西原&順也くんシリーズのブログです。 <登場人物> 西原 優希(さいばら ゆうき)日仏クォーター、才色兼備な中学2年の14歳。幼馴染の順也が大好き。 /鳳 順也(おおとり じゅんや)ちょっと小さいけれど、剣道チャンピオンのやっぱり14歳。綺麗で優しい西原が大好き。
夏水日記hanging gardens
> hanging gardens 10-1
「・・ん・・・・」
「良かった、順也ちゃんっ、目が覚めたのねっ、翔也君っ、三都葉先生っ、順也ちゃんが目を覚ましましたわっ」
「本当か?おいっ、順也、大丈夫か?」
「ああ、良かった、順也君、気分はどうですか?」
「んん・・・桜子・・姉さん・・翔也・・兄さん・・・・前に家に来たお医者さん・・」
「ははは・・良く覚えていますね、気分は悪くないですか?」
「ん・・気持ち・・悪くは・・ない・・でも、頭が痛い・・・」
「それは我慢出来ないくらいでしょうか?」
「・・・ううん・・・ちょっとだけ・・」
「そうですか、ちゃんと答えられて偉いですね、頭痛はいずれ収まると思いますけれど、今から病院に行きますから少し我慢していてくださいね・・翔也、桜子さんも、順也くんの意識も戻りましたしから出発しましょう、点滴を抜きますから翔也手伝って、あとそこの毛布を取ってください」
「はい、私が持ってきますわ」
「順也君、点滴を抜きますよ、ちょっと痛いかもしれませんけれど、我慢してくださいね」
「・・・・・んん?」
「痛いですか?すみませんでしたね、でももう終わりましたよ、翔也、消毒薬と脱脂綿とあとテープを取ってください」
「はい、こらっ順也、男なんだから少しは我慢しろっ」
「まあっ!こんなに弱っている順也ちゃんに翔也君は冷たいのね!」
「えっ?いやそうじゃなくてっ、こういう場合はだなっ」
「痛いのは仕方ありませんわっ、それにそういうのは先生の腕に問題があるんじゃないかしら?」
「あははは・・・いや、桜子さんは本当に手厳しいですね、でもそうですね、すみません、順也君」
「んんん・・・違うぞ・・ぜんぜん痛くないぞ・・・でも・・・」
「でもなんですか?」
「どうした、順也?」
「何か欲しいの?順也ちゃん?」
「ん・・西原はぁ・・?どうして・・・いないんだ?」
「ああ・・」
「あははは・・・・やっぱりな・・・」
「そう・・きますわよね・・・」
「予定通りですよ、翔也、お兄さんから上手く説明しなさい」
「ええええ?俺!?」
「なんでだ・・・?・・なんで・・・なんでぇ・・・・ふぇぇぇ・・・・」
「キャァッ、順也ちゃん?!」
「うわっ!いきなり泣くなぁぁ」

 ここは・・・何処だろう?
 真っ暗な眠りから目を覚ますと知らない部屋のベッドの上で、翔也兄さんと、桜子さんと、前に家に来た事がある翔也兄さんの知り合いのお医者さんがいた。
 俺はどうしてこんな場所で寝ているんだろう?
 考えるけれど、頭がボンヤリとして理由が良く思い出せない。
 でも、少し頭痛のする頭で考えていたら、西原を探そうとして暗い廊下に迷い込んで、そこで鷹也さんに乱暴に壁に突き飛ばされて、気が遠くなってしまった事を思い出す。
 その後に、腕に何かを刺されて痛くって、でもそれからの事はぜんぜん覚えていなかった。
 その時は凄く恐かったけれど、次に目が覚めたらここにいて、でも、翔也や桜子が傍に居てくれるから、もう恐くも寂しくもなかった。
 ただ、何時も傍にいてくれる西原の姿が見えないのが気になってしまう。
 何時も、何時も、自分の傍にいてくれる大好きな優しい恋人。
 具合が悪い時は必ず枕元にいてくれる筈なのに、なんでそこに居ないのだろう?
 考えようとするとユラユラと頭が揺れる気がするのを我慢しながら、俺は必死に思い出す。
すると・・・・
 確か鷹也の母親だという恐い顔の女の人が西原の事を叩いていた場面が、頭の中に甦る。
 あれは確か、この部屋で一度目を覚ました時の記憶。
 西原が何かを叫ぶ声がして、何だろう?と目を開けたら、目の前でいきなり西原が顔を叩かれていた。
 それを見た瞬間に身体が物凄く冷たくなって、心臓が恐い位にドキドキとして、また気が遠くなってしまったのだ。
 そう言えば、ここは綺麗な西原が居るには凄く危険な場所だった。
 自分に乱暴な事をした鷹也は、西原の事を「綺麗なお人形」だと言って追い回した。
 一つ思い出すと次々と色々な事が頭に浮かんでくる。
 西原は大丈夫だろうか?
 自分が鷹也から受けたような暴力を、まさか受けてはいないだろうか?
 どうして傍にいてくれないだろう?
 逢いたい・・逢いたい・・・綺麗で優しい恋人に逢って、その無事を確かめたい。
 西原ぁ・・・どこに行ったの?
 鈍く痛む頭で考えれば考える程に不安になってきて、
「ん・・西原はぁ・・?どうして・・・いないんだ?」
「ああ・・」
「あははは・・・・やっぱりな・・・」
「そう・・きますわよね・・・」
「予定通りですよ、翔也、お兄さんから上手く説明しなさい」
「ええええ?俺!?」
「なんでだ・・・?・・なんで・・・なんでぇ・・・・ふぇぇぇ・・・・」
「キャァッ、順也ちゃん?!」
「うわっ!いきなり泣くなぁぁ」
 でも、その答えを誰も教えてくれないので、それでどうしようもなく悲しくなって、俺は泣き出してしまった。



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2008.05.10(11:04)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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