「もう寝るから誰も近づかない欲しいそうよ、疲れているみたいだし夕飯まで少しそっとしておいてあげましょう・・・ふぅ・・でも本当に順也ちゃんはずっと何を怒っているのかしら?」
3日間、機嫌の悪い順也の看病を1人で請け負って、すっかり疲れた様子の小枝子が茶の間に入ってきて、溜息をつきながらそう言った。
小枝子も何かに付けて機嫌の悪い理由を聞こうと思うけれど、その度に順也はムスッと黙り込んでしまうらしい。
「そうですね、少ししたら俺も様子を見てきます、それまで肩でも揉みましょうか?お母さん」
「あっ、俺、コーヒー入れてやるぜっ」
「お疲れ様でした、私も、反対側を揉みましょう、順也には後で私も話を聞いてみますから」
これまで反抗らしい反抗もした事が無い、一番素直で可愛い末っ子の不機嫌さが余程身に応えたのか、何時もは一番キビキビ動く小枝子が珍しく座布団に座り込む。
すると、それに群がる様に、史也、智也、翔也の3人は一斉に小枝子の機嫌を取り出した。
順也が入院してからこっち、小枝子が病院から帰って来ると必ずこうだ。
順也の事が気になるのも去ることながら、3人に取っては小枝子のことも同じ位に気になる様だった。
3日前の夜、三都葉の病院に運び込まれた順也を見て、小枝子は正真正銘、これ以上は無いくらいに本気で怒っていた。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんけれど、よろしくお願いします」
三都葉と三都葉の呼んでくれた看護婦さんには丁寧にお礼を言っていたけれど、一度部屋が家族だけになると、角が生えていないのが不思議な程に恐い顔をした。
それに震え上がった史也達が、何を話し掛けようが、どんなに謝ろうが、一言も口をきかない。
小枝子は順也が本家に行く事に、心から賛成していた分けではなかった。
そこには、順也を快く思わない人が多く居るのだから当然だろう。
しかも覚醒剤なんて恐ろしいモノを打たれて、入院までするようになってしまったのだから、母親とすれば当然の反応だった。
その様子を傍で見ていた西原も桜こも、ただ身を寄せ合い嵐の中の小鳥みたいにオロオロとするしか出来なかった。
病院では我慢している様けれど、家に帰ったら小枝子がどんなふうに爆発するだろう?
誰もが戦々恐々としていたけれど、順也の機嫌がそれ悪いせいで、それも未だに不発に終わっていた。
可愛くて仕方ない順也にあからさまに嫌われて、史也を始め全員が、切れた電球並みに意気消沈してしまい、流石に小枝子もそれ以上責めるのは気が引けたらしい。
「お母さん、もう少ししたら夕飯にしますね、全部俺がしますから座っていてください」
別に機嫌を取りたいわけではないのだが、西原も小枝子に今日はゆっくりと休んでいて欲しいのでそう言うと、
「ありがとう、優希ちゃん、お言葉に甘えるわ」
西原にはちゃんと何時ものように優しく微笑んで、そう返事をしてくれた。
「悪ぃな、優希、ついでにお袋と俺にコーヒーなっ」
その後に、自分が入れると言った割にはと丸投げしてきた翔也の言葉に素直に従い、西原は台所へとやって来た。
そして、コーヒーを落とす傍らで、夕飯と、更に順也のオヤツの準備も始める。
順也は本当にまだ機嫌が悪いままなのだろうか?
『誰も近づくな』と言われてもやっぱりその様子が気になったので、もう少しで晩御飯だけれど、ちょっとだけオヤツを持って順也の様子を見に行こうと思ったのだ。
おやつは、フルーツを沢山浮かべたゼリーで、順也好みにちょっと身体に悪そうなメロン色を付けて、生クリームで回りを飾ってみた。
病院では、余り食欲も無いらしかったので、もしかしたら今頃お腹を空かせているかもしれない。
これで機嫌がコロッと良くならないかなぁと期待し、コーヒーを入れた後に、順也の部屋に運ぼうともう一つのお盆の上に準備しておいたら、
「あら、美味しそうね、それは順也ちゃんのオヤツかしら?」
台所を覗いた桜子にそう声を掛けられた。
「オヤツ作りも上手だし、コーヒーも美味しく入れるし、晩御飯は良い匂いだし、本当に優希君は素敵なお嫁さんね」
居間へ4人分のコーヒーを運んだ後に、桜子は自分のコーヒーを台所のテーブルに置いて、椅子を引いてそこに腰掛けた。
そしてコーヒーを一口飲んでからそう言いニコリと微笑む。
桜子も順也の退院に付き添ってくれていたので、今日は動きやすそうなパンツスーツ姿だった。
何時も女性らしい格好の多いい桜子だったけれど、そんな格好もスタイルの良いので良く似合った。
「そんな優希君に、一つ確認したい事がありますのよ、いいかしら?」
でも、そう言う顔は笑っているけれど、どことなくイラついている気もする。
そんな桜子に改めてそう言われて、またどんな突飛な確認されるのか恐かったので、
「え・・・・・・と、その服、良くお似合いですね?」
何だか身の危険を感じて、3男の嫁として取りあえず媚びへつらにはこんな感じかとそう言ったら、
「心が籠もっていない上に、何で疑問形なのかしら?」
見事に気を悪くさせたらしく、本気でイラッとした顔をされてしまった。
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3日間、機嫌の悪い順也の看病を1人で請け負って、すっかり疲れた様子の小枝子が茶の間に入ってきて、溜息をつきながらそう言った。
小枝子も何かに付けて機嫌の悪い理由を聞こうと思うけれど、その度に順也はムスッと黙り込んでしまうらしい。
「そうですね、少ししたら俺も様子を見てきます、それまで肩でも揉みましょうか?お母さん」
「あっ、俺、コーヒー入れてやるぜっ」
「お疲れ様でした、私も、反対側を揉みましょう、順也には後で私も話を聞いてみますから」
これまで反抗らしい反抗もした事が無い、一番素直で可愛い末っ子の不機嫌さが余程身に応えたのか、何時もは一番キビキビ動く小枝子が珍しく座布団に座り込む。
すると、それに群がる様に、史也、智也、翔也の3人は一斉に小枝子の機嫌を取り出した。
順也が入院してからこっち、小枝子が病院から帰って来ると必ずこうだ。
順也の事が気になるのも去ることながら、3人に取っては小枝子のことも同じ位に気になる様だった。
3日前の夜、三都葉の病院に運び込まれた順也を見て、小枝子は正真正銘、これ以上は無いくらいに本気で怒っていた。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんけれど、よろしくお願いします」
三都葉と三都葉の呼んでくれた看護婦さんには丁寧にお礼を言っていたけれど、一度部屋が家族だけになると、角が生えていないのが不思議な程に恐い顔をした。
それに震え上がった史也達が、何を話し掛けようが、どんなに謝ろうが、一言も口をきかない。
小枝子は順也が本家に行く事に、心から賛成していた分けではなかった。
そこには、順也を快く思わない人が多く居るのだから当然だろう。
しかも覚醒剤なんて恐ろしいモノを打たれて、入院までするようになってしまったのだから、母親とすれば当然の反応だった。
その様子を傍で見ていた西原も桜こも、ただ身を寄せ合い嵐の中の小鳥みたいにオロオロとするしか出来なかった。
病院では我慢している様けれど、家に帰ったら小枝子がどんなふうに爆発するだろう?
誰もが戦々恐々としていたけれど、順也の機嫌がそれ悪いせいで、それも未だに不発に終わっていた。
可愛くて仕方ない順也にあからさまに嫌われて、史也を始め全員が、切れた電球並みに意気消沈してしまい、流石に小枝子もそれ以上責めるのは気が引けたらしい。
「お母さん、もう少ししたら夕飯にしますね、全部俺がしますから座っていてください」
別に機嫌を取りたいわけではないのだが、西原も小枝子に今日はゆっくりと休んでいて欲しいのでそう言うと、
「ありがとう、優希ちゃん、お言葉に甘えるわ」
西原にはちゃんと何時ものように優しく微笑んで、そう返事をしてくれた。
「悪ぃな、優希、ついでにお袋と俺にコーヒーなっ」
その後に、自分が入れると言った割にはと丸投げしてきた翔也の言葉に素直に従い、西原は台所へとやって来た。
そして、コーヒーを落とす傍らで、夕飯と、更に順也のオヤツの準備も始める。
順也は本当にまだ機嫌が悪いままなのだろうか?
『誰も近づくな』と言われてもやっぱりその様子が気になったので、もう少しで晩御飯だけれど、ちょっとだけオヤツを持って順也の様子を見に行こうと思ったのだ。
おやつは、フルーツを沢山浮かべたゼリーで、順也好みにちょっと身体に悪そうなメロン色を付けて、生クリームで回りを飾ってみた。
病院では、余り食欲も無いらしかったので、もしかしたら今頃お腹を空かせているかもしれない。
これで機嫌がコロッと良くならないかなぁと期待し、コーヒーを入れた後に、順也の部屋に運ぼうともう一つのお盆の上に準備しておいたら、
「あら、美味しそうね、それは順也ちゃんのオヤツかしら?」
台所を覗いた桜子にそう声を掛けられた。
「オヤツ作りも上手だし、コーヒーも美味しく入れるし、晩御飯は良い匂いだし、本当に優希君は素敵なお嫁さんね」
居間へ4人分のコーヒーを運んだ後に、桜子は自分のコーヒーを台所のテーブルに置いて、椅子を引いてそこに腰掛けた。
そしてコーヒーを一口飲んでからそう言いニコリと微笑む。
桜子も順也の退院に付き添ってくれていたので、今日は動きやすそうなパンツスーツ姿だった。
何時も女性らしい格好の多いい桜子だったけれど、そんな格好もスタイルの良いので良く似合った。
「そんな優希君に、一つ確認したい事がありますのよ、いいかしら?」
でも、そう言う顔は笑っているけれど、どことなくイラついている気もする。
そんな桜子に改めてそう言われて、またどんな突飛な確認されるのか恐かったので、
「え・・・・・・と、その服、良くお似合いですね?」
何だか身の危険を感じて、3男の嫁として取りあえず媚びへつらにはこんな感じかとそう言ったら、
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見事に気を悪くさせたらしく、本気でイラッとした顔をされてしまった。
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