「嫌ぁ・・・西原が一緒じゃないと帰らないぃ・・・西原ぁ・・・西原ぁ・・ぁ!」
「ははは・・・みるみる元気になりましたね」
「先輩っ、何を悠長に笑ってんだよっ、どうすんだよっ、これどうすんだっ?!」
「もう、そんなの、優希君を呼んでくればいい事に決まっているでしょう?翔也君、呼んで来てっ」
「また俺かよっ!?」
「ふえぇぇ・・っ・西原ぁ・・・西原ぁ・・・西原ぁ・・」
「うわっ!分った、分ったよっ、呼んでくるっ!チクショウッ、もう行って一時間だぞっ!何してんだよっ、優希もっ親父もっ兄貴もぉ!」
「その演舞というのは、30分位ではありませんでしたっけ?確かに少し時間が掛かっていますね」
「そうですわねぇ・・・何かあったのかしら?」
「ふぇぇぇぇっ!・・西原にぃ・・何かあったのかぁ!?」
「あらっっ!ゴメンなさいねっ、そんな事はないわっ!桜子姉さんの間違えよっ」
「ははは・・あまり患者を興奮させないでください、迂闊な桜子さん」
「・・・・まぁっ・・・申し訳ありませんでしたわ・・・っ」
「一度、私も見たいですねぇ、演舞、翔也も出来るのだろう?今度見せてくれないか?」
「ふぇ・・・・っ、翔也兄さんは・・・ぁっ、ヘタッピで失礼だからぁ・・ヒグッ・・駄目だぞっ・・」
「ははは、翔也は失礼なくらいに下手なんだね、まあ、それどもいいですけれど」
「違いますっっ!何度も言わせるなっっ!失礼わぁぁ!オマエだぁぁ!!くそうっっ、優希を呼んで来てオマエの教育方針で小一時間文句言ってやる!」
「ふぇぇ・・待ってぇ・・待ってぇっ、翔也兄さぁん・・っ・」
「ああ?何だっ?」
「俺もぉ・・西原のところに行くぅ」
西原は俺の代わりに、フランスからきたお客様に演舞を披露する為に、道場へ行ってしまっていた。
お父さんや翔也兄さんと一緒だから心配ないと皆は言うけれど、俺はそれを聞いても不安で不安で仕方がなかった。
だって、西原は何時見ても頭がホワッとするくらいに綺麗だし、少ししか見たことがないけれど演舞をしている時の西原は、もっとびっくりする位に綺麗だった。
道場には鷹也さんもいるらしいので、そんな西原を見て鷹也さんがまた酷い意地悪をするかもと思うと、俺はいてもたってもいられない気分になる。
だから、俺は道場に西原を呼びに行ってくれるという翔也兄さんにお願いした。
本当は一瞬でも早く自分で走って行きたいけれど、何だか全身がフワフワするくせにだるくて、今もベッドに座っているのが辛かった。
だから、翔也兄さんにお願いして、抱いて連れて行って欲しいと腕を伸ばしてみせる。
「えぁぁぁ・・・・それは駄目だっ、オマエはここで待ってろっ・・よいしょっ!」
「翔也君っ、どうしてそう言いながら、順也ちゃんを抱き上げているのかしら?」
「ううううっ、そんな事言ったって仕方ねぇだろうっ・・・可愛いしっ!」
「ははは・・いいでしょう、どうせ車はそちらの方ですよね、ここの片付けは後日にさせて貰って、このまま道場で優希君を回収して病院へ向いましょう、桜子さん、手の毛布を順也くんにお願いします」
「分りましたわ、はい順也ちゃん、寒いといけないからこれは掛けましょうね」
『俺の全部は順也のものだよ』
西原がそう言ってくれるから、西原の全部は俺のものだった。
誰よりも綺麗で優しい俺だけの西原。
その西原が二度と苛められたりしないように、ちゃんと俺が守るとこの家に来る前に決めていた。
それなのに西原は多分俺を庇って恐い女の人に叩かれてしまうし、今の俺は自分1人で歩くことも出来いし、情けなくて仕方が無い。
早く西原に逢って、上手く動けはしないけれど、西原を守らなくてはいけない。
「ふぇ・・っ、翔也兄さぁん」
「ああ?行くぞ、大丈夫か?ゆっくり歩くけど、辛かったら言えよ」
「ううん・・・俺、急いでいるからダッシュしてくれよな・・っ」
「出来るかぁっっ!!」
「ふぇぇっ!」
俺は一瞬でも早く西原のところに行きたいのに、俺の毛布の巻き方で揉めたり、俺が病院に行くまでに喉が渇いた時用の白湯(って何だ?)をお手伝いさんが準備してくれるのを待っていたりして、なかなか出発してくれない。
「ほほほ、順也ちゃんは優希君のことがとても心配なのよね、はい、順也ちゃん、これを掛けてるといいわ」
「ああ?何だよ?その指輪は?」
「私が前のフランス旅行でジプシーのおばあさんから譲って貰った幸運のお守りよ、順也ちゃんにお土産で渡したのだけれど、鎖が切れてしまって預かっていたの、とても効くお守りだからやっぱり身に付けていた方がいいわ」
それで俺がイライラしていると、桜子姉さんが首に鎖に通した指輪を掛けてくれた。
それは、西原にさっき取り上げられてしまった、西原の全部が俺の物だっていう印の俺の指輪だった。
「鎖が切れてんじゃねえのかよ」
「今、私のネックレスのと交換したから大丈夫よ、これで少しは安心よね?順也ちゃん、落ち着かないと体調に障るからダメよ」
桜子姉さんが掛けてくれた鎖の先の指輪をギュッと手で握り締めると、早く西原に逢わなければと焦ってイライラとしていた気分が、スッと落ち着く気がする。
「んん・・・ありがとうな、桜子姉さん」
「ああ?大人しくなったな、そんなにそのお守りがいいのか?それじゃあ行くぞ」
「翔也兄さぁん・・でも、早くなぁ」
「へぇへぇ」
「ジプシーのお守りですか、でもジプシーってヴァンクリーフの指輪を・・・・ハグゥ!!!!何で鳩尾っっ?」
「オホホホ・・・っ、フランスですものっ、先生!そういう事もありますわっっ!」
手の中に確かに在る、綺麗な綺麗な俺だけの指輪。
『俺の心も身体も順也だけのものだから、順也以外には誰にも触らせないよ』
俺が指に嵌めたそれに触れながら、西原がそう約束してくれていたのを思い出し、少しだけ安心する事が出来た俺は、翔也兄さんの腕の中で身体の力をフニャと抜いた。
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「先輩っ、何を悠長に笑ってんだよっ、どうすんだよっ、これどうすんだっ?!」
「もう、そんなの、優希君を呼んでくればいい事に決まっているでしょう?翔也君、呼んで来てっ」
「また俺かよっ!?」
「ふえぇぇ・・っ・西原ぁ・・・西原ぁ・・・西原ぁ・・」
「うわっ!分った、分ったよっ、呼んでくるっ!チクショウッ、もう行って一時間だぞっ!何してんだよっ、優希もっ親父もっ兄貴もぉ!」
「その演舞というのは、30分位ではありませんでしたっけ?確かに少し時間が掛かっていますね」
「そうですわねぇ・・・何かあったのかしら?」
「ふぇぇぇぇっ!・・西原にぃ・・何かあったのかぁ!?」
「あらっっ!ゴメンなさいねっ、そんな事はないわっ!桜子姉さんの間違えよっ」
「ははは・・あまり患者を興奮させないでください、迂闊な桜子さん」
「・・・・まぁっ・・・申し訳ありませんでしたわ・・・っ」
「一度、私も見たいですねぇ、演舞、翔也も出来るのだろう?今度見せてくれないか?」
「ふぇ・・・・っ、翔也兄さんは・・・ぁっ、ヘタッピで失礼だからぁ・・ヒグッ・・駄目だぞっ・・」
「ははは、翔也は失礼なくらいに下手なんだね、まあ、それどもいいですけれど」
「違いますっっ!何度も言わせるなっっ!失礼わぁぁ!オマエだぁぁ!!くそうっっ、優希を呼んで来てオマエの教育方針で小一時間文句言ってやる!」
「ふぇぇ・・待ってぇ・・待ってぇっ、翔也兄さぁん・・っ・」
「ああ?何だっ?」
「俺もぉ・・西原のところに行くぅ」
西原は俺の代わりに、フランスからきたお客様に演舞を披露する為に、道場へ行ってしまっていた。
お父さんや翔也兄さんと一緒だから心配ないと皆は言うけれど、俺はそれを聞いても不安で不安で仕方がなかった。
だって、西原は何時見ても頭がホワッとするくらいに綺麗だし、少ししか見たことがないけれど演舞をしている時の西原は、もっとびっくりする位に綺麗だった。
道場には鷹也さんもいるらしいので、そんな西原を見て鷹也さんがまた酷い意地悪をするかもと思うと、俺はいてもたってもいられない気分になる。
だから、俺は道場に西原を呼びに行ってくれるという翔也兄さんにお願いした。
本当は一瞬でも早く自分で走って行きたいけれど、何だか全身がフワフワするくせにだるくて、今もベッドに座っているのが辛かった。
だから、翔也兄さんにお願いして、抱いて連れて行って欲しいと腕を伸ばしてみせる。
「えぁぁぁ・・・・それは駄目だっ、オマエはここで待ってろっ・・よいしょっ!」
「翔也君っ、どうしてそう言いながら、順也ちゃんを抱き上げているのかしら?」
「ううううっ、そんな事言ったって仕方ねぇだろうっ・・・可愛いしっ!」
「ははは・・いいでしょう、どうせ車はそちらの方ですよね、ここの片付けは後日にさせて貰って、このまま道場で優希君を回収して病院へ向いましょう、桜子さん、手の毛布を順也くんにお願いします」
「分りましたわ、はい順也ちゃん、寒いといけないからこれは掛けましょうね」
『俺の全部は順也のものだよ』
西原がそう言ってくれるから、西原の全部は俺のものだった。
誰よりも綺麗で優しい俺だけの西原。
その西原が二度と苛められたりしないように、ちゃんと俺が守るとこの家に来る前に決めていた。
それなのに西原は多分俺を庇って恐い女の人に叩かれてしまうし、今の俺は自分1人で歩くことも出来いし、情けなくて仕方が無い。
早く西原に逢って、上手く動けはしないけれど、西原を守らなくてはいけない。
「ふぇ・・っ、翔也兄さぁん」
「ああ?行くぞ、大丈夫か?ゆっくり歩くけど、辛かったら言えよ」
「ううん・・・俺、急いでいるからダッシュしてくれよな・・っ」
「出来るかぁっっ!!」
「ふぇぇっ!」
俺は一瞬でも早く西原のところに行きたいのに、俺の毛布の巻き方で揉めたり、俺が病院に行くまでに喉が渇いた時用の白湯(って何だ?)をお手伝いさんが準備してくれるのを待っていたりして、なかなか出発してくれない。
「ほほほ、順也ちゃんは優希君のことがとても心配なのよね、はい、順也ちゃん、これを掛けてるといいわ」
「ああ?何だよ?その指輪は?」
「私が前のフランス旅行でジプシーのおばあさんから譲って貰った幸運のお守りよ、順也ちゃんにお土産で渡したのだけれど、鎖が切れてしまって預かっていたの、とても効くお守りだからやっぱり身に付けていた方がいいわ」
それで俺がイライラしていると、桜子姉さんが首に鎖に通した指輪を掛けてくれた。
それは、西原にさっき取り上げられてしまった、西原の全部が俺の物だっていう印の俺の指輪だった。
「鎖が切れてんじゃねえのかよ」
「今、私のネックレスのと交換したから大丈夫よ、これで少しは安心よね?順也ちゃん、落ち着かないと体調に障るからダメよ」
桜子姉さんが掛けてくれた鎖の先の指輪をギュッと手で握り締めると、早く西原に逢わなければと焦ってイライラとしていた気分が、スッと落ち着く気がする。
「んん・・・ありがとうな、桜子姉さん」
「ああ?大人しくなったな、そんなにそのお守りがいいのか?それじゃあ行くぞ」
「翔也兄さぁん・・でも、早くなぁ」
「へぇへぇ」
「ジプシーのお守りですか、でもジプシーってヴァンクリーフの指輪を・・・・ハグゥ!!!!何で鳩尾っっ?」
「オホホホ・・・っ、フランスですものっ、先生!そういう事もありますわっっ!」
手の中に確かに在る、綺麗な綺麗な俺だけの指輪。
『俺の心も身体も順也だけのものだから、順也以外には誰にも触らせないよ』
俺が指に嵌めたそれに触れながら、西原がそう約束してくれていたのを思い出し、少しだけ安心する事が出来た俺は、翔也兄さんの腕の中で身体の力をフニャと抜いた。
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