西原&順也くんシリーズのブログです。 <登場人物> 西原 優希(さいばら ゆうき)日仏クォーター、才色兼備な中学2年の14歳。幼馴染の順也が大好き。 /鳳 順也(おおとり じゅんや)ちょっと小さいけれど、剣道チャンピオンのやっぱり14歳。綺麗で優しい西原が大好き。
「よっこいしょ、順也、大丈夫?今、パジャマ出すから待っててね」
「んん〜、大丈夫だぞぉ〜〜、まだ寝ないぞぉ、庭でもっとワイン飲むぞ〜ぉぉ」
「駄目だよっ!もうっ、明日は学校なのに、こんなに酔っ払っちゃってどうするのっ?」
「んんん〜・・・大丈夫っ、明日の朝はぁ・・学校にも行くしぃ・・早く起きて西原と稽古だってするぞぉ・・」
「するぞぉ・・って、俺はいいけど、順也は起きれるの?」
「んん〜・・西原がぁ・・ちゃんと起こしてくれよなぁ・・・ぁ」
「はぁ・・・俺が起こすのが前提ななんだね」
「ん〜・・っ起こしてくれよなぁ・・っ」
「はいはい、分かったから今日はもうパジャマに着替えて早く寝ようね」

 今年の順也の夏休みの後半は、本家に関わること、演舞や、鷹也や、入院や、言わば家の事情のせいですっかり台無しになってしまい、それも今日で終わってしまおうとしていた。
 何時もは必ず一度は家族旅行に行っていたのに、思えば今年は、旅行どころかプールにすら行っていない。
 それを負い目に感じているのか単に甘いだけなのか、自分もワインを飲みたいと駄々を捏ねる順也に家族の誰もが強い事を言えず、西原も手を拱いているうちに、見る見る順也は酔っ払ってしまった。
「順也、次の日曜日は俺と遊園地のプールに行こうな、ちょっと季節外れだけれど、まだまだ泳げるし、ジェットコースターも乗れるぜ?ああいうとこの焼きソバ、不味いけど上手いんだよなぁ」
「ばーか、次の土日は俺と桜子さんと順也は旅に出るんだよ、新幹線で仙台とかどうだ?順也、牛タンが美味しいぞ」
「何で兄貴ばっかり泊りがけなんだよっ、じゃあ俺も土日でどこでも連れていくぞっ、何処がいい?何処でも言え、順也」
「何処でもいいなら、俺と仙台で牛タンでいいよな?順也」
「なんだよ、それっ!ずりぃぞっ、兄貴っ!」
「んん、今度の日曜日は部活の練習試合だから、午後からならいいぞっ」
「はぁ?午後だけかよ」
「午後・・午後・・仙台まで行くには短いな」
 酔いも手伝って競って甘やかせる二人の兄の間に座り、パクパクお肉を食べながら、ゴクゴクとワインを飲んで、気付けば翔也の膝に頭を智也の膝に脚を乗せて、スヨスヨと幸せそうな寝息を立てていた。
 でもニヘェとだらしなく顔を緩めた兄二人の膝で15分もした頃に目を覚まして、もっと飲むと駄々を捏ね出したので、西原が寝かしつける為に抱えて部屋まで連れてきたのだ。

―――チュッ・・・
「はい、おやすみのキスだよ、おやすみ順也、また明日ね」
「おやすみぃ・・・西原ぁ・・・また明日なぁ・・」
 パジャマに着替えさせて、布団を掛けると、順也は直ぐに幸せそうな顔をして、安らかな寝息を立て始めた。
 まだ時間は8時を少し回ったばかりで、酔っても可愛い順也の寝顔を眺めながら、西原はこれからどうしようかと悩んでしまう。
 桜子はネクタイピンを失くしたことを、
「ホホホ・・また今日のスーツに合う新しいのを選んであげるから気にしないで」
「あっ、あの、その事ですけれど新しいのはいいですっ、前のを失くしてしまったのは俺の責任だし、自分でちゃんと合うのを用意しますっ」
「まあ、優希君が自分でって、何処で用意するつもりかしら?」
「え?何処で・・・えっと、駅前のイ○ー・ヨ○○堂?」
「ホホホ・・優希君、寝言は寝てるときに言いましょうね、未来の私の親族としてイ○ー・ヨ○○堂で食事会に来るつもりかしら?」
「うっ・・ううう・・・・スミマセン」
 本当に快く許してくれた。
 他の皆も桜子からその話を聞いて、誰も高価な物を失くした西原を責めたりはしなかった。
 なので、まだ皆が居る庭に戻る事に何の心配も無いのだけれど、皆がお酒を飲み始めてしまったので、庭での催しはバーベキューというよりは酒宴に近い雰囲気に変ってしまっていた。
「優希も飲むか?」
「そうね、澄ました顔をしていないで優希君も飲みましょう」
「いっいえっ!俺はいいですっ」
「ああ?俺の酒が飲めなのかよ?」
「飲めませんっ!俺は中学生ですよっ」
 帰るとまたそんな風に絡まれるのは分かっているし、順也も寝てしまい、お酒を飲まない子供の自分がそこにいるのも何だか場違いな気がして、台所に引っ込んでボツボツ片づけを始めようかなぁ?などと西原は考える。 

 片づけをしてから皆がこっちに帰って来た時の為に、お茶漬けでも準備しておこう。
 考えた結果そう決めて、順也を起こしてしまわないようにそっと部屋を出て、話し声が賑やかな庭を横目に母屋への渡り廊下を渡る。
 台所に入り、まずは洗い物をしようと、エプロンを掛けて流し台に向かった途端に、
―――ピンポーン
 西原以外は無人の母屋に、来客を継げるチャイムの音が鳴り響いた。


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2008.07.13(20:15)|dropped somethingコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
場所・・・海辺の岩場
登場人物・・・海の国の第3王子 順也(人魚)
        海の国の第1王子 智也(人魚)
        海の国の第2王子 翔也(人魚)
        深海の魔女 桜子 




「順也ちゃん、もう一度言うわよ、よく聞いて、この青い実が『人魚が人間になれる実』よ、陸に上ったらまずこれを飲んでね」
「んっ!何度も聞いたから分かってるぞっ、桜子姉さん」
「それから、こっちはもっと大切よ、この赤いのが『人間が人魚に戻る実』、順也ちゃんが人魚に戻る時に必要だから無くさないようにしてね、これは本当に一つしかないわ、首飾りにしておいたから絶対に外さないで、海に帰りたくなったら直にこれを飲んでね」
「んっ!それも何度も聞いて分かったぞっ」
「大切な事なんだから何度でも真面目に聞きなさいっ、でないと陸に上がる事は許さないぞっ」
「んん・・ごめんなさいだぞ、智也兄さん、だから優希にもう一度合わせて欲しいぞ」
「まあ、順也ちゃん、なんて可愛いお顔、本当に優希君に恋をしてしまっているのね」
「ケッ!あんな金ピカ王子っ、見掛け倒しに決まってるぜ、わざわざ会いに行くだけ無駄・・・痛ぁぁぁぁ!!!ウニを投げるなっ、ウニをっっ」
「んんっ!翔也に兄さんは煩いぞっ!」
「俺は心配してやってるんだろうがっ!人間のしかも男なんて上手く行くはずねぇだろうっ!」
「んんんっ!!」
「痛ぇぇぇぇぇぇっ!その怒ったトラフグを何処から出したっ!?」
「はぁ・・順也がそこまで本気なら仕方ない、そうしなければ俺達人魚は海の泡になってしまうからな、上手く行かなくても何でも気が済むまでやってみるしかないだろう・・・でも、せめて『人魚に戻る実』がもっとあれば俺達も一緒に行けるんだけれどな」
「何で一つしか作れねぇんなんだよぉ、桜子って意外とへっポコ魔女だよなぁ・・・おごわぁっ!!」
「あら、ごめんなさい、またしても手が滑ったわっ!」
「だからっ!水晶はマジで洒落になんねぇから投げんの止めろぉ!どいつもこいつもポンポン物を投げてよこすなっ!」
「でも、そう言われても本当に『人魚に戻る実』は作るのが大変なのよ、それ一つで力を使い果たしてしまって、一時は私もろくな魔法は使えないわ」

「ここの岩陰に隠れて待ちましょう・・・私の兄弟弟子の三都葉が迎えに来てくれるわ、彼に任せておけば陸にいる間も順也ちゃんは安心だし、しかも国王のお抱え錬金術師だからきっと直ぐに優希君にも引き合わせてくれるわ」
「何から何まですみません、桜子さん・・・いいか順也、陸にいる間は三都葉殿の言う事を良く聞いて、危ない事は絶対にしないようにな」
「んっ!分かったぞっ」
「あっ!誰か来たぜ、三都葉って奴か?」
「いいえ、違う人間みたいですわ、見つかると面倒ですから一度海に潜って隠れましょう」
「んんんんっ!あれ、優希だぞっ!青い実を飲んで俺もう行くぞっ!」
「あっ、ちょっと待ちなさい、順也っっ!!」
「順也ちゃんっ、三都葉が来るまで待ってっ!」
「おいこらっ!順也っ待てっっ、オマエ服着てねぇーぞっ!!!」


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2008.07.13(09:19)|人魚姫コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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