午後6時。
夏の夕日が差し込む鳳家の台所。
――――グツグツグツグツ・・・・
弱火のコンロに掛けられた深鍋から、湯気とともに良い匂いが立ち昇る。
鍋の中身はビーフシチューで、西原が朝から時間を掛けて焦がさない様に煮込んだものだった。
本家での騒動から3日目。
最初の予想よりも長引いてしまったが、今日は順也が病院を退院して家へ帰って来る日だった。
なので、西原は朝から順也の好きなモノを色々と準備してその帰りを待っている。
30分前に病院を出ると智也から連絡があったので、もうすぐ到着する頃だろう。
ビーフシチューは3本指に入る順也の大好物で、今晩のメインディッシュだった。
そろそろ火を止めてもいいかなぁ?
肉は文句無く柔らかくなり、野菜もほぼ煮溶けてしまったので、まかり間違えて焦がして台無しにしてしまうよりはとそう思う。
なので、コンロの摘みを捻って止めようと手を伸ばしたところで、
「ただいま」
「ただいま帰りました」
「がぁーーー、疲れたぁ」
玄関から帰宅を告げる声がして、西原は慌てて火を消し、エプロンも外さない格好のままで、台所から廊下へと出た。
「お帰りなさいっ」
転がり出る様に出向いた玄関には史也と智也と翔也の姿があり、3人は靴を脱ぎゾロゾロと家へ上がって来た。
しかし、そこには待ち侘びていた順也の姿は無かくて、西原は特に広くも無い玄関で、馬鹿みたいにキョロキョロとしてしまう。
「ただいまです、優希君」
「あっ、おじさん、お帰りなさい」
「留守番、ご苦労様な、優希」
「いえ、そんな」
「うっ!凄ぇいい匂いっ、何の匂いだ?腹減ったぁ」
「ビーフシチューですけど」
3人は出迎えた西原に口々に声を掛けてくれる。
「あの・・・順也はもしかして帰って来ないんですか?」
だけれど、いくら待っても順也の姿は見えないままで、まさかと思った西原がそう尋ねると、聞かれた3人は顔を見合わせて酷くバツの悪そうな顔をした。
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なので、西原は朝から順也の好きなモノを色々と準備してその帰りを待っている。
30分前に病院を出ると智也から連絡があったので、もうすぐ到着する頃だろう。
ビーフシチューは3本指に入る順也の大好物で、今晩のメインディッシュだった。
そろそろ火を止めてもいいかなぁ?
肉は文句無く柔らかくなり、野菜もほぼ煮溶けてしまったので、まかり間違えて焦がして台無しにしてしまうよりはとそう思う。
なので、コンロの摘みを捻って止めようと手を伸ばしたところで、
「ただいま」
「ただいま帰りました」
「がぁーーー、疲れたぁ」
玄関から帰宅を告げる声がして、西原は慌てて火を消し、エプロンも外さない格好のままで、台所から廊下へと出た。
「お帰りなさいっ」
転がり出る様に出向いた玄関には史也と智也と翔也の姿があり、3人は靴を脱ぎゾロゾロと家へ上がって来た。
しかし、そこには待ち侘びていた順也の姿は無かくて、西原は特に広くも無い玄関で、馬鹿みたいにキョロキョロとしてしまう。
「ただいまです、優希君」
「あっ、おじさん、お帰りなさい」
「留守番、ご苦労様な、優希」
「いえ、そんな」
「うっ!凄ぇいい匂いっ、何の匂いだ?腹減ったぁ」
「ビーフシチューですけど」
3人は出迎えた西原に口々に声を掛けてくれる。
「あの・・・順也はもしかして帰って来ないんですか?」
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