西原&順也くんシリーズのブログです。 <登場人物> 西原 優希(さいばら ゆうき)日仏クォーター、才色兼備な中学2年の14歳。幼馴染の順也が大好き。 /鳳 順也(おおとり じゅんや)ちょっと小さいけれど、剣道チャンピオンのやっぱり14歳。綺麗で優しい西原が大好き。
「何で何も出来ないんだ?俺はパジャマなんか着たくないぞっ」
 着せ掛けてくれようとするパジャマを振り払って、そう言いながらジッとユウキを見詰めると、ユウキは滅茶苦茶に困った顔をして、でも、じっとこちらを見詰め返してくる。
 大好きな優しい金色の瞳に見詰められて俺はドキドキしてしまうけれど、このまま何もしないで寝てしまうのは絶対に嫌だったので、頑張って怒った顔を崩さないようにした。
 ユウキは俺の怒った顔が物凄く苦手だ。
 だから、そうすれば何時もの様に折れてくれるのかと思ったけれど、今日はちょっと返ってくる反応が違っていた。
 チラッと出入り口のほうを見て「うぅ・・」と唸って、それからまたこちらを見て「はぅ・・」とため息をついたりして、困っているのは分るのだけれど、何が言いたいのかハッキリとしない。
「何でか教えてくれないともうユウキと口を利かないぞっ!」
 どうして何時ものように俺の言う事を聞いてくれないのだろう?
 早くキスして抱き締めて、それからもっと色々な事をして欲しいのに、裸のまま放って置かれている自分が何だか寂しくて、プゥッと膨れた俺がそう言うと、
「う・・・ん、あのね、さっき、明日リングを作りに行くって約束したよね?」
 渋々と言った様子で、ユウキは話し始めた。

「約束したぞっ!でもどうしてだっ?」
 わざわざ確かめなくても、ユウキと約束をした事はちゃんと覚えている。
 でもそれが、今日はユウキに何もして貰えない事とどんな関係があるのか判らない。
 なので、俺はしつこく理由を聞いてしまう。
「あ・・・だから、あのね・・・」
 すると、ユウキはまた口篭ってしまう。
 何がそんなに言いづらいのか?
 ジリッ・・・
 物凄く気になって、ベッドの上に座っているユウキに向けて、四つん這いになった俺が一歩近づくと、ユウキは合わせてお尻で歩いて下がって行く。
 そのまま、何も言わないユウキを、広いマットの端っこまで追い詰めると、
「あ・・う・・・そうだね・・あっ!そうだっ!それを話す前に今日はジュンヤにお土産があったんだった、アレン・マリー!アレン!あれを持って来てくれっ!」
 ユウキはいきなり大声を出して、全然関係の無い執事さんの名前を呼んだ。


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2008.04.30(21:30)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
ああ・・時間が無い


 道場へ渡る廊下のすぐ傍にある広い和室の一室。
「私が先に行って御挨拶をして来ます」
 そう言い、待っていた秘書の田淵と家元が出て行って、史也と智也との3人で部屋に残された西原は、畳みの上だけれどストレッチを始めた。
 そんなにキチンとした物を見せる必要は無いとは分っているけれど、これから重い模造刀を振るのだし、順也の代理なのだから無様な姿は見せたくない。
 ホコリが立つと悪いので、なるべく史也達から距離を取って足を伸ばして座り前屈をしているそと、それを部屋の隅に座り見ていた史也が、横に座る智也にコソリと何かを話しかけている。
 智也は少し驚いた顔をしているけれど、2、3言言葉を交わした後に、小さく頷いて見せた。
 何を話しているのかな?
 そう思いながら、西原はその様子をストレッチをしながら目の端で見ていたけれど、
「優希君・・それは続けたままでいから、少し私の話を聞いて頂けますか?」
 そう言い、近づいて来た史也に声を掛けられる。
「あの?何ですか?」
 そのままでいいと言われても、史也の話を聞くのにそう言う訳にはいかない気がする。
 なので、西原も正座して座った史也の前で正座をすると、
「今日は、我が家の事情で優希君にまでご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ありませんでした」
真剣な顔をした史也から、そう心から済まなそうにそう言われてしまったのだった。

 言い終わった史也は西原に向けて、深々と頭を下げてみせた。
「いえっ!いいんです、俺がそうしたくてするんですから気にしないでください」
 今日の言は元はと言えば、鷹也の存在を甘く見てこの家に順也を連れて来てしまった自分の失態だし、何より順也の事で迷惑も何もない。
 寧ろ順也の家の事情に関われるのは、未来の嫁を目指す西原としては嬉しい位の事だった。
 それを選りによって史也に頭を下げて貰う理由なんか何処になくて、焦った西原は慌ててブンブンと頭を振りながらそう答えた。
 すると、順也に良く似た微笑みを浮かべた史也は、「ありがとうございます」と言った後に、まだ何か言いたい事があるのか、少しだけ躊躇する様に言葉を止める。
 そして、姿勢を正した後に改めて西原の顔に視線を据えて、西原が思いもしていなかった事を話し始めたのだった。



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2008.04.30(08:16)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
―――ハラリ・・
 腰紐を解くと一枚布のパジャマが肌蹴て、ユウキの視線の前で俺の上半身はあっと言う間に裸になった。
 すると、それを見たユウキは驚いた様に金色の目を大きくする。
「困ったジュンヤだね」
 何時ものユウキならちょっと困った顔でそう言いながら、でも自分の望む通りに優しい手で身体を触ってくれる筈だった。
 全身にキスをして、特別に気もち良い場所は指と舌で撫でてくれて、俺が気持ち良過ぎて変になりそうになる位まで、ユウキは俺を離してくれない。
 俺は『奴隷の身分』だから、本当は自分から勝手に服を脱いだり、して欲しい事をおねだりしたりしてはいけないらしい。
 でも、ユウキは何でも俺の好きにしたらいいと言ってくれるから、まず一番に触れて欲しい胸の突起を指し示す為に、俺はそこに自分の手を這わせた。
 
 きっとそうすれば、ユウキは俺の胸の突起を、指でギュッとつまんだり、舌で優しく転がしたり、ちょっと痛い変な道具を使ったりして、色んな事をしてくれる。
 今日は何をしてくれるのかな?
 そう思ってドキドキと待っていのに、何故だかユウキは俺の胸には触ってくれなかった。
「今日は何もしてあげられないんだよ、ジュンヤが可愛いからつい変な事をしちゃったね、今のは俺が悪かったよ、ごめんね」
 それどころかそう言って、覆い被さっていた身体を起こしてしまい、ついでに俺もベッドから起こされてしまう。
 別にユウキは変な事なんかしていないのに、ユウキが何でそんな事を言うのか分からない。
「目の毒だからこれは仕舞って、今日はもうこのまま寝ようね」
 それからユウキは、せっかく脱いだパジャマも着せてくれようとするので、
「何で止めちゃうんだっ?!」
 止めて欲しくない俺は、ちょっと怒りながらそう尋ねた。


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2008.04.29(09:54)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「ちょっと行って来るからね、順也」
 鷹也から智也の携帯に着信があった20分後、西原は借り物の新古心流の緋色の道着に身を包んで、まだ変わらずに眠っている順也に向かいそう囁いた。
 鷹也からの電話で、「順也か優希のどちらか」と指名されて、順也は絶対に無理だから、もう一人名前が出た西原が、道場に演舞を披露行く事になったのだ。
「優希が行く事はないんだよ、この家や鷹也さんの事と優希は関係ないんだから」
「順也の為にありがとうございます、でも、優希君にそこまでして貰う訳にはいきません」
「麻薬の事が本当なら人身売買だってあるかもしれないわ、これで優希君にまで何かあったら困るのよ、お願いだから行かないでちょだい」
「俺が盆踊ってくるからいぃんだよっ!オマエはそこで順也に張り付いてろっ」
「起きた時に君がいないと、また順也君が驚いてしまうよ」
 その場にいる全員、それこそ桜子や三都葉にまで行く事は無いと言われたけれど、西原は総てに「大丈夫です、これが一番いいんです」と答えた。
 鷹也が自分を名指しで呼んでいるのなら、今日だけはどうしてもその通りにしたかったのだ。

「翔也、オマエはこれから道場に行って演舞を見せてやってこい、間違えようが何だろうがいいから、鷹也さんの気の済む様にしてやれ」
 鷹也からの呼び出しの電話を受けた時、暫く考え込んだ様子の智也は、名前を出された西原では無く、翔也に向けてそう言った。
「はぁ?何でだよっ!部屋の前で騒ぐから丸聞こえだったけれど、鷹也の奴が勝手にバカげた事を言っているだけだろう?道場にいるのは鷹也に麻薬を売りつけて、この家から鐘を騙し取ろうとしている犯罪者だぜ?警察は呼べなくてもさっさと追い出せばいいじゃねぇかっ!」
 すると、言われた翔也は、勢い良く兄に反発しようとした。
 相手は大切な弟を口にするのもおぞましい様な酷い目に合わせた男と、その原因を作った奴等なのだ。
 演舞は半端では無く体力を消費するし、始める前には正座をして礼をしなければならないし、何でそんなサービスをしなければならないのかと考えれば、翔也の反応は至極当然だろう。
「今日は先代もいらっしゃるし、他の師範もまだ残っているし、騒ぎを起こす訳にはいかないだろう、演舞でも何でもいいから見せて、今日はそれでさっさと帰って貰うんだ」
「じゃあ、兄貴か親父がやればいいだろっ」
「それは・・それでもいいなら俺がやるけれど、青少年育成の為の海外進出だから、元から順也かオマエをという話しだったろう?・・・だからって順也を連れて来たのは失敗だったけれどな」
「今世紀最大の失敗だよっ、大体、麻薬の売人相手に青少年なんかどうでもいいだろうがっ!」
「だから、事を荒立てない為だと言っているんだ、明日には、明日でなくても近いうちには、鷹也さんはこの家を出て病院へ入院する、そうすれば、今道場にいる胡散臭い人間達ももうこの家には近づけない、それで丸く収まるんだからあと少し我慢してくれ・・今月のバイト代が出たら小遣いやるから」
「すまないですね、翔也、今回で最後だと思って我慢してください、私もお小遣いをあげますから」
「翔也君、よろしくお願いします、お小遣いいりますか?」
「小学生じゃあるまいし、そんなモンで釣られねぇよっ!」
しかし、年長者3人から頭を下げる様にそう言われてしまい、抵抗していた翔也も最後
には、渋々と頷いてみせるしかなかった。
「また着替えるのかよぉ、面倒くせぇ」
 結局は智也の言葉通りに話しが決まり、翔也は再び道着を着る為に、ダラダラとした足取りで部屋を出て行こうとした。
「あの・・鷹也さんは演舞を披露するのは俺か順也にって言っているんですよね?鷹也さんの機嫌を損ねない様にするなら、翔也さんじゃなくて俺が行った方がいいんじゃないでしょうか?」
 しかしその時に、それまで順也の手を握りながら大人しく話を聞いていた西原は、意を決してそう言って、出て行こうとする翔也の足を引き止めたのだった。

 元々今日は、順也かそれでもなければ翔也が演舞を披露するという予定だった。
 呼びつけた鷹也自身もさっきまではそれでいいと言ってだから、今も翔也が行けば話は済むのだと、西原の藪から棒な進言に史也達は口を揃えて反対した。
 でも、今の鷹也が呼んでいるのは自分なのだし、智也の言葉通りに、鷹也の気の済む様にするのら、自分が行くのが一番なのだろうと西原は思う。
 だから誰が何と言おうが、自分の決心を譲る気は無かった。
 確かに、西原が鷹也の言う也になる必要なんか何処にもないのかもしれなし、そうする事は決して楽しい気分ではない。
 でも、兎に角今日を穏便に終わせて、鷹也には治療を受けて普通の人間に戻って貰い、もう二度と順也に危害が加わる様な事が無い様にする。
 その為ならば例え誰が相手であろうとも、演舞だろうが盆踊りだろうが、西原はいくらでも披露してみせるつもりだった。

 演舞を一通りこなすと30分は掛かるので、もしかしたら順也がこの家を出るまでには帰ってこられないかもしれない。
 三都葉が一緒だから心配はいらないだろうし、また直ぐに病院で直ぐに会えるだろうけど、目を覚まさない順也と何だか離れ難くて、西原は「行ってくるね」と行った後に、何度直してもフネッと跳ねてしまう順也の前髪を指でチョイと直してみる。
 すると、順也を覗き込む為に下を向いた顔に、落ちてきた髪の毛がパサリと掛かってくるのが気になった。
「あの・・・桜子さん、何か髪の毛を結ぶものってありませんか?」
 順也が『切っちゃ駄目だぞっ』と言うから伸びたままになってしまい、普段は顔に掛かるのももう慣れてしまった髪の毛だけれど、刀を振っている最中にまさかかき上げたり出来ないので、何か留める物を持っていそうな桜子に頼んでみる。
「あら?優希君が使うのかしら?それとも、順也ちゃんの跳ねて可愛い前髪を結ぶのかしら?」
「俺が使うのに決まってます、あったら貸していただけませんか?こんなに顔に掛かると演舞の時にきっと邪魔だと思うんです」
「ホホホ、少し待ってちょうだいね、確か髪留め様のゴムを持っているわ・・普通のとキラキラしているのとどっちがいいかしら?お勧めはこっちのビーズの付いたキラキラした方よ」
「・・・普通のでお願いします」
「きっとキラキラしている方が似合うわ」
「普通のでっ、お・ね・が・い・しますっ」
「ホホ、わかったわ、優希君に何かあったら順也ちゃんが悲しむわ、気をつけてね」
 そして貸して貰った黒いゴムで後ろで一つに髪を縛って、もう一度順也に視線を向けて、少しの間でも愛しい存在と離れ離れになってしまう不安を飲み込んだ。
 それで準備が出来たので、
「お待たせしてすみません、もう行けます」
 西原は、道場に付き添ってくれるという史也と智也に振り返り、ニコリと微笑みながらそう声を掛けたのだった。


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2008.04.28(22:06)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「・・ぁ・・・ふぅ・・」
 長くてクラクラするユウキのキスが唇から離れて、俺は苦しい息を整える為に一生懸命に深呼吸をした。
圧し掛かってくるユウキの逞しい身体かピタリと全身に密着して、身体中が熱い。
「ユゥ・・キィ・・」
 俺は早くキスの次にする事をして欲しくて、整いきらない呼吸の中でユウキの名前を呼んで、自分のパジャマの腰紐に手を掛けた。
 俺が今住んでいるドーリスの都は、一年で一番暑い夏の季節だった。
 なので、俺が今来ているパジャマの上着も、風通しの良い様に一枚の布を一本の腰紐で複雑に巻いて止めただけのもので(難しくて俺は自分で着れない)、腰紐を引いて解くとあっと言う間に脱げてしまう。
 昨日も、その前も、その前の前も、前の前の前も、ユウキは仕事が遅くまで掛かってしまい、俺が寝てしまってから家に戻る日が続いていた。
 俺は起きて待っているつもりなんだけれど、気付くと朝になってしまっていて、しかも毎朝ユウキに起こされてしまう。
 だから当然エッチだってずっと出来なくて、毎晩一人で物凄く寂しかった。
 なので、久しぶりに傍に居てくれるユウキの前で、俺は紐を解いて、自分からパジャマを脱いでしまった。
 早くユウキの気持ちの良い手で身体に触って貰って、溜まってしまった寂しさと、夜になると全身を疼かせる困った熱を、綺麗に取り去って貰いたかったのだ。


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2008.04.27(00:15)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「血圧が落ち過ぎてショック症状になるといけないので注射で少し薬を入れましたけれど、そうしても血圧がまだ戻りきらないのが心配ですね、もう少し点滴を落として容態が安定してから病院へ運びましょう・・・もしこのままの状況が続くようなら救急車を呼びますけれど、そうなった場合は警察に連絡されてしまう可能性がある事もご了承ください」
 いかにも機嫌の悪そうな三都葉の説明を受けて、廊下から部屋に呼ばれた、史也も智也も翔也も桜子も家元も、全員が一様にガックリと肩を落とした。
『あんた達の親族は、何て事をしてくれるんだ』
 三都葉から言外にそんな顔で見られ片身の狭いせいもあるけれど、それよりも、順也の容態がさっきの騒ぎのせいで、見るからに悪くなってしまっている事の方がもっとショックなのだろう。
 三都葉の説明を聞きながら、もう誰も声が出ない。

 西原も鷹也や万理絵の親戚という訳ではないけれど、まったく同じ気持ちで、三都葉の話を聞いていた。
 でも、じっとしていられなくて、
「こらっ、後から来て人の席を取るなっ!」
 と、翔也に文句を言われながらも、順也の枕元の席に陣取って、すっかりクシャクシャになってしまっている柔らかい猫っ毛をそっと直してみる。
「順也・・・俺が驚かせたせいだね・・・心配掛けてごめんね、順也」
 そして耳元でそう囁いたけれど、瞼を閉じたままの順也は、勿論何も答えてくれなかった。

 皆が視線を送るベッドの上の順也は、白いカバーの掛かった羽枕にもっと白い寝顔を埋めていて、掛け布団の上に力無く置かれているやはり白い腕には、点滴の針が痛々しく刺さっていた。
 僅かに覗く細い首には青く血管が透けて浮かび、触れれば薄い肌は破れてしまいそうで、ピクリとも動かない疲れを滲ませた顔は、この僅かの間に少し痩せてしまった様にも見える。
 ついさっきまで、順也は疲れる事を知らない様に元気に先代の指導を受けて、見ている者が惚れ惚れとする太刀筋で竹刀を振り下ろし、それを褒められて眩しい位の笑顔で笑っていた。
 大好きな稽古に夢中で取り組み、誰よりも生き生きとしていた筈なのに、それがどうして今は、壊れてしまった人形の様にベッドの上で動けないでいるのだろうか。
 悲しい位に痛々しく傷ついた小さな姿に、それを見る誰もが苦しい思いを抱いていた。

 順也はただ、どこの誰とも知れない客にいきなり演舞を披露しろと言われて困っている父や兄を助けたいと思う優しい気持ちで、この家にやって来たのだった。
 自分が生まれる遥か以前からの柵に苦しむ父親や、それに巻き込まれて一緒に困窮している二人の兄や、そのせいで悲しい思いをしている兄の婚約者や、そんな大好きな家族を助けたいと願っていただけで、順也自身が何かを手に入れとうと望んだり、誰かが憎いと恨んでの事ではない。
 この頃、ちょっとだけ背が伸びて、少しだけ姿は大人びたけれど、その中身はまだまだ人を疑わない純粋な子供のままだった。
 そんな無防備で、一番守られるべき存在である順也を、何故こんな場所に連れてきてしまったのだろう?
 負い目を感じている本家の人間に『来い』と言われて断り辛かったから。
 未来の幸せを邪魔する鷹也の弱味を見つけ出して、鷹也をコテンパンに凹ませたかったから。
 息子の働いてしまった無礼を詫びる為に、せめて食事をご馳走したかったから。
 まさか覚醒剤にまで手を出しているとは知らずに、鷹也がそこまで無謀な事をするとは思っていなかったから。
 史也も、家本も、智也も、翔也も、桜子も、そして当然、西原自身も・・・
 順也がこんな哀れな姿になってしまった理由を考える時、誰もがその責任の一端は自分にあるのだという確信があって、酷い後悔の念を抱かずにはいられなかった。

 弱っている順也に負担が掛からない様、照明を絞った薄暗い部屋の中。
 順也は本当に呼吸をしているのかすら心配になる程に、ひっそりと深い眠りを貪り続け、まるで目を覚ます気配はない。
 西原は、強くなりすぎない様に注意しながら、それでもしっかりと指を絡めて、順也の点滴の刺さっている腕の冷たい手を握り締めた。
 重い空気の中で、部屋のそこここに腰掛けた全員がしばらく誰もが黙ったままでいると、
―――ブブブブブ・・・ブブブブブ・・・
 と、と智也の携帯がバイブして着信を告げる。
 着信の相手は鷹也からで、
「お客が待っているから、早く順也か優希を連れて道場に来い・・・だそうです」
 短い会話の後に携帯を切った智也は、困惑しきった顔で西原をチラリと見てから、酷く苦い声でそう言った。


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2008.04.26(23:14)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「明日は、俺と出掛けてくれる?」
 チュッとホッペにキスをしてくれるユウキに改めてそう尋ねられて、俺は素直に「いいぞ」と答えた。
 エッチの間に嵌めるのではなく外せるリングならきっと苦しくないだろうから、それなら別に嫌ではない。
 ユウキも、「ジュンヤのココを気持ちよくさせる前には必ず外すよ」と、指きりをしながら約束してくれた。
 それに、明日作るリングの話をしてくれるユウキは何だかとても一生懸命で、ユウキがそこまでそうしたいならいいかな?と自然に思えたのだ。
「ありがとう、ジュンヤ・・・凄く嬉しいよ」
 俺の返事に、ユウキは本当に嬉しそうに微笑んで、ギュッと抱き締めてくれた。

 ユウキは俺と同じ男だけれど、都で一番っだって言われる位にとってもとっても姿が綺麗だ。
 俺に優しく笑ってくれる顔は、日曜日にお祈りに行く大聖堂の天井画にいる大天使様みたいだし、髪の毛は背中まで長くて金色でサラサラだし、目もお揃いで金色だ。
 背も高くてカッコ良くって、他のどんな人とも違って見える。
 砂漠で迷子になったあの日に初めてユウキを見たときは、空に浮いていた大きな金色の月が、人の形になって目の前に下りてきたのかと思ったくらいだ。
 『お月様?』と聞いたら、ユウキは可笑しそうに笑っていた。

「愛してるよ、ジュンヤ・・・俺はもうジュンヤ以外に何もいらないよ・・」
 そんなユウキにそう言って貰い、そっとベッドの上に押し倒されて優しく見詰めてキスして貰って、俺はこれ以上はない位に幸せな気分になってしまう。
俺はもう、明日作るリングの事なんて忘れて、うっとりとユウキのキスに身を任せた。


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2008.04.26(00:19)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 俺はユウキに抱き締められて、ちょっとの間だけ泣いてしまった。
 「驚かせてゴメンネ」と謝ってくれるユウキに抱き締めて貰えて、もうあんまり悲しくなかったけれど、涙は出始めると直ぐに止まらないからしょうがないと思う。
 ユウキは俺の涙が止まるのをジッと待ってくれてから、ベッドの上にそっと座らせてくれた。
そして召使の人に持って来て貰った、暖かくて良い匂いのタオルで顔を拭いてくれたのだった。
ホカホカのそれがとても気持ちよくって、「うにゃ・・」と声を出したら、
「コラッ・・簡単にそんな色っぽい声を出しちゃ駄目だよっ」
 何故だか分らないけれどちょっとだけ叱られてしまった。
「何で怒るんだ?」
 不思議なのでそう聞いたら、
「ジュンヤが可愛すぎて心配だからだよ」
 と、もっと良く分らない答えが返ってきてもっと分らなくなった。

「ユウキィ・・・また喉が渇いたからブドウが食べたい」
 俺がそう頼むと、ユウキは困った顔をしたけれど、もう一つブドウを剥いて口の中に入れてくれた。
「今度は泣かないで、落ち着いて聞いてね」 
 そして、もう一度膝の上に抱き上げて、ギュッと背中から腰を抱き寄せくれてから、そう耳元で囁いて、明日作るリングの事を優しく説明し始めてくれるのだった。
 ユウキと約束したので、今度は泣かないように気を付けて聞いたら、同じリングでも、明日作るリングは俺が知っているそれとは全然違っている事が分った。
 俺が知っているのは、エッチの間に嵌めるのだけれど、明日作るのは、普段は嵌めていて、ユウキとのエッチの時には外すものらしい。
「ラブリングって言うんだよ、綺麗な宝石を沢山使って、ジュンヤのここに似合うのを作ろうね」
 普通のリングとは使う時が正反対のそれの名前を、ユウキは俺の雄の印をパジャマの上から指先でなぞりながら、優しい声で教えてくれた。


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2008.04.24(23:44)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
悩み疲れ・・・


「ひゃはははは・・・優希は面白いなぁ・・変な事を言うなよぉ、ここは俺の家だぜ?何処に居ようと俺の勝手だろうぉ・・?」
 西原の質問に、鷹也は呂律の回っていない口調で答えてくる。
 こちらを見てくる赤く血走った目はドロリと焦点が定まらず、廊下の壁に半分凭れているのに足元もふら付いていて、言葉もさっき三都葉と話していた時よりも更に不明瞭だ。
 もしかしたら、ここに来る前にまた覚醒剤を注射したのかもしれないと思わせる、まるで泥酔した様な乱れて無様な姿だった。
「鷹也っ!あなた、その格好はどうしたの?」
 先代の看病でずっとこの家にいなかったらしいから、もしかしたらこの鷹也の変貌振りを知らなかったのかもしれない。
 目の前で実際に見た息子の普通では無い様子に、万理絵が驚きの声を上げるが、しかし鷹也本人も、他の誰も今更過ぎてまったく執りあわなかった。
「違いますっ!ここの部屋には順也が寝ているのを知っているんですよね?なのに、こんな場所にいるのは順也に何か用事かと聞いているんですっ」
 この人に何か言っても分るのだろうか?
 余りに酷い鷹也の様子に心許ない気分になりながらも、順也の為を思うと言わないではいられず、西原は強い口調を崩さないで言葉を続ける。
「へへ・・、恐い顔をするなよぉ・・さっきも言ったろう・・お人形さんがそんな顔したって恐くないって・・・まぁいいやぁ・・そうだよぉ・・俺は順也に用事があるんだよぉ・・ちょっとそこを退いてくれる?」
「はっ?」
 すると、予想外にちゃんと返事をしてきた鷹也から、思いもしていなかった答えを言われてしまい、西原は一瞬その場に固まってしまった。

「はい、退いてねぇ・・」
 順也を身体も心も手酷く傷つけておきながら、目の前の男はどうしてこうも平然としていられるのか?
 順也に会わせろと言い放つ鷹也の神経が信じられずに西原が固まっていると、鷹也はあろうことか部屋の前に立つ西原を横に押して、襖の取っ手に手を掛けて、それを開け様とした。
「どっ!退くわけもないしっ、用事なんかある訳も無いでしょうっっ!順也はアナタのせいで具合が悪くなって寝ているんですっ、どうして合わせなくちゃならないんですか?」
 例えどんな用件があろうが、すっかり怯えきり衰弱してしまっている順也を、その原因である鷹也に合わせるワケにはいかない。
 西原は慌ててそう言いながら、鷹也と襖の間に身体を押し込んだ。
「鷹也さんっ、弟は寝ているんです止めてくださいっ、用件なら俺が聞きます」
「鷹也さん、お願いですから、もうウチの順也に構うのは止めてください」
「鷹也っ!いい加減にしなさいっ!優希君は関係ないだろう、他所のお子さんにまで迷惑をかけて、恥ずかしいと思わないのかっ!」
 すると、近寄ってきた史也と智也と家元も、両側から鷹也の肩に手を掛けて止めようとしてくれる。
しかし、言われた本人は人の話などまったく聞く気は無い様だった。
「用事ってぇ・・・のは、決まってんだろぉ・・・演舞ぅ・・今日はぁ・・演舞をやらせる為に順也を呼んだんだぜぇ・・・皆さん・・忘れたんですかぁ・・・ヒャハハハ・・ヤァヒャヒャァ・・・」
 そして、今更誰も覚えていないような事を言って、何が可笑しいのか、耳障りな声でゲラゲラと笑い転げるのだった。

 演舞を見せる筈だった相手のフランス文化庁の人間だという人達は正真正銘の詐欺師で、勿論、その人達が鷹也を通して持ち込んできた新古心流のフランス進出も大嘘だった。
 しかも鷹也に覚醒剤を売りつけた相手で、鷹也は自分が騙されていた事を説明されていてちゃんと知っている筈なのだ。
 そのフランス人が今晩この家に来る予定になっていた約束を、まだ断っていなかったらしい。
 それどころか、自分達が偽者だとバレた事を知らずにノコノコとやって来たそいつらを、もう道場へと通してしまい、それで順也を呼びに来たらしいのだ。
 相手は紛う事無い犯罪者なのに、そんな相手を家に入れ、しかも演舞まで見せて一体どうするつもりなのか?
 それも覚醒剤の副作用なのか、やたらに笑い続ける鷹也から、やっとの事で聞き出した話の内容に、誰もが言葉を失ってしまう。
「ひゃひゃ・・俺は先に行ってるぜぇ・・早く順也を連れて来いよなぁ・・順也が無理ならそのお人形さんでもういいぜぇ・・・聞いたぜぇ・・翔也よりもよっぽど上手に出来るんだろぉ・・」
 そして、勝手な事を言って、鷹也はフラフラと覚束ない足取りで、母屋に戻っていってしまった。

 鷹也が去り、妙にシンと静まる廊下。
「・・うっ・・ううっ・・うっ・・・」
 ただ万理絵だけが、変わり果てた息子の姿を目の当たりにして、ショックを受けて泣いていた。
 お化粧まで剥げて、更に恐い姿になっているけれど、さっきこの廊下で桜子といがみ合った時の勢いはもう無かった。
「奥様・・・お部屋へ戻りましょう、もう一度、鷹也さんのこれからの事をお話しますから、今度は落ち着いて聞いてくださいますか?」
 見かねたらしい田淵がそう声を掛けると、万理絵は力なく頷いて、田淵に支えられる様に母屋へと去って行ってしまった。
 一体これからどうすればいいのか?
 史也、智也、家元、桜子、そして西原。
 そうして残された5人は顔を見合わせて、しばらく沈黙してしまう。
―――ガラッ!
 そうこうしていると、西原の背中で襖が開き、
「お待たせしました、順也君の容態が落ち着いたのでどうぞお入り下さい」
 中から顔を出した三都葉が、そう声を掛けてきた。


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2008.04.24(21:57)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「ヤダッ!!!俺はそんなのいらないぞっ!」
 ユウキの答えを聞いて、俺はそう大声で言いながら、座り心地が良くて大好きなユウキの膝から飛び降りる。
 それからそこに落ちている、自分の上半身より大きなクッションを拾って、隠れるようにそれを抱き締めた。
 ユウキの帰りが遅くて一人の夜には、いつもこのクッションを抱えて、ベッドの上で本を読みながらゴロゴロしているのが俺のお気に入りだけれど、今はそれをユウキとの間に壁のように立ててみせる。
「いらないぞっ!」
 そしてその影からムッとした顔を覗かせて、もう一度そう言うと、ユウキは凄く困った顔をするけれど、今はユウキの方が悪いんだからしょうがない。
 俺はリングが大嫌いで、この家に住むようになったらもう二度と俺にそれを嵌めないと二人で約束したのだ。

 俺はリングが大嫌いだった。
 リングは、エッチをする時に雄の印に嵌める指輪みたいな金属の輪っかだった。
 金で出来ていてキンキラ綺麗だけれど、それを嵌めると、エッチの途中で気持ちよくなっても、アソコの先から何も出す事が出来なくなってしまうので、身体が爆発しそうになる様などうしようもなく苦しい気持ちになってしまう。
 何でそんなものを嵌めるのかと言うと、奴隷の人が出しちゃったモノでご主人様の身体を汚さないようにする為らしいけれど、俺の場合はそうじゃない。
 リングを嵌めないでユウキとエッチをすると俺は沢山感じ過ぎちゃって、次の日に疲れてラクダに一人で乗れなくなってしまうからだ。
 砂漠をユウキの指揮する大きなキャラバンで旅をしていた時にそれでは困るから、仕方なくリングを嵌めてユウキとエッチをしていた。
 俺は凄く嫌だったけれど、でも、都に戻ったらもう二度と嵌めないでいいとユウキが約束してくれたから、旅の間は我慢していた。
 俺はユウキの奴隷で、奴隷はご主人様とのエッチの時には必ずリングを嵌めなければならないらしいけれど、でも俺は「そういうのじゃない」から、しなくても大丈夫らしい。

 今まで、ユウキはちゃんと約束を守ってくれていたのに、どうして今更そんな事を言うのか分らない。
 リングをしてエッチをしても、苦しいだけで全然幸せな気持ちになれないから、もう絶対に嫌だった。
 俺はユウキの言葉が悲しくて、そのせいであっという間に目に涙が溜まってしまう。
 でも、男なのに泣くのはみっともないから、グッと堪えようとするけれど、余計な力が入ってしまったせいで、反対に溜まった涙がポロポロと零れてしまうのだった。
 零れた涙は頬を伝って顎までたどり着き、そこから下へと落ちていく。
 頬を伝うそれが妙にくすぐったくて、拭こうと思って盾にしているクッションに顔を埋めると、
「あっ、あのねっっ!!ジュンヤっ、そうじゃないんだよ、俺の話をちゃんと聞いてっ」
 ユウキは物凄く驚いた声を出して、慌てた様子で俺をクッションごと抱き締めてきた。


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2008.04.23(00:52)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
短い・・・でも、時間切れ!
会社〜



 廊下の前にも後ろにも居ないのに、どこから声が出たのかと思ったら、横の襖がいきなり開いて、そこから鷹也が姿を見せた。
 中はやはり使われている形跡の無い和室になっている様だが、庭に出られそうな窓が開きっぱなしになっているので、きっとそこから入ってきたのだろう。
 驚くほどに近くに現われたその姿は、呆れた事に順也をあの廃屋で襲って時と同じ、緋色の道着のままだった。
 西原でさえ、埃ッぽい廃屋での格闘のせいで借りたジャージに着替えているのに、汗と埃に塗れきって平気なその姿には、やっぱり薬物で中毒になった人間の尋常でない神経を感じてしまう。
 何でそんな所で立ち聞きしていたのかと思ったが、廊下を挟んだそこには順也が寝ているのだから、よく考えるとゾッとする状況だった。
 また、隙があったら順也か、もしかしたら桜子でもいいから襲うつもりだったのかもしれない。
そう想像すると、順也の身に起きた惨劇をまた思い出し、西原は怒りで身体が震えそうになってしまう。
 万理絵に殴られた西原を見ただけで、順也はせっかく良くなり掛けていた体調を崩して、また気を失ってしまった。
 鷹也にされてしまった惨過ぎる行為のせいで、身体だけでなく、心までも酷く傷ついてしまっているからだろう。
 今まで皆に愛されて大切にされるだけだったの順也は、どれだけ恐い思いをしたのだろうか?
 そして、起きてまたこの男がそこにいたら、どんなに恐ろしい気持ちになる事だろうか?
 順也にもう少しも恐い思いをさせない為に、この男を、もう二度と順也にの傍に近寄らせるわけにはいかない。
 全員が自分の方を向いてくれた事に満足した様にニヤニヤと笑いながら、鷹也はまったく悪びれ無い様子で立っている。
「こんな場所で何をしているんですか?!」
 その鷹也に向い、西原は視線を強くしながら、前に進み出てそう尋ねた。



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2008.04.22(08:11)|未分類コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「ふえ?」
 ユウキの言う事が良く分らなくて、俺は変な返事をしてしまった。
 ユウキの手は着ているパジャマのズボンの上から、優しく俺のアソコの辺りを撫でている。
 パジャマの生地は何だかとっても珍しいらしい、肌にしっとり吸い付いてくるスベスベの柔らかい絹で、上から撫でられると擦れた敏感なそこが気持ち良い感じでこそばゆくて、アソコ自身がムズムズとしてきてしまう。
 という事は、ユウキが言っているのはやっぱり俺の雄の印に嵌めるリングの事なのだろうか?
 俺はユウキがそんな事を言うなんてなんだか信じられなくって、何時もみたいに直ぐにパジャマの奥に潜り込んで来るのと違い、遠慮がちにパジャマの上を動いているユウキの手を掴んで引っ張り、自分の雄の上にギュッと直接押し当てた。
「ここって・・・ここか?」
 そして、抱かれている膝の上から首を捻りジッと見上げながらそう聞くと、ユウキは困った様に微笑んでから、でも、
「そうだよ」
 と、はっきりと答えてくるのだった。


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2008.04.21(21:10)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑

色字の場所を書き換えました。
ほんの少しなのですが、西原の気持ちを挿入
いや・・・気に入らなかったんですよ(^^;



「順也っ、動かないでっ、点滴が抜けるよ、順也っ!」
 突き飛ばすように押さえていた万理絵の身体を駆け寄ってきた田淵に渡して、西原はこちらに向かい腕を伸ばしているベッドの上の順也を抱き締めた。
「・えぅっ・・・西原ぁ・・・大丈夫か・・・」
 すると、そう言った順也も抱きついて来ようとしてくれるけれど、シャツを掴もうとする手にはまったく力が入らない様で、そのままコトリと力なく落ちてしまう。
「俺は何とも無いよっ!具合が悪いのは順也なんだから動いちゃ駄目だよっ」
 怯えた様に大きく見開いた目からポロポロと涙を流して、せっかく赤みの刺した頬も蒼白になってしまっているのに、順也が何をそんなに心配しているのか分からない。
「・・・ヒグッ・・・で・・も、鷹也さん・・が・・オマエにも・・恐いこと・・」
「何で?俺は何もされてないから、ほらっ、こんなに元気だよ?」
「でもっ・・・今、叩かれ・・・っっ」
「うん、でも、あんな事位は何でもないよ」
「だ・・て・・西原・・綺麗なの・・にっ・駄目っ・・!西原はっ・・だめぇぇぇ・・・」
「順也っ!しっかり、順也っ!」 
 しかし、何を言っても話が上手くかみ合わず、小さくカタカタと震えだした順也は、搾り出すような声でそう言い、そのまま西原の腕の中で気を失ってしまった。

「ちっ、また頻脈と低血圧かっ、せっかく上がりかけていたのにっ、翔也!その私の鞄をこっちへ、後、優希君はその手を離して、悪いけれど治療の邪魔っ!」
「でもっ、順也がっ!」
「はいはい、さっき襲われた時の事を思い出して驚いただけだから、叩かれている君も同じ目に遭ったと思ってしまったんじゃないかな?翔也のお兄さんっ、ボーとしてないで優希君を患者から引き剥がしてっ」
「あっ、はいっ、優希っこっちへ来なさい」
「嫌ですっ!俺はここにいますっ、俺も何でも手伝いますっ」
「優希っ!」
「ああっ、もうっ本気の本気で邪魔ですから、後は私と翔也に任せて皆さん出て行ってくださいっ、翔也、聴診器取ってっ、順也君の胸を出させてっ」
「はいっ、こら優希っ、邪魔だからどけ!」
 自分の名を呼びながら気を失ってしまった順也を腕の中から離してしまうのが不安で溜まらなくて、西原は自分を順也から引き剥がそうとする智也や翔也の手から抵抗しようとした。
「優希君っ!お願いよっ、順也ちゃんの為よ、離れていましょうねっ」
「優希君、落ち着いてください・・順也を心配してくれてありがとうございます、でも私達は本当に邪魔みたいですから、今は出ていましょう」
 しかし、史也と桜子にまで口々にそう言われてしまい、渋々ながらも頷くしかなかったのだった。

「何ですのっっ?!あなたはいったい何々ですのっ?」
 廊下に出るとそこには家元と田淵に羽交い絞めにされた万理絵が居て、その姿を見るなりに桜子が、止める間もなくそちらに向けて一目散に詰め寄った。
「あなたの息子さんが、順也ちゃんにおかしな薬を打って、其の上、ごっ・・強姦までしようとしましたのよっ、それを謝るのならともかく嘘吐きだなんてっ、順也ちゃんの今の様子を見てまだそんな事が言えますのっ!?」
 そして、取り押さえられて順也の寝ている部屋から引き釣り出されたせいか、更にグシャグシャの見るも無残な格好になっている万理絵の前に立ち、一気にそうまくしたてる。
 美人で気の強い桜子が、本気で怒ると恐ろしい。
 誰が聞いても酷くもっともなその訴えに、流石の万理絵も謝るかと思ったけれど、しかし、万理絵は万理絵でまったく反省なんかしていなかった。
「煩いわねっ!順也なんてっ、あんな泥棒女の小枝子の産んだ子供なんて嘘吐きに決まっているのよっ!」
「まあっ!順也ちゃんはとってもいい子ですわっ!嘘なんか付くものですか!順也ちゃんだけでなくて智也さんも翔也君もっ、そこにいる優希君も、お母様のお育てになった方達は皆優しくて素敵ですのよっ、あなたの息子さんとは大違いですわっ!」
「ホホッ!お嬢様ぶって大人しい顔をしているけれど正体を現したわねっ、この女はねっ、男なら誰でもいいのよっ!さっきも道場でそこの派手な子と、ずっと顔を寄せてイチャイチャしていて、厭らしくて見ていられなかったわっ、智也さんっ、だから、私はこの女は辞めなさいっていったでしょう?」
「え?いやっ、それはっっ」
「まあっ、そんな事はあなたなんかに口を挟んで欲しくありませんわっ!それに優希君と私は姉弟みたいなものですものっ、いくらでも楽しくお喋り位しますわっ!そうよね!?優希君っ」
「ええ?はあ??」
 突然巻き起こった女同士のすざまし過ぎる諍いに、周囲の男性人は、史也も翔也も家元も田淵も、全員が息を呑みただ黙り込むだけだった。
 ただ、家元と田淵は、また万理絵が順也の部屋に飛び込まないように、羽交い絞めにしている手を緩めない。
 西原だって部屋を追い出される時は、何故、何の罪も無い順也をあんな酷い目に合わせるのかと、万理絵を問い質してやりたい気持ちで一杯だった。
 気を失った順也の顔を思い出しながら、万理絵にどうこの憤りを伝えてやろうか考えていたのに、目に毒々しい派手な色の和服を着崩した今にも暴走しそうな猪みたいな万理絵と、戦いの女神みたいに怒りのオーラに包まれて胸を張ってその前に立ちはだかる桜子を前にして、とても口なんか挟める状況ではない。

 もし一言でも何か言葉を発したら、またギューーーッと頬っぺたを摘まれて、千切れんばかりにそこを引っ張られてしまいそうな恐ろしさがあった。
 それなのに、いきなり話を振られてしまい、やはり同じ気持ちで傍観していたであろう横に立つ智也と一緒に、目を見交わしてオロオロとしてしまう。
「もうっ!智也さんももう少し怒って下さい!順也君があんなに酷い目に合わされましたのよっ!お義父様もっ、優希君もっ、何で一緒に怒ってくださいませんのっ!?気が優しいにも程がありますわっ!!」
 すると、地団駄を踏みそうに悔しそうな桜子から、そう怒られてしまった。
 何でって・・それは気が優しいからでは無く桜子さんが恐ろしいからです。
 なんて本当の事も言えず、しかし、桜子の言う事が正しいのは確かなので、西原も臆してないで万理絵に何かを言おうとした。
 自分の息子の方を信じたいという気持ちも分らなくも無いけれど、それでも、順也を嘘吐き呼ばわりした事くらいは間違いだったと理解して謝って貰えないと、今苦しんでいる順也に対して合わせる顔が無い。
「あのっ、万理絵さんっ!」
 なので息を吸い、出来るだけ毅然とした態度になるように、一歩立っている位置から前に出て勇気を出して呼びかけてみる。
しかし、それが万理絵の耳に届く前に、
「あははははは・・・っ!オマエ達は文句なんか言えた立場じゃねぇよなぁっ!史也っ!翔也ぁ!!」
 いきなり横から飛び込み割り込んできた、鷹也のダミ声に掻き消されてしまった。


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2008.04.21(20:23)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
我慢しきれずに書き始めました。
ユウキとジュンヤ第二弾です(^^;;
まだ18禁ではないですが、そのうち絶対に18禁です!
ご注意ください

業務連絡・・前に考えていたのと都の名前を変えました(言わなきゃ誰も気付かないって)



「ジュンヤ、明日は朝から出掛けるから、そのつもりでいてね」
 ユウキと俺と二人きりの寝室。
 四方を沢山の柱に囲まれて壁のない広いその部屋の中心の、床に巨大でフカフカなマットを置いただけの二人のベッドの真ん中で、何時ものように俺を膝に乗せてくれていたユウキがそう言った。
「・・ムグ・・ゴクン・・何処に行くんだ?」
 俺は、ユウキが剥いて口に入れてくれる、大きな葡萄の実を飲み込んでからそう聞いた。
 王様から俺にとユウキが貰ってきてくれたツヤツヤで金色をした珍しい葡萄は、甘いジュースを詰めた袋みたいで美味しいけれど、俺が自分で剥くと何でか知らないけてどグチャグチャになってしまう。
 だから、ユウキが剥いてくれるのを待っているんだけれど、次の一粒を剥きながら、ユウキは何故か俺の質問に直ぐに答えてくれなかった。
「ユウキと出掛けられるなら何処にでも嬉しいぞっ」
 だから、言い辛そうなユウキの代わりに俺が先にそう言った。

 砂漠の旅が終わり、ドーリスという王様も住んでいる大きな都に着いて、ユウキの大きな大きな家に一緒に住む様になったけれど、ユウキは毎日仕事が急がしそうで、余り一緒にはいて貰えなかった。
 夜は必ず一緒に寝てくれたけれど、朝起きたらもういない事も多かったし、一日中一緒に入れたのは、この家に来てからの一ヶ月で3日位だった。
 たまにでも一緒に居る時のユウキは凄く優しいし、居ないときも俺が困らない様に沢山気を遣ってくれて、この家に来て嫌だったり悲しかったりした事は一度も無かった。
 でも、やっぱりユウキと一緒にいられないのは寂しいから、一緒に出掛けられるなら、行き先が何処でも凄く嬉しい。
「何処に行くんだ?」
 もうユウキの手の中で不思議な位に綺麗に向けている葡萄(本当に柔らかくて直ぐにグチャグチャになるんだぞっ!)に、俺はワクワクとそう聞いてから、アーンと口を空けてみせた。
「はぁ・・・お腹を壊すから、今日は本当にこれで最後だよっ」
 ユウキはもう今晩何度目かのセリフをそう言って、葡萄を口の中にそう入れてくれる。
 本当にユウキと出掛けられるなら何処でもいいのに・・・
 自分は心から思っているのに、どうしてユウキが言い淀むのか分らない。
 噛んた途端に、葡萄の中から出てくるジュースが口から零れそうになるので、声は出せないけれど頭の中でそう考えていると、ユウキはお盆の上の銀のフィンガーボールで指を洗って手拭で拭いてから、髪の毛ををクシャと撫でてきた。

 今日は帰りが遅くなるとか・・、
 剣の稽古で無理をして怪我をしたのを怒る時とか・・、
 栄養があるけど嫌いな食べ物を残した時とか・・、
 ちょっと嫌な事を言う前のユウキは必ずそうやって頭を撫でくる。
 なので、『あれっ』と思い、これは思っていた程楽しい話ではないのかなと思わず身構えた途端に、
「明日はね・・ジュンヤのここに嵌めるリングを作りにいくんだよ」
 と、腰にそっと手を回してきたユウキに、酷く言い辛そうにそう言われてしまった。


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2008.04.20(14:06)|LOVE RINGコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 遠くで聞こえていた人が激しく諍い会う声は、段々と廊下を近づいてきた。
「待ちなさいっ!順也君は寝ているんですよっ」
「お願いですから、落ち着いてください、万理絵さんっ」
「いいから順也に合わせなさいっ!鷹也に襲われただんて、順也が嘘をついているに決まっているわっ!何ておぞましいっ、小枝子さんの教育が悪いせいよ!」
「おいっ!静かにしろよっ、親子して迷惑だなぁっ、このクソババァっ!教育がなってねぇのはオマエだろう?!誰が合わせるかよっ!」
「こらっ、翔也ッッ!!やめなさいっっ」
そしてそれは、やがてはっきりとした内容になって部屋の前で止まり、
「おいっ!やめろっ!!」
―――ガラッッ!
翔也の怒鳴り声とともに、いきなり部屋の入り口の襖が、乱暴に引き開けられたのだった。

「何なんですか?いい大人が揃って騒がしいっ!病人が寝ているんですよっ」
 開いた襖から雪崩れ込むように入って来たのは、声が聞こえていた、史也、智也、翔也、家元と、一番騒いでいた家元の妻の万理絵、それに声はしでいなかったけれど、秘書の田淵も一緒だった。
 その、まさにいい大人達を、順也の眠るベッドを庇うように立ちはだかった三都葉が、厳しい声で一喝したのだが、一瞬それで動きの止まった人達の中、ただ一人万理絵だけは違った。
「順也に合わせなさいっ!仮病で医者まで呼ぶなんてっ、嘘を付く癖はねっっ子供のうちに治さないと駄目なのよっ!!」
もっとも過ぎる事で叱られて、一瞬動きの止まった人達の間から、一人止まることなくこちらに向かい大股で近づいてくる。
 暴れて乱れたせいで、着物なんかに興味の無い西原でさえ「どうしてそれとそれを重ねるのか?」と思いたくなる様な長襦袢が裾から大きく覗き、帯も解け掛けて、只でさえけばけばしかった外見が、とても見られない事になっていた。
「どきなさいっ」
「ち、ちょっと、辞めなさいっ!」
 その毒々しい色合いの猪みたいな万理絵が、止めようとする背丈夫の三都葉も突き飛ばさんばかりに、順也に目掛けて掴み掛かろうとする。
「キャァッ!」
 その様子と勢いに驚いた桜子が、小さな悲鳴を上げながら、それでも順也と点滴を庇おうと身体を被せた。

「止めて下さいっ!」
 その桜子と順也を庇うように、慌てて立ち上がった西原は、突進してくる万理絵との間に身体を割り込ませる事に成功した。
 思わず万理絵の肩を両手でガシッと掴んでしまい、その女性とは思えないゴツさにビクリとしてしまう。
 しかしこれで順也を守れたとホッとしたのもつかの間、いざ近くで見ると意外と背が低い万理絵から、
―――ギンッッ!!
と、恐ろしい目で睨み上げられてしまった。
「え?」
 そして、何で自分が?と戸惑い、不本意ながら一瞬見詰め合ってしまった次の瞬間に、
―――バシンッッ!!
ともの凄い力で、頬を平手で殴られてしまった。

 西原の頬を打った平手の音が面白い位に響く部屋の中で、入り口に立ったままの史也や家元達が、一様に驚いた顔でこちらを見ている。
 予期していなかった一撃に目の前が揺れ、口の中が切れたのか金臭い味が広がるけれど、順也を守らなければとの一念で、西原は万理絵の肩を離さないままにしていた。
「やぁっっ!さいばらぁ・・っ」
 しかし、いきなり殴られたのも驚いたけれど、背後から順也の悲鳴の様な声が聞こえてきた事の方がもっと驚いてしまう。
「順也っ!?」
「あなたねっ!鷹也を殴ったっていうのは、あなたねっっ!」
 まだ暴れようとする万理絵を押さえながら振り返るとそこには、何時の間にかベッドから起き上がった,
酷く取り乱した顔の順也の姿があって、
「キャアッ!順也ちゃんっ、動いちゃ駄目よっ!点滴が抜けてしまうわっ!」
「やだぁ・・・っ、俺は・・いいけどっ・・さいばらは・・・苛めるなぁ・・さいばらぁ・・・・っやぁ・・っ!」
 押さえようと抱き締める桜子の腕の中から、点滴の刺さったままの細い腕を、こちらに向けて必死に伸ばしていた。


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2008.04.20(12:16)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
花蓮さんコメントありがとうございました(^^)
細切れにして書いたので、何やら話の繋がっていないところもあるのですが、読んで頂けて嬉しいです。
また、早くも今回みたいな形で次の話を考えてます。
風邪が治ったら始めますので、またお付き合い頂けると嬉しいです\(^0^)/

他にも、拍手、ポチをありがとうございました。
これを更に腐る肥やし(汚い・・すみません)にしてまたがんばります〜
2008.04.18(19:32)|未分類コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「礼儀に厳しい方だから、稽古に入ったら失礼の無い様にな、順也」
「大丈夫ですよ、順也は本当に良い子ですから、先代もきっと気に入ってくれます」
「難しい事はどうでもいいよな?何時も通りにやってやっつけちまえよ」
 そう父や兄達が口々に言ってくれるのを聞いて臨んだ先代と呼ばれる人の稽古は、確かに父や兄の付けてくれるそれよりも厳しかったけれど、でもとても楽しかった。
 稽古が終わり「最後の一本は良かった」と褒めて貰えて嬉しかったし、これからも二週に一度だけれど稽古を付けて貰えることに決まってワクワクとした。
 それにここには先代以外にも強そうな人達が沢山居て、その人達とも剣を交える事が出来るのがとても楽しみだった。
 でも、一週置きととはいえ日曜日に一日中、西原と離れ離れになりたくなくて、無理かなと思いつつも「西原も一緒がいいっ」と思い切って言ってみた。
 皆は一瞬困った顔をしたけれど、もう一度「一緒がいいぞっ」と言うと、御家元が「私が先代にお話しします」と言って許してもらえた。
 西原も一緒に稽古に通ってくれると約束してくれて、これからの事が楽しみで、父や兄や桜子も嬉しそうに笑ってくれて、本当に本当に幸せだった。

 それから、前にここに来た時にも入った銭湯みたいなお風呂に入ろうとしていたら、西原が着替えを取りに行くと言って一人で廊下に出て行ってしまった。
 一緒に行くと言ったけれど西原は待ってくれなくて、慌てて全部脱いでいた道着を着直して後を追いかけた。
「一緒に稽古に通ってくれてありがとうなっ」
 『優希にだって都合がある』と兄の言った通りに、西原にだって日曜日にやりたい事があるのかもしれない。
 だからちゃんとそうお礼を言って、後はもしかして離れで二人きりになれたら『ありがとうなのキス』をしたいと思ったから追いかけたのだけれど、廊下には勿論もう西原の姿は無かったのだった。

 さっきまで居た、金トの池の前の離れ。
 忘れ物をしたそこに西原は向った筈なので、自分もそこに向って歩いていた筈だった。
 しかし、廊下は同じ様子でずっと長くて、妙に分かれて入り組んでいて、離れに向っているつもりが、知らない場所に出てしまった。
 この家は何処に行っても和風の作りだったのに、そこから先が切って取られた様に洋風になっていた。
 いきなりフローリングになった床の先は、何だか嫌な感じのする黒っぽい色のドアがあって、その先は行き止まりになってしまっていた。
 シンと静まり返る薄暗い廊下。
 今まで何処も綺麗に掃除されていたのに、ここに来たトタンにジャリ・・と汚れた床の感触が、裸足の足に伝わってくる。
 それが妙に気持ち悪くて、明らかに行き先を間違ってしまっている事は分ったので、踵を返し引き返そうとした。
 何だか無性に心細くて、急に西原の優しくて綺麗な笑顔がどうしても見たくなり、会えたらギュッって抱き締めて貰おうと心に決めたのだが、振り返ると信じられない位に近いその場所には、今すぐ会いたい恋人ではなく、この世で一番大嫌いな男の姿があった。

「よう・・順也、こんなとこで何をしてるんだ?」
 自分達以外には誰の気配も感じられない廊下で、自分と同じ緋色の道着をだらしなく着
た鷹也が、薄く笑いながらそう尋ねてくる。
 大好きな西原の綺麗な髪の毛を引っ張り、お人形さんと言いながら追いかけまわした許せない人間。
 次に会ったら絶対に文句を言ってやろうと思っていたけれど、いざ目の前に立ちはだかれると、どうしてか声が出ない。
 なので黙ったまま、近すぎる距離を離そうと後ろに下がると、鷹也も同じだけ前に出てくる。
「どうして逃げるんだよ、一緒に遊ぼうぜ?」
 ニヤニヤと笑い、でも赤く濁った恐ろしい目で見下ろされて、無意識に足がドンドン後ろに下がってしまう。
―――ドンッ
 やがて背中が廊下の突き当たりの壁に当り、目の前一杯が鷹也の姿だけになってしまった。
 近づいて来る、醜く太ってたるんだ顔。
 汗臭くすえた匂い。
 汗でギラギラと光る道着の胸から覗く吹き出物のある肌。
 何時も自分の傍にいてくれる、恋人や兄達とは何もかもが違いすぎる。
 総てが怖くて、もうこれ以上1ミリも傍に寄って欲しくなくて、
「あっちへ行って・・」
 フルフルと首を振り、やっと搾り出した小さな声で拒絶の意思を伝える。
 しかし、目の前の鷹也はそれを聞いてくれようともせず、それどころか見る見るもっと恐ろしい顔になり、そこにも厚く肉の付いた手を伸ばしてきた。
 そのまま顔を鷲掴みにされて、容赦の無い力で―――ガンッッ!と、後ろの壁に後頭部を打ち付けられた。
―――ガンッ・・・ガンッ・・・ガンッ・・・
 そのまま無言のままの鷹也に、数度、続けて打ち付けられて余りの恐さとショックで声も出ない。
 今まで生きてきて、周囲の誰もが自分を守ってくれて、こんな乱暴な仕打ちを受けたことなどただの一度も無かった。
―――ガツンッ!
 一際強い衝撃を感じて、目の前が不意に暗くなる。
「親切な顔をして、人のモノを横取ろうなんて浅ましい事を考えるからこういう目に会うんだよっ、へへへ・・・この家が欲しければやるぜぇ・・智也ぁ・・代わりにオマエの可愛い弟達も、婚約者の上玉の女も俺が貰うからな・・全部滅茶苦茶にしてやる・・・智也の奴、泣いて悔しがれっ・・・へへへへ・・・うはははは・・・・うははははは・・」
 一人で立っていられなくて崩れ落ちてしまった自分に向って、鷹也が何かを言っているけれど、頭がクラクラして良く意味が分らないままだった。

―――チクリ・・・
 廊下の床に蹲っている腕を伸ばされて、何かが深く刺さった鋭い痛みに襲われた。
 その途端に、更に頭がグラグラとして、やっと保っていた意識が薄れていくのを感じ、何故だか急に胸がドキドキとし出す。
 恐い・・・恐い・・・恐い・・・恐い・・・
 自分の身体に起きている得体の知れない状況に、ただその一言が頭の中でグルグルと周り、止めようも無く涙がポロポロと頬を伝うのを感じる。
「へへへ・・・色っぽい顔をすんじゃねぇか・・今回はチンポも立ちそうだぜ、邪魔の入らない場所で、タップリ可愛がってやるからな・・・」
 最後に残った一筋の意識の中で、鷹也がゾッとする冷たい声でそういうのを聞きながら、自分の身に起きているこの恐ろしい状況が、大好きで綺麗な恋人の身にまで降りかからない事を、ただひたすら願っていた。


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2008.04.18(19:25)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
―――ズルリ・・・
 ユウキが欲望を開放した雄を引き抜くと、「ふぅ・・」とジュンヤは身体から力が抜けたように息を漏らす。
「ゴメンネ・・辛かった?」
 ユウキはベットの上にクッタリと横たわっている、汗に濡れた小さな身体を引き寄せて、ギュッと腕の中に抱き締めた。
 それでも、まだジュンヤが泣いているので、心配になりユウキがそう尋ねると、ジュンヤはフルフルと小さく首を振る。
「じゃあ、何で泣くの?」
 可愛くて愛しくてたまらない恋人が泣いている。
 その理由がどうしてもが知りたくて、涙に濡れる頬を両手で包み重ねてそう尋ねると、ジュンヤはちょっと考えた様に視線を泳がせてから、
「ユウキが大好きで・・・幸せだから・・」
 と、一晩中喘ぎ続けたせいで掠れてしまった声でポソリと答えた。
「俺もジュンヤが大好きだよ、これからもっと幸せにしてあげるからね」
 ジュンヤの言葉に震えるような幸福感を感じたユウキは、もう一度強くジュンヤの身体を抱き寄せて、その愛らしく赤い唇にキスをしようとした。
―――カーーーーーーン・・・カーーーーーーン・・・
 しかしその時、砂漠に響きわたる鐘を鳴らす音が聞こえてきて、まだ暗い夜の中、キャラバンの早過ぎる起床時間が訪れた事を知らされてしまったのだった。

 鐘が聞こえたらユウキも起きて急いで支度をし、15分後には朝食を兼ねた朝礼に参加して、一時間のうちには総ての商隊をまとめて出発しなければならない。
 過酷な砂漠の真ん中では、例え豪商の御曹司であるユウキでも、このルールを守らない訳にはいかなかった。
 なので、後ろ髪を引かれる思いで、恋人の身体から腕を離し、ベッドから下りて立ち上がった。
 取り残されたジュンヤは、自分で起き上がる気力も体力も無いようで、身体をベッドの上に投げ出したまま、まだ欲望の残滓を残している視線だけでユウキの姿を追ってきた。

 全身にユウキが吸い上げて散らした赤い跡をつけたジュンヤは、汗と自分の放った粘液にまみれて、酷く艶かしい色香を放っていた。
 ユウキがしつこく弄り続けたささやかな胸の飾りはまだプクリと赤く膨らんだままで、白い脚はユウキを受け入れた時と同じに開かれたままで、今まで自分を受け入れていた後孔までが覗けそうに思える。
 その淫らな様子に、ユウキは性懲りも無くズクンと腰が疼くのを自覚してしまうのだが、その衝動に従って仕舞うわけにもいかないので、腕を伸ばしてクシャリと一回だけジュンヤの柔らかい髪の毛を撫でて我慢した。
「ジュンヤはまだ寝ていていいからね」
 そしてそう言い残し、汗で汚れてしまった身体を拭く濡れた手ぬぐいを受け取る為に、マントを羽織ったユウキはテントの入り口に掛かっている分厚い布を跳ね上げた。


これで終了です。
お付き合い頂いた方、ありがとうございました(^^)
何の気無しに思いつきで始めたお話しですが、いまではまんまと設定が出来上がっています。
ユウキ・・・大陸で一番栄えている王国の王都、水と遊興の都「レアン」に済む豪商の息子、王家に仕える王立商人で、王様のお使いで砂漠だけではなく寒い国へも行ったりします。
ジュンヤ・・・ユウキが砂漠で拾った少年、まったく書く機会は無かったけれど青竜刀の名手、実は10年以上前に滅ぼされてしまった東方の小国の公子様
ははははは・・・また大風呂敷、そのうち書けたらいいなぁ
こっちのユウキとジュンヤにも愛着がわきました

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2008.04.17(20:33)|お礼コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
 テントに吹き付けていた砂嵐がピタリと止み、砂漠に朝の訪れが近い事を告げる。
 変わらず、揺らめく蝋燭の火に照らされた薄暗い部屋の中には、ユウキの荒い息遣いだけが低く響いていた。
 鍛え上げられた全身には汗が浮かび、呼吸の度に逞しい胸が大きく上下する。
 そして、ベッドにうつ伏せになったユウキの下には、ジュンヤの小さく白い子供の様な身体があった。
 華奢な腕は力無く投げ出され、細い足はユウキの逞しい腰を間に挟んで、大きく開かされている。
 その脚の中心、ジュンヤの後孔に自分の高ぶりを捻じ込んで、ユウキはまた激しく腰を動かしているのだった。
 ユウキの余る大きさの雄に激しく攻め立てられ、今夜の中でもう何度ジュンヤが絶頂を向えたか分らない。
 小さな身体の総ての力を欲望の形にして吐き出してしまい、力なく横たわるジュンヤと同じに、ジュンヤの雄自身も小さくしぼんでしまっていた。
 しかし、本当に気を失っている訳ではない無いらしく、
「ジュンヤ・・起きてるの?」
 そう耳元で尋ねると、うっすらと目を開けて小さくコクリと頷く。
「頑張って、いい子だね」
 こみ上げて来る昂ぶりにユウキが一際大きく腰をぶつけると、ビクンと身体を引き攣らせ、しぼんだ雄芯の先からトロリ・・と歓喜の透明な雫を溢れさせた。
「・・はぁっっ・・・・う・・っ・・」
「や・・ぁ・・・ふぁ・・・」
 視線も動かせない程に力を使い果たしているのに、それでも妖しく動き絡み付いてくるジュンヤの内壁にきつく絞めるられ、やがてユウキも数度目の絶頂を迎える時が来る。
「・・はぁっ・・・はぁっ・・・はっ・・」
 そして荒い息を弾ませ、ベッドに崩れ落ちるユウキの下で、ジュンヤは小さく開いた唇から微かなうめき声を上げて、焦点の合わないまま宙を見る目からポロポロと大粒の涙を流すのだった。


次くらいで終わりかなぁ?(前回も書きました、すみません)

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2008.04.17(07:32)|お礼コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「・・・ぅん・・」
  西原が両手にした名刺を手に、浮かべてしまった愛想笑いを引っ込めるタイミングに悩んでいると、順也が小さく声を出して身じろぎをする。
 目が覚めたワケではなさそうなのだが、桜子と三都葉の出すいがみ合う電波に、反応したのかもしれない。
そのせいで魘される様では容態に良くない気がして、
「じっ、順也の行く病院って、横浜なんですか?遠いですね」
 西原は場の空気を変えようと、決死の覚悟で話題を切り替えた。
 三都葉のくれた名刺に書いてある病院の住所がそうなっているので尋ねたのだが、三都葉は「ああ」と言って、何故か少し困った様に笑った。
「違います、これから行く病院は深大寺で君達の家の近くですよ、名刺にある病院はもう直ぐ辞めてしまう今の職場のモノです」
「え・・・と、じゃあ、その病院って・・」
「ほとんど完成していますけれどまだ開院はしていません、古い名刺ですみませんね、新しい名刺はまだ準備が出来ていないんですよ」
 まだ開院していない・・つまりやっていない病院に順也は運ばれてしなうらしい。
 少し不安になり、桜子と顔を見合わせると、
「大丈夫です、機材も薬もほとんど揃っていますから・・・、看護婦も去年まで父の病院で看護婦長をやっていたベテランの方にお願いして、今はもう順也君が何時来てもいいように準備してくれています、問題はありません」
 と、三都葉はこちらの戸惑った態度に苦笑しながら説明してくれた。

「順也君のお母さんには、直接病院に来て頂けるようにして、そこまでは翔也の車で行きます、あの車なら後ろの座席がゆっくりしていますから」
「救急車は呼びませんの?」
「父の病院から借りる事も出来ますけれど、今回は順也君に非はありませんけれど理由が理由ですからね、出来るだけ公にはしたくありません、夜で道も空いているし、私も同乗しますから問題ないでしょう」
「そうですわね・・、これで順也ちゃんに口さがない噂でも立ったら、それこそお義母様にお詫びのし様がないですわ・・・でも、お母様は驚いていらっしゃるでしょうに、お一人でタクシーでなんて心配ですわ」
「ええ、なにせまだやっていない病院で看板も上げていませんから、タクシーでも少し迷うかもしれませんね」
「間に合うようならうちの運転手と車を回した方がいいのかしら?」
「ああ、出来るならきっとその方が安心ですね」
 桜子と三都葉が、部屋の隅にある小さな応接セットに場所を移して、これからの事について話し合っている様子を、西原は順也の頭をそっと撫でながら聞いていた。
 流石に意識の無い順也の話しで争う様子は無くてホッとするが、だからと言って何時暴発して流れ弾が当るかもかも知れない二人の会話に、自ら加わる勇気もない。
 それに、もう総てが順也の為にキチンと手配されている様で、西原が口を挟む余地も無さそうだった。
 なので、西原は気配を消して大人しく順也の頭をずっと撫でている。
 一度は順也が鷹也に穢されたと信じ込んで、本気で絶望した。
 それで順也を嫌いになったりは絶対にしないけれど、それでも大切な宝物を粉々にされ、自分を取り巻く世界が一気に崩壊した気がして、目の前が真っ暗になった。
 でも、それは間違いだっだということが分って、こうして順也の柔らかい髪の毛を撫でていると西原は泣きたい位に幸せな気分になってくる。
 何の心配も無く幸福な気分に浸れるこの世界が壊れなくて、本当に良かったと心から思うのだった。
 三都葉の話だと鷹也は、脅しではなく本当に今すぐの入院が必要で、それも1年や2年の話しでは無いらしかった。
 家元や史也達の間では、明日にでも入院させようという話しが出ているらしく、三都葉の紹介で病院も決まり掛けているらしい。
 それも法の目を逃れる為に国内ではなく海外で、西原はついさっきまであれだけ脅威だった鷹也の存在が、急に小さくなった気がした。
 順也がこんなに酷い目に合って、この家に順也を連れて来た事について、何一つ良かったとは思えない。
 けれど、桜子と自分がここに来た理由である、『鷹也の弱味を握り、そして凹ませる』という目的は、思ってもいなかった位に成功してしまい何だか複雑な気分だった。

 順也の入院する病院は幸い家の近くらしい、順也の好きなモノを沢山作ってお見舞いに行こう。
 そして、今日、自分がしでかしてしまった失敗を思い切り順也に謝ろう。
 卵サンド・・クラムチャウダー・・炊き込みご飯・・チキンの照り焼き・・デザートにミルクプリン
 兎に角、もう鷹也が順也に危害を及ぼす事は無くなったのは真実で、安心した西原が病院に作って持って行くお詫び料理のメニューを考えていると、
「ぅ・・・ん・・」
 また順也が小さくベッドの上で身じろぎをする。
 桜子と三都葉の出す不穏な空気に中てられているのかと思ったけれど、頬にも見る見る赤みが刺して、掛け布団を無意識に外したがっているのは、どうも暑いかららしい。
 驚くほどに冷えきった身体を温めようと、この家で借りた冬用のパジャマを着せて、厚い羽根布団を重ねその下には毛布も掛けられていた。
 冷房も弱く設定して、足下にはお手伝いのフミエさんが用意してくれた湯たんぽまで入っているのだから、体温が戻ればそれは暑いだろう。
「あの、三都葉先生、順也が暑いみたいなんですけれど」
 イチゴみたいに赤くなっていて可愛そうだけれど、勝手に布団を外してもいいのか迷い、西原がそう申告すると、
「じゃあ、布団を減らしましょうか、ははは・・順也君は若いから元気ですね、こんなに回復が早いなら今夜だけ様子を見たら入院もいらないかもしれませんね」
「まあ、それなら本当に嬉しいわっ、ねえ?優希君」
 桜子と三都葉がホッとした様に微笑みながら寄って来る。
「湯たんぽは外して、毛布も外しましょう、点滴を引っ掛けないように気をつけてください」
「私が抑えていますわ・・あら、本当に赤い顔をして、とても可愛いけれどこれでは可愛そうね」
「パジャマも暑そうだね、着替えがあったかな?」
「はいっ、ここに預かっています」
 しかし、3人が共同作業で布団の数を減らしていると、
『――――なさぃ・万理・・っ』
『待て――よっ、・・のや―――』
『――――くださ―――っ、万理絵さんっ!』
 静かだった廊下の方から、急に大勢が争い合う騒がしい声が聞こえてきた。


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2008.04.16(22:23)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 荒い呼吸が収まるのを待ってから、ユウキはまるで小さな子供に用を足させる様な姿勢でジュンヤを持ち上げて、ジワリと縦にその小さな身体を揺すった。
「・・ぁぁ・・・ぁん・・・」
―――ジュ・・プ・・・ジュ・プ・・ジュプ・・・
 すると充分に潤っているジュンヤの後孔から、粘度のある液体が押し出され、卑猥過ぎる音がテントの中に広がり溶けて行くのだった。
 数度揺すると、それだけでジュンヤは切なそうなうめき声を上げて、力を無くしていた子供の形の雄芯がゆっくりと上に向かせる。
「はぁぁ・・・・あぁあ・・・っ」
 そしてそのまま続ければ細い悲鳴を上げて、また直ぐに湧き上がったばかりの高ぶりを開放してしまっうのだった。
 感じやす過ぎるジュンヤの身体は、リングを外すとそんな事の繰り返しで、見ているユウキとしてはそれでも楽しいけれど、本人はどんどんグッタリとしていく。
 でもそれも本人が望んだ事なので、そのまま止める事無く行為を続けると、
「ぁ・・ぁあ・・ユゥキィ・・、また外したの嵌めるのか?」
 やっぱり明日の事が心配になったのか、持ち上げられ揺すられるジュンヤが無理に首を捻って聞いてきた。

 涙の溜まった大きな目には、もうリングを嵌めたくないという怯えた気持ちと、嵌めなかったらまた明日は一人ぼっちになってしまうという不安が、半々に浮かんでいる。
「もういいよ、ジュンヤは嫌なんでしょう?」
「・・ぁっ・・う・・ぅん・・でもな・・それじゃ明日・・ぁっ」
「そうだね、ジュンヤはまたラクダに乗れないね」
「ふぁっ・・でも・・それじゃぁ・・俺・・んんんっ・・」
「うん、それじゃあジュンヤは寂しいから、午前中は輿の中でゆっくりお昼寝して、午後からは俺のラクダに乗せてあげるよ」
「ユウキの・・後ろか・・?」
「前だよ、俺によりかかっていいからね、それなら寂しくないだろう?」
「うんっ、寂しく・・・な・・っん、あぁぁぁぁ・・・っ!」
「その代わり、今晩はジュンヤが疲れて嫌がってもこのまま離さないからね」
「・・はぁ・・・は・・ぁ・・ん・・それなら・・離さなくていいぞ・・っ」
 嫌いなリングをまた嵌めようとして、戸惑い不安がるジュンヤの姿が余りにも可愛そうで、愛しくて仕方なかった。
 なので、ユウキはまた負けていると自負しつつも、しなくてもいい譲歩を自分から言い出してしまった。


次くらいで終わりかなぁ?

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2008.04.15(21:29)|お礼コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「あとまだ1時間位掛かりますね・・これが終わったら順也君を病院に移します」
 夜にいきなり呼び出されたというのにちゃんとスーツ姿の三都葉は、点滴バックを覗いて、若々しいけれど、でも医者らしい落ち着いた声でそう言った。
 やはり剣道をやっていて、翔也の大学の剣道部のOBで、それで歳が離れているのに翔也と知り合いになったらしい。
 鍛えてある事が分る均整のとれた身体をしていて、背も随分と高くて、でも白衣は着ていないから、やはり医者というより俳優とかモデルに見えてしまう。
「あのっ、その点滴は何の薬なんですか?ブドウ糖って書いてありますけど、あの理科の授業で習うブドウ糖ですよね」
 点滴のバックにそう印刷されており、ずっとそれを見ていた西原は順也の身体の中に入っていく液体の正体がずっと気になっていた。
なのでそう尋ねると、
「あはは・・、そう、あのブドウ糖ですよ、薬というより栄養ですね、順也君の細胞に栄養を送ってあげて、早く悪いものが身体の外に排泄される様に応援してあげてるんですよ」
 三都葉は噛んで含める様に親切に説明してくれる。
「糖分だけで薬は全然入っていないんですか?」
 自分は専門家から見たらさぞかし下らない質問をしているんだろうなと自覚しつつ、更に質問を重ねると、
「今のところはね・・でも、ちょっと元気そうになったでしょう?」
 チョンと指先で三都葉が順也の頬に触れてそう言った。
 言われて見ると、さっきまで紙の様に真っ白だった頬が僅かだけれどピンクになっている事に気付く。
「あ・・っ、良かったね!順也っ」
 それが溜まらなく嬉しくて、西原は思わず寝ている相手に真剣に話し掛けてしまうのだが、
「大丈夫ですよ、翔也の大切な弟君だし私が責任を持ちます、直ぐに元気になりますから安心してくださいね、優希君」
 しかし、三都葉は呆れたりはしないで、安心させてくれる様に微笑み、肩をポンポンとそう言ってくれた。

 大切な順也が言葉に出来ないような酷い目に遭い、それも半分以上は自分が情けなかった事が原因で、はっきり言って西原はどん底に落ち込んでいた。
でも、今は他人の目もあるし、何より一番酷い目に合ったのは順也なのだし、そんな事は態度に出す権利はないと思い、必死に心の中に仕舞っておいたのだった。
 やっぱりこの人は良い人だな〜。
 なので、頼りになる言葉を言って貰い、西原はシミジミとそう思ってしまう。
「ありがとうございます、よろしくお願いしますっ」
 心からそう言い、何気に顔を上げると、しかしそこには恐い顔でこちらを見ている桜子がいた。
『何を馴れ合っているのかしら?』
 せっかくの美人な顔に太文字でそう書いてあり、西原はビクンッ!とベッドに腰掛けている身体を揺らす。
 その西原の不振な態度に三都葉が気付いたらしい。
 すこし不思議そうにこちらを見てからクルリと後ろを振り返った。

―――バチーーーーーーーィッッ!!!!!
 途端に視線の合った桜子との間に何故か火花が散った気がして・
(順也を連れて逃げなきゃっ、ああ!!でも点滴がくっついているっ!!!どうしようっ?!)
 感じた危機に焦り西原は慌てて順也に縋りつく。
 その目の前で、しかし二人は極上の笑顔を浮かべて、眠る順也のベッド越しにニコヤカに会話を始めるのだった。
「病院はどちらに?私の父と晴天堂大学病院の院長は仲の良いお友達ですのよ、よろしければ父に頼んで連絡をとりますわ」
「ありがとうございます、でもそこまで難しい症状ではないので、そんな大病院の設備は必要ありません、必要でしたら私の父が恵央病院の院長ですし・・・順也君のこれからのこともありますし、今回は公にならないように私の病院に運びます」
「まあ・・お若いのに、ご自分の病院をお持ちなのね、ご立派だわ」
「ははは・・、恐れ入ります、あなたみたいなうら若いお嬢さんに言って頂くとくすぐったいですね」
「ほほほ・・・ご挨拶が遅れました、翔也君のお兄様と婚約させて頂いている、大野谷桜子と申します、順也ちゃんの事で驚いてしまってお見苦しい格好で申し訳ありません・・この度は、翔也君の急なお願いを聞いて頂いてありがとうございました」
「ご丁寧に痛み入ります、翔也の大学のOBの三都葉英嗣です・・翔也は可愛い後輩ですので当然ですよ」
「まぁっ、随分面倒見がよろしいのね、後輩も沢山いますでしょうに、余りお優しいとお忙しくはありません?」
「ははは・・・桜子さんは面白い事をおっしゃる、翔也は部活の後輩ですし特別ですよ」
「ホホホ・・特別?」
「ええ、特別です、頭も良いし、性格も真面目だし、将来はうちの病院で働いて貰えないかと思っていますよ」
「まあ・・もう就職先の候補があって素敵ですわ、でも、就職先でしたらさっきも言いましたけれど、私も父に頼んでもっと大きな病院も紹介出来ますし、余り早く決めてしまわなくてもいいですわよね」
「そうですね、こればかりは翔也の意思ですし・・・でも翔也はアナタの事は余りあてにしない方がいいかもしれないな」
「あら、ホホホ、どうしてですの?」
「まだ本当の義姉ではないし、将来はわかりませんからね、赤の他人に戻ってしまっては翔也の面倒も見れないでしょう」
「まあ、そんな可能性があるなんて、私とした事が気付きませんでしたわ・・でも、大学の先輩は一生赤の他人ですし、その辺りは三都葉さんよりマシですわ」
「あははは、本当にそうですね、桜子さんは本当に面白い・・・あっ、これは私の名刺です、何か個人的なお話があるならどうぞこちらに」
「ホホホ・・では、私もお渡ししますわ、何かありましたらご遠慮なくおっしゃってください」

 名刺を交換し、最後に二人が握手を交わす様子を、西原は出来るだけ順也に近寄り、気配を殺して眺めていた。
 二人とも満面の笑顔なのに、目がまったく笑っていないのが、美男美女なだけに余計に恐ろしい。
 え?もしかしてもう仲が悪いんですか?何で?何でですか??二人とも???
 翔也を巡り明らかに棘のある二人の会話。
 桜子はともかく、あんなに良い人の三都葉まで、立派な大人同士が出合って数分で、何でこんなに仲が悪くなれるのか、西原には理解できない。
大体、桜子には智也がいるのだし、翔也が三都葉の恋人である訳でもないんだし、二人がいがみ合う理由が何処にあるというのだろう?
 まさか本当に桜子の言う通りに、いずれ三都葉が次男の嫁なるというのだろうか?
 西原はあの翔也に限りまさかと思いながらも、だとしたら三男の嫁の自分の立場は?と、急に身の危機を感じてしまう。
 しかし、逃げたくても順也を点滴の人質に取られて身動き出来ないで居ると、いきなり二人がこちらを向いた。
 せめて後ろに下がりたいけれど、直ぐにベッドの角に脚が当り、
「優希君、君にも名刺を渡しておくね、何かあったら遠慮しないで相談して」
「優希君、今更だけれど私のもあげるわっ!何かあったら私に相談しなさい」
「あはは・・ありがとうございます・・な・・何かあるかなぁ・・?」
 目のまん前に二枚差し出された名刺を、出来るだけ均等のタイミングで両手に受け取りながら、西原はヒクリと無理に浮かべた笑顔を引き攣らせた。


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2008.04.15(13:56)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
10000HIT記念で多めにUP
ショボイね・・・せっかくの記念なのに、という本当の事は言わない方向で
10000HITで18禁を多目というあたりが、すでに脳みそ終わっていますよ(T▽T)
ここまでやってこれたのは皆様のお陰で、感謝の言葉もございませんっ!
何時まで経っても上手くならない文章ですが、これからもよろしくお願いします(^^)



「・・・ぁ・・はぁ・・・っ・・」
 リングが外れた後に襲った絶頂に呼吸を乱し恍惚となっているジュンヤを、ユウキは抱き締めた腕の中から離し、クッタリとしたその身体を抱き起こした。
「気持ちよかった?」
 胸に引き寄せ、耳元でそう尋ねると、
「ん・・良かった・・」
 ジュンヤはまだ荒い呼吸の中で素直に答える。
 そのジュンヤに優しく微笑みかけて形の良い額にチュッとキスをしたユウキは、汗でクシャクシャになっている茶色い髪の毛を指で優しく梳いた。
「でも・・ああっ・・ふぁ・・・やぁっ・・・やぁぁ・・・っっ」
 そして、また直ぐに身体の中で暴れている不死魚に身を悶えさせ始め、頻繁に達しては幼い雄の先から白濁した精をトロリと放つジュンヤの様子を、諦めてしまった沢山の趣向の変わりに、ジッと見詰めて楽しむのだった。

「やっ・・・んんっ・・・」
 しかし、段々と不死魚が死んで数を減らし、ジュンヤの喘ぎ声も段々と小さくなる。
――――ヒヒ・・・・ン・・・
 漏らす浅く早い呼吸が響くにわかに静かになったテントの中に、繋がれ眠っているラクダの鳴き声が聞こえてきた。
 気をつけて聞けば、大商隊の中心にあるテントの周囲には、野営している多くの人々の気配が満ちている。
 過酷な旅の途中なので寝ている者も多いいだろうが、中にはテントの中で焚き火を囲んで酒を飲む者や、見張りの為に巡回している夜警の人間もいる。
 そんな寝ていない人達に、布張りのテントの中で睦みあうユウキとジュンヤの声は、総て聞こえてしまっている事だろう。
 しかし、テントで暮らす砂漠の民はそれが当たり前の様で特に気にする様子も無く、砂漠の民ではないユウキだが、毎晩あり難くその風習の恩恵を甘受している。

「ユウキィ・・」
「ん?」
「全部いなくなったみたいだぞ」
 しばらくユウキが寄り掛かってくるジュンヤの柔らかいの髪の感触を楽しんでいると、ジュンヤが約束通りに不死魚が死に絶えた事を申告してきた。
「待ってたよ・・」
 ユウキは微笑んでそう言い、ベッドの上に胡坐をかき、その膝の上に引き寄せたジュンヤをゆっくりと座らせた。
 下がって行くジュンヤの白く小さなお尻の下にはユウキの揚々と上を向く雄の印があって、それはズズズ・・とささやかな、だけれどテント中に広がる卑猥な音とともに、ゆっくりとジュンヤの中心へと埋められていく。
「やぁ・・・やぁぁ・・・」
 いきなり訪れた挿入に、ジュンヤは辛そうな声を漏らすけれど、されるまま逆らわない。
「はぁ・・・・はぁぁ・ぁ・・」
 やがて、華奢な自分の腕よりも太く、そして長さも十分にあるユウキ自身を総て身体の中に収めたジュンヤは、深い深い息をつくのだった。



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2008.04.14(21:58)|お礼コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「あれは絶対に何かを企んでいる悪人の顔よっ!」
 いきなり調子を取り戻したように、手厳しい事を力説する桜子を前に西原はビクビクしてしまう。
 数瞬前まであんなに気落ちしていた筈なのに、それだけ三都葉の事を褒めたのが気に食わなかったという事だろうか?
 その時に桜子は海外に旅行に行っていて会っていないのだが、三都葉は数週前に順也が西原との始めての経験で高熱を出した時にも、翔也に頼まれ往診してくれた医者だった。
 今日も、「本家の医者は信用できねぇっ!」と怒りまくった翔也がいきなり携帯で呼び出したのに、嫌な顔一つ見せずに駆け付けてくれて、覚醒剤なんて胡乱な物を打たれてしまった順也の治療とこれからの事を、親身になって考えてくれていた。
 先刻も順也に覚醒剤を打った時の事を尋ねているのに、鷹也があの調子でまったく取り合わないと、
「ふーん、こんな質問にも答えられないなんてかなり中毒の症状が進んでいるようだね、なるべく早く専門医の治療を受けないと確実に一年以内に死んでしまうよ、でも医者に行くと警察にも捕まるし困ったものだね」
 そう言い、諫めてくれた。
「へへへ・・ヤブ医者が適当な事を言ってるんじゃねぇ、そんな脅しに俺は引っ掛からねぇ」
「いや・・子供に覚醒剤を打つ様な君の心配なんかしていないから引っ掛けもしないけれどね、単に医者の義務として言っているんだよ、まあ、前科物になる覚悟が出来たら相談してくれていいよ、良い専門医を紹介するからね」
 それで、誰がどう罵ろうが叱ろうが、まったく悪びれる様子の無い鷹也が、初めて傍若無人が態度を引っ込めたのだ。
 その後、すっかり弱気な顔をして黙り込んでしまい、西原としてはかなり胸の空く思いがした。
 家元や田淵や史也は困りきった顔をしていて気の毒だったけれど、でもそのお陰で西原は必要以上に落ち込まないでいられるのだった。

 三都葉にはかなり感謝していて、素直に凄く良い人なんだなと西原は思っていた。
 なので、出会ったばかりの桜子がそこまで三都葉を嫌う理由が分からなくて、
「曲者って桜子さん、順也の事も細かく気を遣ってくれているし、鷹也さんにも厳しく注意してくれたし、悪い人じゃないと思いますよ」
 長男の嫁に逆らう事に恐れおののきながらも、一応は反論してみる。
「優希君・・・」
「はい?」
「顔だけはいいのに残念ねぇ」
「ううう・・そんなに俺って残念ですか?」
 しかし、もの凄く可哀想な人を見る目で見られただけで、意見は聞いて貰えなかった。
「それで、朝に私の車の中で言ったと思うんだけれど、優希君は覚えているかしら?」
「はい?」
「優希君とは仲良く出来ても、翔也君のお嫁さんとは仲良く出来ない予感がするって言ったあのお話」
「ああ・・はい」
「桜子、思うんだけれど、あれってね、あの三都葉さんじゃないかしら?」
「はぃぃぃぃ?」
 しかも続けて突飛もない話題を持ち出されてしまい、西原は返す言葉を失ってしまった。
 順也の主治医のことを話題にしていて、何でいきなりそんな話になるのか?
「いえ・・・、えっとあの、翔也さんも三ツ葉さんも・・おっ、男同士ですよ」
 さっぱり分らずに、西原はかなりトンチンカンな答えをしてしまう。
「あら、優希君がそれを言うのはどうなのかしらっ」
「そ・・・そうですね、俺は言えません・・・でもっ、翔也さんはそんな事は」
「翔也君は笑っちゃう位に健全でも、三都葉さんは絶対に怪しいわっ!私の勘は当るのよっ!」
「ううう・・・笑えない不健全でスミマセン」
「不健全でも優希君の事は大好きだけれど、あの男とはもし嫁同士になっても絶対に相容れないわ!」
「三都葉さんが・・翔也さんの嫁・・・?」
 当然、トンチキな意見は桜子に一蹴されてしまい、更に桜子の話についていけずに西原が途方に暮れていると、
「失礼します・・・順也君の点滴の様子はどうですか?」
 そう声を掛けてから寝室の襖を開けて、話題の三都葉が部屋の中に入っていた。


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2008.04.14(07:41)|hanging gardensコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
「ぁ・・ユゥキィ・・早く・・ぅ」
 ユウキが自分の言う事を聞いてくれると確信したジュンヤは、ベッドの上に仰向けに横になり、リングを外しやすい様に自ら白い脚を開いてみせた。
「はいはい・・」
 奴隷は主人の許しなしには体位を変えてはいけない筈なのだが、もうそんな事もどうでもいい。
 奴隷では無く恋人なってしまったジュンヤには、どう足掻いても勝てないともう諦めたユウキは、ジュンヤの上に身体を被せて、待ち侘びた様に見上げてくる顔にある、可憐な桜色に染まっている愛らしい唇にそっと自分の唇をよせた。
「はぁ・・んんん・・・っ」
 そのままシットリと重ねると、ジュンヤの口から甘い声が漏れる。
 奴隷とは唇を合わせないのもルールなのだが、これも始めての日にさっさと破ってしまっていた。
 開いた唇に舌を滑り込ませ、直ぐに反応してくる柔らかい舌にそれを絡ませながら、
―――パチン・・・
 ユウキは先を見ずに伸ばした手で、ジュンヤ自身を戒めていたリングを器用に外す。
「・・・・っっ!!!」
 途端に、赤く膨れていた幼い雄の先から、堰き止められていた昂ぶりが溢れ出て、前触れも無く開放されたジュンヤは、大きく目を見開いて身体を暴れさせようとした。
 しかし、ユウキは唇を離さないままそれを抱き締めて押さえ込み、悲鳴も痙攣も、ジュンヤを襲う快楽の総てを自分の身体に受け止めた。


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2008.04.13(10:49)|お礼コメント(0)トラックバック(0)TOP↑