朝食の準備がてら冷蔵庫の中身を整理していると、
「さいばらぁ・・・?」
いかにも寝ぼけた様子で目をコシコシ擦りながら、順也が台所に顔を出した。
「どうしたの?目が覚めちゃったの?まだ時間が早いよ」
フラフラ揺れている順也に屈んで目線を合わせながら尋ねると、
「んんん・・・喉が乾いたから麦茶が飲みたいぞ・・・」
甘えた様に首に抱きつきながら答えてくる。
言われるままに麦茶を入れて、椅子に座ってウツラウツラしている前に差し出すと、コクコクとそれを一気に飲み干して、
「ふぁーーーー」
酷く幸せそうな声を出した。
「西原ぁ、明日は何するんだ?」
それで少し目が覚めたらしくて、明日(実際は今日)の予定なんかを尋ねてくる。
「何でも・・夏休み最後の日だし順也の好きな事でいいよ、でも晩御飯は順也の家で三都葉先生もご招待してバーベキューだから、そのつもりでね」
「んん・・・そうかぁ・・」
すると順也は可愛らしく小首を傾げてしばらく考えていたけれど、
「やっぱり稽古だなっ!」
やがて、パッと顔を輝かせて元気一杯にそう答えてきた。
「あはは・・そうだね、じゃあ、明日は起きたら朝ご飯を食べて、ロードワークしながら家に帰って、後は道場で稽古しようね」
いかにも順也らしい答えに、西原の頬は思わず緩んでしまう。
最初から最後まで本当に色々あった夏休みだけれど、一番最後の日に一番順也らしい笑顔を見ることが出来て、こんなに嬉しい事はない。
「さあ、もう少し寝ようね、起きたら朝ご飯はクロワッサンサンドとクラムチャウダーだよ、あっ、そうだ、サンドイッチの中身は何がいい?」
「ん〜、ハンバーグっ!」
「え?それってクロワッサンに合うのかなぁ?どっちかって言うとハムとか卵とかツナとか・・」
「んんっ!ハンバーグっっ!!」
「はいはい・・ハンバーグ、分かりました、はい、じゃあおいで、ベッドに連れて行ってあげるよ」
もう汚れていたベッドも綺麗にメイクし直したので、自分の部屋に戻り、抱えていた順也をベッドの上に下ろすと、
「西原は寝ないのか?」
ベッドの中にモソモソと潜り込んだ順也がそう尋ねてくる。
「俺はもう少しやる事が残ってるから、あと一時間くらい起きてるよ」
実際、新学期の制服を今から出してアイロンを掛けたり、宿題のやり残しが無いか確認したり、ハンバーグのネタも作らなくてはいけないのでそう答えたのだが、それを聞いた順也は、機嫌の良さそうだった顔を見る見る曇らせた。
「んんっ!西原はまだお腹が良くなってないから寝なきゃ駄目だぞっ!」
そして、手を掴んでグイグイと引っ張りながら、そう言って来た。
「え?でもね、明日も忙しいから、今のうちに色々やっちゃわないと・・」
本当に、明日は全部順也の為に過ごしたいので、今のうちに出来る雑用は済ましてしまいたい。
でも、眉を寄せて心配そうに見上げて来る順也の顔を見て思い直した。
確かに、まだ時折胃が痛む時があるし、余り無理はしないよう三都葉に注意されている事も順也は知っていた。
順也の為と無理をして、それでまた順也に心配を掛けてしまっては、今までと何も変っていない。
総てを順也に捧げて、その誓いを忘れない為に指輪を渡して、それで順也も自分も幸せになれると信じていた。
でも、それは間違っていたのだろうか?
自分を大切に・・・
正直、まだそうする事には何だか抵抗があった。
母を見捨てた最低の人間の自分に、そんな価値は無いのではないかという思いが湧き上がり、負い目で胸が苦しくなる。
「うん・・そうだね、じゃあ、俺も寝るよ、でもそうするとクロワッサンサンドはハムとチーズだし、俺が新学期の準備をしている間は、ロードワークに出るのを待っててくれる?」
でも、ついさっき反省した事を思い出してそう言うと、
「んっ!いいぞっ、俺も手伝うぞっ」
順也は途端に見事な笑顔に戻り、元気に返事をしてくれた。
大きく開いた目をキラキラとさせてて、その笑顔は眩しい位に晴れ晴れとしていて、『ああ、もっと早くこうしていれば良かった、そうすれば誰も傷つかなかったんだ』と自然に考えられた。
「新学期の準備って何だ?」
「え?アイロン掛けとか、宿題の確認とか・・」
「じゃあ、俺がアイロン掛けるぞっ!」
「ええええええっ!」
「何で『ええええ』なんだ?」
「あはは・・・ゴメン、考えておくよ・・はい俺も寝るから順也ももう寝ようねっ!」
「んんんっ!アイロン掛けるぞっ!ちゃんとお手伝い出来るぞっ!」
「うう・・・はいはい・・」
部屋の電気を消すと、窓の外はもうかなり明るくなっていた。
開け放した窓から、夏の夜明けの透明な、まだ優しい光が差し込んで来るのを、カーテンを閉めて遮って、西原は順也の待っているベッドへと潜り込む。
「西原ぁ・・おやすみのキスぅ」
「はいはい、おやすみ順也、また明日ね」
途端にギュッとしがみ付いてきて、キスを強請る順也の唇にチュッと小さく唇を押し当てる。
愛しく暖かな身体を抱き締めながら、西原は深く心安らかな眠りに落ちたのだった。
収集が出来ないまま無理矢理完結でございます(^^;
つたない文章&無茶苦茶な構成にお付き合い頂き、ありがとうございました。
次は新学期ですね・・・・
二人の学校生活なんかを書きつつ、次は受験で悩んで頂こうかなぁとか考えています。
まぁ、予定通りに書けた記憶がないので、本当にそうなるか自分でも信じていませんが・・・
でも、その前に『hanging gardens』こぼれ話を・・・
いや、本当に色々ボロボロこぼれている気がするので、軽く拾ってみたいと思います。
最後に、沢山の拍手&ポチありがとうございました。
本当に励みになりました。
これからも、西原と順也君と愉快な仲間達をどうぞよろしくお願いします。
ランキング参加中!
ポチッ↓ありがとうございます♪大変励みになっています〜(^^)
「さいばらぁ・・・?」
いかにも寝ぼけた様子で目をコシコシ擦りながら、順也が台所に顔を出した。
「どうしたの?目が覚めちゃったの?まだ時間が早いよ」
フラフラ揺れている順也に屈んで目線を合わせながら尋ねると、
「んんん・・・喉が乾いたから麦茶が飲みたいぞ・・・」
甘えた様に首に抱きつきながら答えてくる。
言われるままに麦茶を入れて、椅子に座ってウツラウツラしている前に差し出すと、コクコクとそれを一気に飲み干して、
「ふぁーーーー」
酷く幸せそうな声を出した。
「西原ぁ、明日は何するんだ?」
それで少し目が覚めたらしくて、明日(実際は今日)の予定なんかを尋ねてくる。
「何でも・・夏休み最後の日だし順也の好きな事でいいよ、でも晩御飯は順也の家で三都葉先生もご招待してバーベキューだから、そのつもりでね」
「んん・・・そうかぁ・・」
すると順也は可愛らしく小首を傾げてしばらく考えていたけれど、
「やっぱり稽古だなっ!」
やがて、パッと顔を輝かせて元気一杯にそう答えてきた。
「あはは・・そうだね、じゃあ、明日は起きたら朝ご飯を食べて、ロードワークしながら家に帰って、後は道場で稽古しようね」
いかにも順也らしい答えに、西原の頬は思わず緩んでしまう。
最初から最後まで本当に色々あった夏休みだけれど、一番最後の日に一番順也らしい笑顔を見ることが出来て、こんなに嬉しい事はない。
「さあ、もう少し寝ようね、起きたら朝ご飯はクロワッサンサンドとクラムチャウダーだよ、あっ、そうだ、サンドイッチの中身は何がいい?」
「ん〜、ハンバーグっ!」
「え?それってクロワッサンに合うのかなぁ?どっちかって言うとハムとか卵とかツナとか・・」
「んんっ!ハンバーグっっ!!」
「はいはい・・ハンバーグ、分かりました、はい、じゃあおいで、ベッドに連れて行ってあげるよ」
もう汚れていたベッドも綺麗にメイクし直したので、自分の部屋に戻り、抱えていた順也をベッドの上に下ろすと、
「西原は寝ないのか?」
ベッドの中にモソモソと潜り込んだ順也がそう尋ねてくる。
「俺はもう少しやる事が残ってるから、あと一時間くらい起きてるよ」
実際、新学期の制服を今から出してアイロンを掛けたり、宿題のやり残しが無いか確認したり、ハンバーグのネタも作らなくてはいけないのでそう答えたのだが、それを聞いた順也は、機嫌の良さそうだった顔を見る見る曇らせた。
「んんっ!西原はまだお腹が良くなってないから寝なきゃ駄目だぞっ!」
そして、手を掴んでグイグイと引っ張りながら、そう言って来た。
「え?でもね、明日も忙しいから、今のうちに色々やっちゃわないと・・」
本当に、明日は全部順也の為に過ごしたいので、今のうちに出来る雑用は済ましてしまいたい。
でも、眉を寄せて心配そうに見上げて来る順也の顔を見て思い直した。
確かに、まだ時折胃が痛む時があるし、余り無理はしないよう三都葉に注意されている事も順也は知っていた。
順也の為と無理をして、それでまた順也に心配を掛けてしまっては、今までと何も変っていない。
総てを順也に捧げて、その誓いを忘れない為に指輪を渡して、それで順也も自分も幸せになれると信じていた。
でも、それは間違っていたのだろうか?
自分を大切に・・・
正直、まだそうする事には何だか抵抗があった。
母を見捨てた最低の人間の自分に、そんな価値は無いのではないかという思いが湧き上がり、負い目で胸が苦しくなる。
「うん・・そうだね、じゃあ、俺も寝るよ、でもそうするとクロワッサンサンドはハムとチーズだし、俺が新学期の準備をしている間は、ロードワークに出るのを待っててくれる?」
でも、ついさっき反省した事を思い出してそう言うと、
「んっ!いいぞっ、俺も手伝うぞっ」
順也は途端に見事な笑顔に戻り、元気に返事をしてくれた。
大きく開いた目をキラキラとさせてて、その笑顔は眩しい位に晴れ晴れとしていて、『ああ、もっと早くこうしていれば良かった、そうすれば誰も傷つかなかったんだ』と自然に考えられた。
「新学期の準備って何だ?」
「え?アイロン掛けとか、宿題の確認とか・・」
「じゃあ、俺がアイロン掛けるぞっ!」
「ええええええっ!」
「何で『ええええ』なんだ?」
「あはは・・・ゴメン、考えておくよ・・はい俺も寝るから順也ももう寝ようねっ!」
「んんんっ!アイロン掛けるぞっ!ちゃんとお手伝い出来るぞっ!」
「うう・・・はいはい・・」
部屋の電気を消すと、窓の外はもうかなり明るくなっていた。
開け放した窓から、夏の夜明けの透明な、まだ優しい光が差し込んで来るのを、カーテンを閉めて遮って、西原は順也の待っているベッドへと潜り込む。
「西原ぁ・・おやすみのキスぅ」
「はいはい、おやすみ順也、また明日ね」
途端にギュッとしがみ付いてきて、キスを強請る順也の唇にチュッと小さく唇を押し当てる。
愛しく暖かな身体を抱き締めながら、西原は深く心安らかな眠りに落ちたのだった。
収集が出来ないまま無理矢理完結でございます(^^;
つたない文章&無茶苦茶な構成にお付き合い頂き、ありがとうございました。
次は新学期ですね・・・・
二人の学校生活なんかを書きつつ、次は受験で悩んで頂こうかなぁとか考えています。
まぁ、予定通りに書けた記憶がないので、本当にそうなるか自分でも信じていませんが・・・
でも、その前に『hanging gardens』こぼれ話を・・・
いや、本当に色々ボロボロこぼれている気がするので、軽く拾ってみたいと思います。
最後に、沢山の拍手&ポチありがとうございました。
本当に励みになりました。
これからも、西原と順也君と愉快な仲間達をどうぞよろしくお願いします。
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