西原&順也くんシリーズのブログです。 <登場人物> 西原 優希(さいばら ゆうき)日仏クォーター、才色兼備な中学2年の14歳。幼馴染の順也が大好き。 /鳳 順也(おおとり じゅんや)ちょっと小さいけれど、剣道チャンピオンのやっぱり14歳。綺麗で優しい西原が大好き。
「ねえ、順也、そう言われても、『イライラする癖』なんて、それはやっぱり気にするよ」
「しないでくれよなっ」
「そんな事言ったって・・あっ、順也にそんな変な癖がついちゃうなんて、きっと間話し合いがまだ足りなかったんだね、そうだっ、今日は学校は午前中だし、放課後マンションに行ってもう一度じっくり話し合おう」
「オマエのマンションに行くのはいいけど、もう話し合わなくていいぞっ!俺は全然怒ってないんだから、そんなのむーみんだぞっ」
「それを言うなら無意味だよ」
「んっ、無意味だぞっ」
「そうそう・・って、でもそれは全然無意味じゃないからっ、お願いだから話し合おうよ、ねっ、順也っ」
「無意味だぞっ!」
「ううううう・・」
順也と西原は悲しい位に噛み合わない押し問答をしながら校庭の端を横切り、昇降口の靴箱の前まで来た。

―――俺が怒ってもあんまり気にしないでくれよなっ
 いくら本人にそう言われても、素直に『ああ、そうですか』と聞ける分けが無いし、突発的にイライラする物騒な癖を放って置けるわけも無い。
 なので、身長に対して少し高めのところに在る自分の下駄箱を覗き込んでいる順也の後ろに立ち、
「あのっ、朝までは平気そうだったよね、なのにどうして今日急にそうなったのかな?」
 西原はせめて急にそんな気分になった理由を聞こうと食い下がってみる。
 正しい理由が分かれば、早期解決の道が開けるかと思ったのだけれど、
「ん〜、学校には沢山オマエを好きな人間がいるからだと思うぞ、そういう人がいなかったらきっと普通に戻ると思うぞ」
 履いてきたスニーカーを脱いで、持って来た新しい上履きに履き替えてる順也は、上履きのつま先をテンテンと床に着く愛らしい仕草をしながら、結構絶望的な事を言った。

 順也の言っている事を要約すれば『この学校に西原を好きな人間がいるうちは機嫌が悪いけれどよろしく』という事になる。
 自分で言うのもなんだけれど、自分を好だという人間は、この学校には山の様にいた。
 三都葉にからかわれた通りに、馬鹿馬鹿しい告白の行列が出来た事も一度や二度ではなくて、その人間が居なくなる事なんて、放っておいても起きる筈がない。
 もしかして大量虐殺を示唆されているんだろうか?
 まったく解決策の見えない西原は、思わず物騒な妄想に捕らわれそうになってしまう。
―――とにかくっ!俺が誰かに好かれている状況をみせなければいいんだっ
 明確な答えも分からないまま、とにかくこれからは、絶対に告白の為の呼び出しには応じないし、なるべく女子には関わらないようにしようと西原は心に決める。
 しかし、そう決意し、自分も上履きに履き替えようと下駄箱を開けると、
―――ドサドサーーッ、ボトボトーーッ!
 途端に中から大量の手紙やらプレゼントやがら、ドーーッと雪崩を起こして落ちてきて、
「んんんっ!」
「あああっ!」
 焦って横を見ると、案の定また眉を顰めた順也がジッとこちらを見て立っていで、またいい感じでイライラする癖が出てしてしまっている様子だった。
「あ・・・ははは・・・何だろうね、これ、誰かの落し物かな?」
 不機嫌丸出しの順也に向って慌てて苦しい言い訳をした西原は、途方に暮れてもうこの世から消えてしまいたい気分になった。

「羽田先生っ、おはようございますっ、落し物です、預かってください!」
「お?おはよう、西原、こんな新学期の朝から落とし物って一体・・・おおおっ!随分大量だな、何処に落ちてたんだ?」
「俺の下駄箱とロッカーと机の中ですっ」
「・・・・え、えーとな西原、そういうのは落し物って言わないと、先生思うけれどなぁ」
「いいえっ!俺の私物を入れるスペースに、俺の物じゃ無い物が入っているんだから落とし物ですっ、そうに決まってす!」
「決まってますっじゃなくて、どれもこれもオマエへのおプレゼントやラブレターだろう?送り主が夏休み中に選んだり書いたりした物じゃないか?旅行の土産みたいなのもあるぞ、どれにも『西原優希君へ』て、可愛い字で書いてあるじゃないか」
「世の中に西原優希君は俺1人ですかっ!他の西原優希君宛かもしれないじゃないですかっ!」
「いや、他の奴の事は知らないけれど、この学校で西原と言えばオマエ1人だろう、そんなに嫌がらないで受け取るくらいくらいしてやったどうだ?好意の印だぞ?ありがたいじゃないか」
「好意の印でも、ありがたくもありません!とにかく預かって、速やかに持ち主に返却してくださいっ」
「無茶言うなぁ・・・まあ、オマエの屁理屈も一理あるし預かる事は預かるけれどな、代わりにこれ、落し物の拾得届け、『拾った場所と、拾った物と、オマエの学年、クラス、出席番号、名前』キチンと書いておいてくれよ」
「うっ、全部の分ですか?」
「はい、勿論全部の分ですよ、嫌なら諦めて持って帰れ・・ところでなぁ、西原副部長」
「はい、何でしょう?」
「ドアの陰から鳳が恐い顔でずぅっとこっちを見ているけれど、あれは何をしているんだ?相手を威圧する新しい剣道の稽古方か?ならば顧問として詳しく知りたいなぁ」
「うううう・・・うううううっ・・だって、今日に限ってあっちからもこっちからも、開ける度に色々出てくるんですっ、俺に悪気はないんですぅぅ!」
「うわっ、どうしたっ、急に泣くなっ副部長っ!聞いて悪かったよっ!何だか知らないけれど新学期早々大変そうだなぁ・・」


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2008.07.25(00:27)|jealous princessコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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