「よっこいしょ、順也、大丈夫?今、パジャマ出すから待っててね」
「んん〜、大丈夫だぞぉ〜〜、まだ寝ないぞぉ、庭でもっとワイン飲むぞ〜ぉぉ」
「駄目だよっ!もうっ、明日は学校なのに、こんなに酔っ払っちゃってどうするのっ?」
「んんん〜・・・大丈夫っ、明日の朝はぁ・・学校にも行くしぃ・・早く起きて西原と稽古だってするぞぉ・・」
「するぞぉ・・って、俺はいいけど、順也は起きれるの?」
「んん〜・・西原がぁ・・ちゃんと起こしてくれよなぁ・・・ぁ」
「はぁ・・・俺が起こすのが前提ななんだね」
「ん〜・・っ起こしてくれよなぁ・・っ」
「はいはい、分かったから今日はもうパジャマに着替えて早く寝ようね」
今年の順也の夏休みの後半は、本家に関わること、演舞や、鷹也や、入院や、言わば家の事情のせいですっかり台無しになってしまい、それも今日で終わってしまおうとしていた。
何時もは必ず一度は家族旅行に行っていたのに、思えば今年は、旅行どころかプールにすら行っていない。
それを負い目に感じているのか単に甘いだけなのか、自分もワインを飲みたいと駄々を捏ねる順也に家族の誰もが強い事を言えず、西原も手を拱いているうちに、見る見る順也は酔っ払ってしまった。
「順也、次の日曜日は俺と遊園地のプールに行こうな、ちょっと季節外れだけれど、まだまだ泳げるし、ジェットコースターも乗れるぜ?ああいうとこの焼きソバ、不味いけど上手いんだよなぁ」
「ばーか、次の土日は俺と桜子さんと順也は旅に出るんだよ、新幹線で仙台とかどうだ?順也、牛タンが美味しいぞ」
「何で兄貴ばっかり泊りがけなんだよっ、じゃあ俺も土日でどこでも連れていくぞっ、何処がいい?何処でも言え、順也」
「何処でもいいなら、俺と仙台で牛タンでいいよな?順也」
「なんだよ、それっ!ずりぃぞっ、兄貴っ!」
「んん、今度の日曜日は部活の練習試合だから、午後からならいいぞっ」
「はぁ?午後だけかよ」
「午後・・午後・・仙台まで行くには短いな」
酔いも手伝って競って甘やかせる二人の兄の間に座り、パクパクお肉を食べながら、ゴクゴクとワインを飲んで、気付けば翔也の膝に頭を智也の膝に脚を乗せて、スヨスヨと幸せそうな寝息を立てていた。
でもニヘェとだらしなく顔を緩めた兄二人の膝で15分もした頃に目を覚まして、もっと飲むと駄々を捏ね出したので、西原が寝かしつける為に抱えて部屋まで連れてきたのだ。
―――チュッ・・・
「はい、おやすみのキスだよ、おやすみ順也、また明日ね」
「おやすみぃ・・・西原ぁ・・・また明日なぁ・・」
パジャマに着替えさせて、布団を掛けると、順也は直ぐに幸せそうな顔をして、安らかな寝息を立て始めた。
まだ時間は8時を少し回ったばかりで、酔っても可愛い順也の寝顔を眺めながら、西原はこれからどうしようかと悩んでしまう。
桜子はネクタイピンを失くしたことを、
「ホホホ・・また今日のスーツに合う新しいのを選んであげるから気にしないで」
「あっ、あの、その事ですけれど新しいのはいいですっ、前のを失くしてしまったのは俺の責任だし、自分でちゃんと合うのを用意しますっ」
「まあ、優希君が自分でって、何処で用意するつもりかしら?」
「え?何処で・・・えっと、駅前のイ○ー・ヨ○○堂?」
「ホホホ・・優希君、寝言は寝てるときに言いましょうね、未来の私の親族としてイ○ー・ヨ○○堂で食事会に来るつもりかしら?」
「うっ・・ううう・・・・スミマセン」
本当に快く許してくれた。
他の皆も桜子からその話を聞いて、誰も高価な物を失くした西原を責めたりはしなかった。
なので、まだ皆が居る庭に戻る事に何の心配も無いのだけれど、皆がお酒を飲み始めてしまったので、庭での催しはバーベキューというよりは酒宴に近い雰囲気に変ってしまっていた。
「優希も飲むか?」
「そうね、澄ました顔をしていないで優希君も飲みましょう」
「いっいえっ!俺はいいですっ」
「ああ?俺の酒が飲めなのかよ?」
「飲めませんっ!俺は中学生ですよっ」
帰るとまたそんな風に絡まれるのは分かっているし、順也も寝てしまい、お酒を飲まない子供の自分がそこにいるのも何だか場違いな気がして、台所に引っ込んでボツボツ片づけを始めようかなぁ?などと西原は考える。
片づけをしてから皆がこっちに帰って来た時の為に、お茶漬けでも準備しておこう。
考えた結果そう決めて、順也を起こしてしまわないようにそっと部屋を出て、話し声が賑やかな庭を横目に母屋への渡り廊下を渡る。
台所に入り、まずは洗い物をしようと、エプロンを掛けて流し台に向かった途端に、
―――ピンポーン
西原以外は無人の母屋に、来客を継げるチャイムの音が鳴り響いた。
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「んん〜、大丈夫だぞぉ〜〜、まだ寝ないぞぉ、庭でもっとワイン飲むぞ〜ぉぉ」
「駄目だよっ!もうっ、明日は学校なのに、こんなに酔っ払っちゃってどうするのっ?」
「んんん〜・・・大丈夫っ、明日の朝はぁ・・学校にも行くしぃ・・早く起きて西原と稽古だってするぞぉ・・」
「するぞぉ・・って、俺はいいけど、順也は起きれるの?」
「んん〜・・西原がぁ・・ちゃんと起こしてくれよなぁ・・・ぁ」
「はぁ・・・俺が起こすのが前提ななんだね」
「ん〜・・っ起こしてくれよなぁ・・っ」
「はいはい、分かったから今日はもうパジャマに着替えて早く寝ようね」
今年の順也の夏休みの後半は、本家に関わること、演舞や、鷹也や、入院や、言わば家の事情のせいですっかり台無しになってしまい、それも今日で終わってしまおうとしていた。
何時もは必ず一度は家族旅行に行っていたのに、思えば今年は、旅行どころかプールにすら行っていない。
それを負い目に感じているのか単に甘いだけなのか、自分もワインを飲みたいと駄々を捏ねる順也に家族の誰もが強い事を言えず、西原も手を拱いているうちに、見る見る順也は酔っ払ってしまった。
「順也、次の日曜日は俺と遊園地のプールに行こうな、ちょっと季節外れだけれど、まだまだ泳げるし、ジェットコースターも乗れるぜ?ああいうとこの焼きソバ、不味いけど上手いんだよなぁ」
「ばーか、次の土日は俺と桜子さんと順也は旅に出るんだよ、新幹線で仙台とかどうだ?順也、牛タンが美味しいぞ」
「何で兄貴ばっかり泊りがけなんだよっ、じゃあ俺も土日でどこでも連れていくぞっ、何処がいい?何処でも言え、順也」
「何処でもいいなら、俺と仙台で牛タンでいいよな?順也」
「なんだよ、それっ!ずりぃぞっ、兄貴っ!」
「んん、今度の日曜日は部活の練習試合だから、午後からならいいぞっ」
「はぁ?午後だけかよ」
「午後・・午後・・仙台まで行くには短いな」
酔いも手伝って競って甘やかせる二人の兄の間に座り、パクパクお肉を食べながら、ゴクゴクとワインを飲んで、気付けば翔也の膝に頭を智也の膝に脚を乗せて、スヨスヨと幸せそうな寝息を立てていた。
でもニヘェとだらしなく顔を緩めた兄二人の膝で15分もした頃に目を覚まして、もっと飲むと駄々を捏ね出したので、西原が寝かしつける為に抱えて部屋まで連れてきたのだ。
―――チュッ・・・
「はい、おやすみのキスだよ、おやすみ順也、また明日ね」
「おやすみぃ・・・西原ぁ・・・また明日なぁ・・」
パジャマに着替えさせて、布団を掛けると、順也は直ぐに幸せそうな顔をして、安らかな寝息を立て始めた。
まだ時間は8時を少し回ったばかりで、酔っても可愛い順也の寝顔を眺めながら、西原はこれからどうしようかと悩んでしまう。
桜子はネクタイピンを失くしたことを、
「ホホホ・・また今日のスーツに合う新しいのを選んであげるから気にしないで」
「あっ、あの、その事ですけれど新しいのはいいですっ、前のを失くしてしまったのは俺の責任だし、自分でちゃんと合うのを用意しますっ」
「まあ、優希君が自分でって、何処で用意するつもりかしら?」
「え?何処で・・・えっと、駅前のイ○ー・ヨ○○堂?」
「ホホホ・・優希君、寝言は寝てるときに言いましょうね、未来の私の親族としてイ○ー・ヨ○○堂で食事会に来るつもりかしら?」
「うっ・・ううう・・・・スミマセン」
本当に快く許してくれた。
他の皆も桜子からその話を聞いて、誰も高価な物を失くした西原を責めたりはしなかった。
なので、まだ皆が居る庭に戻る事に何の心配も無いのだけれど、皆がお酒を飲み始めてしまったので、庭での催しはバーベキューというよりは酒宴に近い雰囲気に変ってしまっていた。
「優希も飲むか?」
「そうね、澄ました顔をしていないで優希君も飲みましょう」
「いっいえっ!俺はいいですっ」
「ああ?俺の酒が飲めなのかよ?」
「飲めませんっ!俺は中学生ですよっ」
帰るとまたそんな風に絡まれるのは分かっているし、順也も寝てしまい、お酒を飲まない子供の自分がそこにいるのも何だか場違いな気がして、台所に引っ込んでボツボツ片づけを始めようかなぁ?などと西原は考える。
片づけをしてから皆がこっちに帰って来た時の為に、お茶漬けでも準備しておこう。
考えた結果そう決めて、順也を起こしてしまわないようにそっと部屋を出て、話し声が賑やかな庭を横目に母屋への渡り廊下を渡る。
台所に入り、まずは洗い物をしようと、エプロンを掛けて流し台に向かった途端に、
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