そこには驚いた顔の西原が立っていた。
ドアの前に立つ西原は、髪を一つに束ね、何時も通りに白いTシャツとジーンズ姿で、ぜんぜん飾り気が無くて、でも何時も通りに見惚れる様に綺麗だった。
「良かった目が覚めたんだねっっ、ベッドから落ちたのっ!?大丈夫?」
床の上に落ちている俺を見て、西原は酷く慌てた様子で大股で近づいてくる。
「怪我は無い?起きて一人だから驚いたんだよね、ゴメンネ一人ぼっちにして」
そして、優しい声でそう言いながら床に跪いて、腕を伸ばし俺を床から抱き上げてくれようとしてくれた。
――――ザワリ・・・・
でも、半そでのTシャツから伸びた西原の腕が俺に触れようとした瞬間に、頭の中で何かが弾けて、胸の奥が大きくザワめいた。
その始めて味わうぐにゃりとした嫌な感情に寒気を覚えた俺は、
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思わずそう叫び、西原の腕を振り払っていた。
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