西原&順也くんシリーズのブログです。 <登場人物> 西原 優希(さいばら ゆうき)日仏クォーター、才色兼備な中学2年の14歳。幼馴染の順也が大好き。 /鳳 順也(おおとり じゅんや)ちょっと小さいけれど、剣道チャンピオンのやっぱり14歳。綺麗で優しい西原が大好き。
場所・・・隣国王城
登場人物・・・隣国王女 フローリア
        隣国国王




「フローリア姫・・今、隣の国の王から書簡が届いたぞ」
「まぁ!お父様、結婚の申し込みのお返事ねっ!もうっ、答えの決まっているお返事に随分時間が掛かったものねっ、フローリア、待ちくたびれたわっ!!それでっ、『降り注ぐ月光の王子優希様』とこの『青い海の真珠姫フローリア』との結婚の日取りは何時に決まったのかしらっ?お式は海の見える教会を新築して盛大にしようと思っているのよっ!!」
「う・・・む、それがな、王からの書簡によると、今回の姫と優希殿との縁談はお断りしたという事だ、残念だったな、フローリア姫」
「まあっ!まあっ、まあっ!!!どうしてですのっ?お父様っ?!フローリアと優希様、こんなにお似合いの二人はいませんわっ!フローリアはあの一曲のダンスで、優希様と結ばれる運命を感じましたのよっ?」
「オマエはそかもしれないけれどな、優希殿には別に思いを寄せる姫君がおられて、今はもうその方と一緒に暮らしていられるそうだ、だからオマエとの縁談は受けられないらしい」
「優希様と暮らしている姫君?そんな女がいるの?このフローリアと優希様の間に割って入るなんて、一体どこの国の姫なのかしら?」
「さあ、それは分からないが、何でも優希殿が海岸を散歩中に見初めた相手らしくて、それは可憐で愛らしい方らしいですよ」
「まぁ!可憐で愛らしい?それはこの『青い海の真珠姫』フローリアよりも?」
「ま・・まあ、それは無いだろうが、優希殿はその姫に夢中らしい、だからフローリア、この縁談は諦めなさい、代わりにもっと立派な王子を必ず見つけてやるからな」
「イヤッ!イヤですっ!!フローリアは優希様以外の男性に嫁ぎたくありませんっ!!それに、優希様に相応しい相手はこのフローリアだけですわっ!」
「そんな事を言っても、相手にまったくその気が無いんではなぁ・・」
「問題ありませんわっ!優希様は今、その得体の知れない女に騙されてちょっと目が曇ってしまっているだけですっ!それをフローリアが覚まして捧げれば良いだけの事ですわっ!」
「しかし、フローリア、そんな事をどうやって」
「勿論っ、直接出向いて説得いたしますわっ!その姫と並んで比べて頂ければ、優希様もきっと目を覚まされて、フローリアを花嫁に選んで下さいます」
「フローリア、いきなりそんな事をしたら相手にご迷惑では・・」
「お父様は黙っていらしてっ!これも真実の愛の為!!!多少の犠牲は仕方ありませんわ!!早速出発しますっ!誰か馬車の用意をしてちょうだいっっ!」


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2008.07.27(22:19)|人魚姫コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「丁度良かった、鳳、オマエに話があったんだ、そんなところで覗いてないで、こっちに来なさい」
「はいっ!」
 校庭が良く見える、校舎4階の数学準備室。
 この学校に数学教師は二人なので、二つ机があるの。
 その一つに座った羽田は当然数学教師で、その昔はこの中学の剣道部で智也の2学年先輩だった。
 今は剣道部の顧問をしていてくれて、西原と順也のクラスの担任でもある。
 まだまだ若くて、スポーツマンらしいサッパリした性格とスマートな外見をしているので、生徒が気安く話しかける事で出来る、人気のある先生だった。
 その羽田がチョイチョイと手招きすると、順也は素直に良い返事をして、テテテと部屋の中に入ってきた。
 でも、羽田の前まで行かず、西原の背中にピタリとくっつき、そこからジッと担任教師を見詰める。
「こらっ、順也っ!」
「ははは・・・もしかして久しぶりだから、人見知りされているのか?」
「ああっ、すみません、先生、順也、ちゃんと前に出てっ」
「んんっ、ここでいいぞっ!」
「良くないよっ、順也っ!」
「はは、鳳は本当にシャイだなぁ、さわやかでふてぶてしい鳳兄とは大違いだ、おーい、鳳、先生の事、夏休みで忘れちまったのか?」
「覚えてるぞっ」
「ならいいんだけどな、そんなにシャイだとこれからの話しがし辛いなぁ」
 羽田は順也の態度を怒ったりせずに楽しそうに笑いながら、でもかなり困った顔をした。

 羽田の話は、もうすぐ始まる体育館での始業式の事だった。
 全国中学剣道大会。
 夏休みの間、そこで順也が見事優勝を果たした時に貰った賞状と盾を、始業式の時に校長先生から渡して貰うので、名前を呼ばれたら前に出て舞台に上がれというのだ。
 順也は全国大会で小学校から続けて優勝し続けているので、これはもう2学期の始業式の恒例行事なのだが、恥ずかしがりやの順也はこれも恒例行事で毎年嫌がる。 
「なぁ、西原ぁ、どうしても前に出なきゃ駄目か?」
「そうだね、せっかく全国優勝の盾を校長先生が渡してくれるんだから、出ないと駄目だと思うよ」
「んん〜、でもやっぱり恥ずから舞台の上なんか乗りたくないぞっ!」
「そんな事言わないで、皆きっと拍手してくれるよ、花束もくれるみたいだし、順也は凄い事をしたんだから胸を張って行っておいで」
「拍手なんかいらないぞっ、優勝なんかしなければ良かったぞっ!」
「順也っ!試合に出た人皆が優勝したかったのに、そんな事絶対に言ったらだめだよっ」
「んん〜、じゃあ出るけど西原も一緒に出てくれるか?」
「え?俺?俺は関係なから無理だと思うよ」
「でも、今までは出てくれたぞっ、今年も一緒がいいぞっ、なぁ、西原ぁ」
「今まではそうだけど、順也ももう大きいんだから何時までもはおかしいよ?」
「んんんんんっ!じゃあやっぱり出ないっ!」
「はぁ・・、じゃあ舞台の下までね、そこから先は1人で行くんだよ」
 数学準備室から体育館に移動する間の廊下。
 直ぐに始業式が始まるので人気の無いそこで、駄々を捏ねる順也を西原は何とか宥める。
 順也が一度不機嫌になって、ずっとそのままなら西原もやっていられないかもしれない。
 でも、流石に『もう怒っていない』と自分で言い切るだけあって、その不機嫌は長続きしなかった。
 今もちょっと前に不機嫌だった事は忘れてしまい、西原の腕にぶら下がって、甘えてた顔でずっと西原を見上げてくる。
―――ああ、もう2度とこのまま順也の機嫌が悪くなりませんように
 西原は順也に向ける笑顔の裏で必死にそう願いながら、体育館へ続く渡り廊下へと脚を向けた。

 しかし、そんな西原の切なる願いも、30分後には見事に破られる。
「でわ、みなさんもう一度、鳳君に拍手を送りましょう、鳳君、おめでとうございました」
 舞台の上で、校長がそう言って、体育館に響き渡る拍手の中、順也はやっと舞台から下りる事を許された。
「んんんっ!西原ぁ」
 約束なので、舞台の下で顧問の羽田の横にさり気無く並んでいた西原に向かって転がる様に駆け寄ってきて、手に持たされた盾と賞状と花束を西原に押し付けて、一刻も早く西原の背中に隠れようとする。
「はい、ご苦労様だったね、順也」
「西原、賞状と盾はしばらく玄関に飾るからこっちに貸してくれ」
「はい・・・えっと花束は?」
「それは、家に持って帰っていいと思うぞ」
 言われるままに盾と賞状を羽田に渡し、さあ一刻も早く順也を連れて帰ろうと、誰が選んだのか、無意味に大袈裟なで場違いな感じの薔薇の花束を腕に抱え直した。
 そして、帰る前に一応は一礼しようと生徒の方に顔を向けると、何だかざわついていた生徒の列から、
「キャーーーーーーーっ!!!」
「イヤーーーッ凄くカッコイイ!!!」
「イヤーーーーンッ!西原君、似合いすぎっっ!」
「西原クーーーーンッ!西原クーーーーンッッ!」
「先輩ぃぃ!こっち向いて下さーーーーいっっ!!!」
 弾けた様に耳障りな黄色い感性が上がる。
「は?何事??」
 いきなり何が起きたか分からずに、西原は花束と歓声が上がる生徒の列を見比べてオロオロしてしまうけれど、
「んんんっ!西原ぁぁ!」
「うあああ!またなのっっ?!今のは俺何もしてなよっ?」
 名前を呼ばれてハッと振り返った先で順也がまた恐い顔でこちらを睨んでいて、朝から際限なく繰り返される手の付けようの無い悪循環を前に、本気で頭痛を感じて頭を抱えてしまった。



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2008.07.27(15:36)|jealous princessコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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