魔王と双子が地上へやって来て3ヶ月が過ぎて、アルディア国には春が訪れていた。
ついこの間まであんなに寒かったのが嘘の様に、空からは暖かな日差しが降り注ぎ、森には新緑が芽吹き、農業国のアルディア国の国土は植えられた作物の緑で覆われた。
相変わらず魔界からの帰還の要請は無いので、魔王と双子達はアルディア王城に住み込んでいて、
「今日も国境見回りにっ」
「張り切って行って来ますっ」
魔王達は、人手不足のアルディア王国を助ける為に、国境の見回りに勤しんでいた。
「いっせえのっ」
「はあ、どっこいしょっ」
「ジジ臭い掛け声を出してないでサッサと飛べっ!!」
しかし、この頃の魔王達は少々お疲れ気味だったりする。
理由は気候が良くなってきたので、基本的にジメジメ、シトシト、薄暗いが性に合う魔王達には、明る過ぎて辛い季節になったからだった。
ホームグランドの薄暗い魔界でなら不眠不休で何日でも働けるけれど、お日様サンサンのアウウェーの地上では単に空を飛ぶだけでも気力がいる。
そんな苦手な環境の中で、今日も魔王達がグルグルと国境線を警備して飛び回り、そしてヘロヘロになって夜の王城へと帰還した。
空から舞い降りる魔王達の玄関になっている王城のベランダへ舞い降りる・・・
―――バササ・・・ボトンッ
「はううう、疲れたよぉぉぉぉ」
―――バササ・・・ボトンッ
「うううう、もう1メーターも飛べません」
というか墜落した魔王達には、もう立ち上がる気力も残っていない。
しかし、そんな限界ギリギリまで疲れ切ていて、下手をすると死相が見え隠れする魔王達だけれど、
―――バタンッッ
「ユウキィ、お帰りなさいっ!!!」
「ケントも、お帰りなさいっ!!!」
ベランダへ通じる大きなガラスのトビラが開いて、そこから婚約者の双子達が飛び出してくると、
「はは、ただ今、順也っ」
「うん、ただ今、翼っ」
いきなりシャンと元気になるのだった。
地上へ来て3ヶ月。
魔王達は婿として人手不足のお城のお手伝い、双子は母親のお后様と一緒に花嫁修業とお互い忙しいけれど、でもやっぱりラブラブ仲良しの婚約者同士だった。
あと一月程で14歳の誕生日を迎える双子は、只でさえ愛らしかった容姿が、ちょっとだけ大人っぽくなってそこに色っぽさが加味されて、もう正に本物の妖精か天使の様だった。
抱きついて着た双子を、魔王達はそれぞれ大切そうに抱き上げた。
腕の中、ジッと見上げて来るクリクリ大きなハシバミの瞳、母親のお后様が『花嫁衣裳を着るなら伸ばさなきゃダメよ』と言ってくれたので、すこしだけ長くなったフワフワネコっ毛の薄茶色の髪、ちょっぴり背が伸びた細くしなやかな肢体、どれだけお日様の下で遊んでもやっぱり真っ白なスベスベの肌。
「ただ今、順也、ずいぶん薄着だね、どうしたの?」
「んんっ、お風呂から上がったら、ユウキ達が帰ってきたから、慌てて出てきたぞっ」
「お出迎えは嬉しいけれど、湯上りにそんな格好で外に出たら風邪を引いちゃうよ、翼」
「ケントが抱っこしていてくれたら、暖かいから平気だよっ」
今日の双子は真っ白い華奢な手足と、更に真っ白い胸元も露な、湯上りの下着姿だ。
しかも、湯上りでほんのり全身がピンク色で、更に入浴剤の甘い香りが全身からホンワカ匂ってきて、
「はう、もぉぉぉぉ、仕方がないなぁぁぁぁ」
「ダメだよぉぉぉぉ、早く何か着なきゃぁぁぁぁ」
2人を抱き上げた魔王達はほんのコンマ数秒で、声も態度も表情も蕩けてしまいそうな位に、メロメロの骨抜きクラゲ状物質になってしまう。
ここが魔界の魔王のお城なら、魔王達は間違いなくそのままそれそれの婚約者を寝室へ連れて行き、激しく、だけれど優しく大切な婚約者を愛し倒すところだろう。
だけれど、今居るのはアルディア王城の中なので、
「まあまあ、順也ちゃん、翼ちゃん、もう直ぐ花嫁さんになる子が、下着で走り回ったらいけませんよっ」
「順也様、上着をお召しください」
「翼様、ズボンをお履きください」
直ぐにお后様と侍女たちが追いかけて来て、二人にパパっと服を着せてしまうので、そういう訳にもいかなかった。
「さあさあ、髪の毛を乾かしてしまいましょう、ちゃんと身嗜みを整えて、お婿さんへのご挨拶はそれからにしなさい」
「はぁぁぁい、また後でな、ユウキィ」
「はぁぁぁい、また後でね、ケントォ」
しかも、花嫁修業を兼ねてお行儀にはちょっと厳しいお后様が、さっさと双子を連れて奥へ戻ってしまったりする。
家族の目があるので、地上に来てからの魔王達は・・・
周囲に家族の目があるので、キスはホッペにチュウまでで自主規制。
当然寝室は別々で、エッチなんてもってのほか。
それどころか、国境の見回りが忙しくて、滅多に双子と一緒にもいられなかったりする。
だけれど、家族に囲まれて幸せそうな、しかも魔界に居るときより確実にいきいきと健康そうな順也と翼の姿を見れて、
「うん、また後でね、順也」
「良く髪を乾かすんだよ、翼」
「ユウキさんとケントさんも一日ご苦労様、2人ともお風呂に入ってゆっくりなさってね、後で皆が揃ったら美味しいお茶を煎れますからね」
「「はいっ、ありがとうございます、お義母さんっ」」
自分達も双子の家族の役に立てて、
「ああ・・出来ればこのまま一生ここに居たいよね、ケント魔王」
「そうですねぇ・・、もう魔王は辞めて、この家の子になっちゃいたいですよねぇ、ユウキ魔王」
「16歳まで待てば、順也とエッチも出来るし・・・ねえ?」
「16歳まで待てば、翼ともエッチも出来ますから・・・ねえ?」
エッチは出来なくても今までになく満たされた気分の魔王達は、もう魔界へは帰らずにこのまま地上で暮らしたいと、かなり真剣に考えてしまうのだった。
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ついこの間まであんなに寒かったのが嘘の様に、空からは暖かな日差しが降り注ぎ、森には新緑が芽吹き、農業国のアルディア国の国土は植えられた作物の緑で覆われた。
相変わらず魔界からの帰還の要請は無いので、魔王と双子達はアルディア王城に住み込んでいて、
「今日も国境見回りにっ」
「張り切って行って来ますっ」
魔王達は、人手不足のアルディア王国を助ける為に、国境の見回りに勤しんでいた。
「いっせえのっ」
「はあ、どっこいしょっ」
「ジジ臭い掛け声を出してないでサッサと飛べっ!!」
しかし、この頃の魔王達は少々お疲れ気味だったりする。
理由は気候が良くなってきたので、基本的にジメジメ、シトシト、薄暗いが性に合う魔王達には、明る過ぎて辛い季節になったからだった。
ホームグランドの薄暗い魔界でなら不眠不休で何日でも働けるけれど、お日様サンサンのアウウェーの地上では単に空を飛ぶだけでも気力がいる。
そんな苦手な環境の中で、今日も魔王達がグルグルと国境線を警備して飛び回り、そしてヘロヘロになって夜の王城へと帰還した。
空から舞い降りる魔王達の玄関になっている王城のベランダへ舞い降りる・・・
―――バササ・・・ボトンッ
「はううう、疲れたよぉぉぉぉ」
―――バササ・・・ボトンッ
「うううう、もう1メーターも飛べません」
というか墜落した魔王達には、もう立ち上がる気力も残っていない。
しかし、そんな限界ギリギリまで疲れ切ていて、下手をすると死相が見え隠れする魔王達だけれど、
―――バタンッッ
「ユウキィ、お帰りなさいっ!!!」
「ケントも、お帰りなさいっ!!!」
ベランダへ通じる大きなガラスのトビラが開いて、そこから婚約者の双子達が飛び出してくると、
「はは、ただ今、順也っ」
「うん、ただ今、翼っ」
いきなりシャンと元気になるのだった。
地上へ来て3ヶ月。
魔王達は婿として人手不足のお城のお手伝い、双子は母親のお后様と一緒に花嫁修業とお互い忙しいけれど、でもやっぱりラブラブ仲良しの婚約者同士だった。
あと一月程で14歳の誕生日を迎える双子は、只でさえ愛らしかった容姿が、ちょっとだけ大人っぽくなってそこに色っぽさが加味されて、もう正に本物の妖精か天使の様だった。
抱きついて着た双子を、魔王達はそれぞれ大切そうに抱き上げた。
腕の中、ジッと見上げて来るクリクリ大きなハシバミの瞳、母親のお后様が『花嫁衣裳を着るなら伸ばさなきゃダメよ』と言ってくれたので、すこしだけ長くなったフワフワネコっ毛の薄茶色の髪、ちょっぴり背が伸びた細くしなやかな肢体、どれだけお日様の下で遊んでもやっぱり真っ白なスベスベの肌。
「ただ今、順也、ずいぶん薄着だね、どうしたの?」
「んんっ、お風呂から上がったら、ユウキ達が帰ってきたから、慌てて出てきたぞっ」
「お出迎えは嬉しいけれど、湯上りにそんな格好で外に出たら風邪を引いちゃうよ、翼」
「ケントが抱っこしていてくれたら、暖かいから平気だよっ」
今日の双子は真っ白い華奢な手足と、更に真っ白い胸元も露な、湯上りの下着姿だ。
しかも、湯上りでほんのり全身がピンク色で、更に入浴剤の甘い香りが全身からホンワカ匂ってきて、
「はう、もぉぉぉぉ、仕方がないなぁぁぁぁ」
「ダメだよぉぉぉぉ、早く何か着なきゃぁぁぁぁ」
2人を抱き上げた魔王達はほんのコンマ数秒で、声も態度も表情も蕩けてしまいそうな位に、メロメロの骨抜きクラゲ状物質になってしまう。
ここが魔界の魔王のお城なら、魔王達は間違いなくそのままそれそれの婚約者を寝室へ連れて行き、激しく、だけれど優しく大切な婚約者を愛し倒すところだろう。
だけれど、今居るのはアルディア王城の中なので、
「まあまあ、順也ちゃん、翼ちゃん、もう直ぐ花嫁さんになる子が、下着で走り回ったらいけませんよっ」
「順也様、上着をお召しください」
「翼様、ズボンをお履きください」
直ぐにお后様と侍女たちが追いかけて来て、二人にパパっと服を着せてしまうので、そういう訳にもいかなかった。
「さあさあ、髪の毛を乾かしてしまいましょう、ちゃんと身嗜みを整えて、お婿さんへのご挨拶はそれからにしなさい」
「はぁぁぁい、また後でな、ユウキィ」
「はぁぁぁい、また後でね、ケントォ」
しかも、花嫁修業を兼ねてお行儀にはちょっと厳しいお后様が、さっさと双子を連れて奥へ戻ってしまったりする。
家族の目があるので、地上に来てからの魔王達は・・・
周囲に家族の目があるので、キスはホッペにチュウまでで自主規制。
当然寝室は別々で、エッチなんてもってのほか。
それどころか、国境の見回りが忙しくて、滅多に双子と一緒にもいられなかったりする。
だけれど、家族に囲まれて幸せそうな、しかも魔界に居るときより確実にいきいきと健康そうな順也と翼の姿を見れて、
「うん、また後でね、順也」
「良く髪を乾かすんだよ、翼」
「ユウキさんとケントさんも一日ご苦労様、2人ともお風呂に入ってゆっくりなさってね、後で皆が揃ったら美味しいお茶を煎れますからね」
「「はいっ、ありがとうございます、お義母さんっ」」
自分達も双子の家族の役に立てて、
「ああ・・出来ればこのまま一生ここに居たいよね、ケント魔王」
「そうですねぇ・・、もう魔王は辞めて、この家の子になっちゃいたいですよねぇ、ユウキ魔王」
「16歳まで待てば、順也とエッチも出来るし・・・ねえ?」
「16歳まで待てば、翼ともエッチも出来ますから・・・ねえ?」
エッチは出来なくても今までになく満たされた気分の魔王達は、もう魔界へは帰らずにこのまま地上で暮らしたいと、かなり真剣に考えてしまうのだった。
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